昨日は42年ぶり日本一の話を書いたので、今日は10年前のリーグ優勝の話を書きます。
2016年9月10日(土)の巨人戦。田中広輔がショートゴロを捌き、ファースト新井が嬉し気にウィニングボールを掴んだ瞬間、カープは25年ぶりのリーグ優勝を決めました。
2015年の広島カープ
優勝の瞬間と緒方の胴上げ、黒田と新井の涙の抱擁。
あれは10年前の秋のことでした。
話を整理しますと、黒田と新井のカープ復帰は10年前の冬ではなく、実は11年前の冬のことでした。
そう。黒田新井のカープ復帰と緒方新監督の1年目は 2015年 だったのです。
黒田と新井は復帰1年目に一度Bクラスに沈んでいます。
緒方監督は1~4番を「誠也・キク・丸・グスマン」で開幕しましたが、1ヶ月後には「丸・キク・シアーホルツ・新井」に変わっていました。開幕1ヶ月もたたないうちに「日替わり打線とポジコロ」が始まったのです。
この野球で優勝したチームも多いですが、カープの場合はだいたい打線を固定した方が強いです。去年の阪神もそうでした。
投手陣では2年目の大瀬良大地が誤算でした。なかなか勝ち星を稼げず、シーズン途中でリリーフに回されました。
マエケンは鬼神の活躍、クリス=ジョンソンはとんでもない掘り出し物でした。
この年は阪神と巨人が上にいて、最後の最後にヤクルトがスルスルッと抜け出し優勝。ヤクルトの貯金はわずか11個でした。
カープは借金2の4位。緒方孝市は後に「あの時の自分に馬鹿めと言ってやる」と語りました。
2016年の広島カープ
マエケンが去ったものの、2016年のカープに不安はなかった。
4年目の鈴木誠也が伸び盛りだったし、一岡・中崎という勝ちパターンも完成したからです。
緒方はこの年、打順を 固定 しました。
6田中、4キク、8丸、5ルナ、7エルドレッド、3新井。
ルナがケガすると4番に新井が座り、6番に誠也。
1~3番がグラウンドを走り回り、4~5番がとにかく打点を稼ぎました。
カープは6月に交流戦でセリーグを突き放し、2位巨人に9ゲーム差。
KJは沢村賞、ノムスケは最多勝。ジャクソンとヘーゲンズも良かったが今村猛の復帰に泣いた。
堂林は相変わらずでした。ルーキーの西川にポジションを取られるぞ。
鈴木誠也の神ってる活躍もあり、カープのマジックはいよいよ1。
その日が来た…
2016.9.10(土)
巨人 4-6 広島 東京D
実は東京ドームに来る直前、カープはマジック4でマツダスタジアム3連戦に臨んでいました。覚えている方も多いんじゃないですか。
25年ぶりの優勝ですから、地元で決めたいに決まっています。新球場を建てたのはこの日のためです。
カープは見事に3連勝しましたが、巨人もまさかの3連勝。カープ、マツダで胴上げならず。マジック1。
東京ドームは土日の2連戦。万が一2連敗しても次のカードはナゴヤドームの中日戦。もはやマツダで胴上げするのが絶望的な状況でした。
ならばカープファンはどうしたか?
そうです。いつものように東京ドームを真っ赤に染めたのです。
この試合では黒田博樹が坂本勇人に先制ツーランを許すのですが、5番鈴木誠也の 2打席連続ホームラン でたちまち2対2の同点。
6番松山竜平まで誠也につられてホームラン。3対2。カープ逆転!
