帰ってきた野球の神様(笑)巨人はゾンビだ!

野球の神様シリーズ第2弾です。
今日も暖かい目でご覧下さい、よろしくどうぞ。妄想でフィクションです。

2019年3月28日(木)
野球商事株式会社にて

プルルル・・・
プルルル・・・

ガチャ!

社員A
ハイ、こちら野球商事です。
ハ、ハイ。左様でございますか。
ええ、ハイ。その件につきましてはですね、ええと、そっちの方が野球人としての彼、また一人の人間としての彼のさらなる成長のために課した試練と言いますか・・・
そうなんです。これもまた彼のためということでご理解いただけますと幸いです。
え? 上司を出せ? 申し訳ございません。 選抜高校野球に関しましては全てこちらの方で対応させていただいておりますので・・・

社員B
長い電話だな。
またクレームが入ったようだ。

社員C
名門校と無名校のシビれる延長戦の結末がピッチャーゴロのサヨナラエラー。
そりゃお客さんだって怒るだろうな。

社員B
しかも力投を続けた無名校のエースが涙の暴投ってか。

社員C
ハッキリ言ってセンバツは俺たちの管轄じゃないんだよな。
魔物が勝手に暴れてるだけで。

社員A
ハイ・・・ハイ・・・
ええ。本当にありがとうございました。では失礼します。ガチャリ。
ふうぅ、長い電話だった。

社員B
お疲れさん。よく頑張ったな。

社員A
今日は朝からこのクレームばっか。
もうイヤだ。疲れちゃった。他の仕事が何にも出来ねえよ。

野球の神様
お前また「何々のほう」って言ってたぞ。
気を付けろと言っただろ。

社員A
え?おはようございます。神様、いたんですか?

神様
いたんですかじゃねえ。
お前らが魔物から目を離すからこういう騒ぎが起きるんだ。

社員C
仕方ありませんよ。甲子園は魔物の大好物。
いくら我々でも甲子園の魔物をコントロールすることはできません。

神様
いつまでもそんなこと言ってると成長しねえぞ。
プロ野球の方はどうなってる?

社員A
ハイ。明日から各地で開幕戦です。
気温も湿度もちょうどいい感じに設定しておきました。

神様
うむ、任せる。悪いが俺は今日からアメリカ出張だ。
早急にポスト・イチローとなるべき若者を発掘しなくてはならない。

社員B
神様、広島の案件はいかがいたしましょう?

神様
だからそれをおまえ達に任せると言っている。
決定事項は一つだけだ。あとの試合の流れや勝敗の結果は全部おまえ達に任せる。頼んだぞ。

社員B
わかりました。
では我々にお任せ下さい。

神様
じゃあ俺は出かけるぞ。
そろそろおまえ達にも野球の神様として一本立ちしてもらわんと困るんだ。
留守中、日本のことは頼んだぞ。

社員A、B、C
行ってらっしゃい!

・・・

社員A
俺たちもいよいよ神様に昇進かぁ・・・

社員B
気が早いぞ。笑
さっさと今の仕事にかかろうぜ。

社員C
おい、さっき言ってたマツダスタジアムの決定事項って何だっけ?

社員A
小園海斗、初打席初安打だよ。
それも初球だからな。忘れんなよ。

社員C
わかった。で、どうする?
この試合Aちゃんが担当してくれるの?

社員A
ごめん。俺、手持ちの案件がけっこう溜まってて・・・
悪いけどBちゃん、頼める?

社員B
よしわかった。俺がやろう。
早く出世したいし。笑

社員A
じゃ俺、甲子園に戻るから。
NPBはBちゃんとCちゃんに頼むよ。

社員B
おう、お疲れー
よっし。じゃさっそく試合の流れを作るとするか・・・
待てよ。その前にペナントレース全体の流れか?
それとも向こう20年のプロ野球界の流れか?

社員C
おいおい、初っ端から壮大な計画を立てると後がキツくなるぜ。

社員B
今シーズンは巨人を勝たせるわけにはいかないよ。

社員C
へいへい。そこは俺も同感だ。

社員B
巨人は開幕から岡本が2年目のジンクスにハマる・・・
ビヤヌエバが謀反を起こして、坂本は腰が痛いっと。
んで9月に原監督が更迭・・・元木監督代行っと。

社員C
いやそこは宮本代行でいいんじゃね?

社員B
そうかな?
元木の方が若くて巨人らしいと思うけど。逆指名組だし。
あーあ。丸さえいなけりゃ巨人を最下位に落としてやれるのにな。

社員C
5年連続V逸だけで野球界のバランスは維持できるんじゃないか。

社員B
それは甘いぞ。日本の若者に「お金を出してハイ優勝」って野球だけは絶対に見せちゃいけない。
そういう勝利を喜べるヤツはロクな大人にならん。
巨人のやり方をこれ以上勝たせては日本という国がダメになる。
そうなると俺たちは天照大神さんや日本武尊さん、それにトイレの神様に顔向けできねえ。
巨人Bクラスは俺たちの使命だ。
大型補強をすると去年より成績が落ちる、野球は足し算じゃねえってことを東京の若い子と原監督に教えてやらないといけない。
スーパーやコンビニで毎日好きなものを買えると思ってる若い子達に、地方のおっちゃんおばちゃんが毎日畑に種をまいてることを教えてやらないといけない。
パリーグと広島が頑張っている地方の活性化と選手の育成
これをもっと伸ばして日本野球界の柱に育てなきゃならん。

社員C
うん。神様がいつも言ってることだよね。

社員B
神様はアメリカ野球のビジネス化にも憂いを感じている。
イチローに代わる若者にその野球改革を託すつもりなんじゃないかな。

社員C
次々と若い芽が出てくるのが自然の摂理。森でも海でも。

社員B
そういうこと。
老いを拒むのは人間の悪い癖だ。
常勝だなんてゾンビかよ。ゾッとするぜ。