セパの格差は育成力の差~後編

前編の続きです。

結論から言いますね。

セパの格差はDH制度のせいじゃない

つまりセがDHを導入してもパには勝てない

理由はドラフト下位指名の選手が育っていないから


(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

DH説を唱える方は
・DH制度があるから野手を一人育てられる
・ピッチャーは打順が回ってこないので長い回を投げられる
・相手打線が強力なので投手が鍛えられる
・だから野手も投手も強くなる
というご意見かと思います。

ええ、その通りです。
一切否定はしません。

しかし前回言ったように14年間の交流戦を143試合に換算した時、パリーグは76勝67敗。セリーグは67勝76敗。
1年間に例えると9ゲーム差あります。
これにDH制度の有無が寄与しているのはせいぜい1~2ゲーム差ではないかというのが私の意見。

育成力の差が5ゲーム。
球場の大きさ、パリーグの意地、偶然性などを合わせて2ゲーム。
んでDH制度の2ゲームで合計9ゲーム差なのではないかと思うのです。

セリーグは若手が伸びてこない。
パリーグは若手が伸びてくる。
だからセとパには9ゲーム差の格差がある。

この説を証明する一つの根拠が広島カープの3連覇です。

2016年 17.5ゲーム差
2017年 10ゲーム差
2018年 7ゲーム差

3年連続ぶっちぎり優勝。
「でも日本一になってないやんけ!」
という議論は無視します。
短期決戦の話をしているんじゃありません。

パリーグと広島は主にFAで出て行かれる側。
巨人と阪神はFAで選手を獲る側。
契約切れの外国人も巨人や阪神が獲ることが多い。ソフトバンクもたまに獲る。

これをマスコミは補強と呼ぶが、実は補強になっていない場合がほとんど。
巨人のアレックス=ゲレーロ。
彼を四番候補として1年前に獲得した時、私は「あほや」と失笑しました。
チームのために泥をかぶる村田修一を解雇した後での「補強」でした。
1年前の段階で四番岡本和真が存在し、外野の弱い巨人が「6番打者」としてゲレーロを獲ったのならまだギリギリわかる。
それでも年俸は2年8億。かなりアホっぽい。
6番打者に2年8億。金持ちボンボン丸出しです。

阪神も西とガルシアを獲得。
的確な補強に見えるが竹安投手(24歳)を人的補償で放出。
2018年の2軍成績は14試合で6勝0敗。ERA1.30。

野球チームは足し算引き算じゃありません。
そして選手は「駒」じゃありません。たかが選手と思ってんじゃないか、あの監督は。
強い選手を集めても勝てない。
そもそも強い選手じゃないんですよね。セリーグが獲得している選手は。
本当に強い選手は海の向こうに行くんですよ。

カープ3連覇は
2016マエケンの移籍
2017黒田の引退
2018河田&琢朗退団
を乗り越え、選手が育って勝ちました。
黒田と新井の力も大きかったけど、3連覇の主役は誠也とタナキクマルと一岡、今村、中崎です。
松山とジャクソンも3年間頑張った。

※参考データ
逆指名廃止後、ドラフト3位以下で指名された主な選手
■広島・・・會澤、(丸)、小窪、松山、中崎、田中広輔、西川、床田、アドゥワ、坂倉
■SB・・・本多、高谷、長谷川、中村晃、摂津、千賀、甲斐、嘉弥真、上林、大竹
■西武・・・浅村、秋山、金子、高橋朋巳、外崎、源田、鈴木将平
■ハム・・・宮西、中島、杉谷、(谷元)、(増井)、近藤、上沢、(高梨)、浅間
■巨人・・・(越智)、(松本哲也)、(一岡)、田原、田口、大江、高田、大城、田中俊太
■阪神・・・(大和)、上本、秋山、中谷、陽川、梅野、岩崎、才木、糸原、浜地

こういう下位指名の選手が一軍で活躍すると、まわりの選手が
「俺も負けるか!」
って気持ちでやる気出ると思うんですよ。

巨人ファンの人に教えます。
このことをチーム全体の底上げと言います。
知らなかったでしょ。笑

セリーグはパだけじゃなく、カープにもボロ負けしています。
みんな「カープの強さはスカウトと育成力の差だ」って言うくせに、なんでパリーグ相手にはDH制度のせいにしちゃうの?

認めよう。
パリーグの育成力と若手の能力を。

そして疑おう。
30歳のFA選手が本当に補強になるのかどうかを。

カープはDHなしでも若手が順調に成長していますよ。

※余談
FAでパリーグ球団に移籍した岸、内川、増井などは変わらぬ活躍を見せています。
しかしセに移籍した糸井、陽、杉内、片岡らは劣化しました。
偶然なのか必然なのか?
2年契約のゲレーロが1年目に働かないことは決定事項でしたけど。

おしまい!