動揺した巨人先発マイコラスは7番安部の右足にデッドボールを当てます。
ここで吠えたのが 黒田博樹 です。
「お前コラ、帽子脱いで謝らんかい! Fuc〇 You!」
黒田は9番なので安部の打席でキャッチボールをしていたのです。その時黒田は41歳でした。
黒田が吠えたからベンチも全員吠えないといけない。39歳の新井もベンチを飛び出して、黒田と一緒に白線の近くまで出ていきました。慌てて止めるキクと磯村。磯村は黒田のキャッチボール相手だったんですよ。
これを2026年の現代に例えると、阪神戦で大瀬良とアツが村上と大竹に吠えているようなもんですよね。
黒田はけっこう行くんですよ。ヤンキースにいた時も球審に食ってかかったことがある。
誤解しないでいただきたいのは黒田は見境なく行ってんじゃないですよ。連続ホームランの後の死球で、謝らないピッチャーがいたらそりゃアンタ「おまえワザとやったんやろ」となるのが昭和の野球です。
黒田は昭和の男です。私と同年代です。
んで無死1塁で8番アツが送りバント。1死2塁で黒田に打順が回ります。笑
マイコラスは黒田の顔を見れません。黒田はこないだまでヤンキースのバリバリエースで投げてた投手ですよ。そんなのに睨まれたら、マイナーリーガーはそりゃ怖いよ。
マイコラスはマジメにストライクを投げて黒田を三振。当たり前のプレーなんだけど、あの打席はなんかメチャクチャ緊張した。ぶつけたらどうなるんだろうと私まで怖かった。笑
さて試合は進み8回表、5対3。カープのリードは2点。
2死3塁で打席に新井。投手は戸根千秋。
新井の打球は平凡なセカンドゴロ。悔しい顔で一塁へ走る新井。
タイミングは完全にアウトでしたが、一塁手の阿部慎之助がこれを落球。3塁走者田中広輔がホームイン、6対3。記録はエラー。
「やった!やった!」と無邪気に喜ぶ新井と広輔。
相手がエラーするたび、毎回喜んでると相手に失礼ですが、こういう勝敗を分ける1点を取った時は派手に喜んでいいと思います。てか喜ばないとダメ。
8回の2点差と3点差は 天地の差 です。あの頃はチーム一丸で1点の重みをわかっていたなあ。
実際カープは8回裏にジャクソンが1点を取られます。ほらね、阿部のエラーは大きかったでしょ。
その時が来た…
9回裏、6対4、2死1塁。
投手中崎、打者亀井、1塁走者チョーさん。
亀井の詰まった打球を広輔が捕る。ウィニングボールを新井が掴む。
石原がマウンドに駆け寄る。中崎がみんなから潰される。
緒方が黒田と新井を抱く。黒田は新井を抱く。30秒くらい抱く。
東京ドームの放送席には山本浩二と野村謙二郎がいました。「新井と黒田がねえ…」としんみりしてました。
胴上げが始まりました。まず緒方。9回だったかな? 忘れました。
続いて黒田。続いて新井。なんで新井が一番堂々と胴上げされてるの?
キクは胴上げしてる天谷にカンチョーしてました。
ビールかけの音頭は小窪哲也の「まさかじゃない!」でした。
ビールかけの二次会は松山の自宅で開かれました。
今
あれから10年。正確には9年と少し。
今年もやるぜ、新井貴浩の胴上げを。
小園が新春インタビューで新井を胴上げしたいと言ってたぞ。
そのためにポジコロをやめなさい。上位打線は固定して、7~8番を日替わりにしなさい。
10年前も私は緒方に言いました。鈴木誠也と堂林を固定してスタメンで出せと。
野間も固定してほしかったが、野間と誠也はどちらか一人しか出られなかった。
今、私が叫ぶのは2~5番を小園・ファビ・モン・奨成で固定しろという話です。1番は勝田と羽月と矢野の中で一番打ったヤツが打つ。守備力は後回し。
2016年のカープにも赤松・天谷・梵がいたが、試合に出たのはタナ・マル・新井でした。打てるヤツを試合に出せ。
「打つ」ってのは安打数ではありません。長打力とも少し違う。
アメリカの数値では測れないものです。5対3の試合の8回表の1点は、0対0の1回表の1点と重みが少し違うのです。
10対0の試合の1点など何の意味もありません。その1打点とこの1打点を同じデータで語っちゃいけません。
現在の新井はこないだ「結果を見る」と言ってましたが、朝山の時は「何打数何安打」のみで打順を組んでました。あんなアホ野球はもうこりごりです。