この物語はフィクションです。←当たり前
野球の神様
いよう女神ちゃん!
今日も可愛いねw
勝利の女神
アンタって相変わらずしょーもない男ね。
ちっとは成長したらどうなの。もう100歳くらいになるんでしょ?
野球
何言ってんの。
オレ1857年生まれだから160歳だよ。
女神
あらそう。
意外と年数経ってんのね。野球専門のくせに。
野球
くせにって言い方はないだろ。
ちょっとオレより長生きしてるからってさ。
女神
アタシももう35よ、35。
ちがう!3500歳のことよ!
野球
女神ちゃんはギリシャ生まれだっけ?
女神
そうよ。アンタは野球だけだけど、アタシはそうもいかないの。
政治、経済、戦争にスポーツ。果てはあっち向いてホイまでやらされたことあるんだから。超ハードスケジュールでやんなっちゃう。
一度アルバイト雇ってみたんだけど、全然使えないヤツですぐクビにしちゃったわ。
項羽と劉邦の戦いを担当させてみたら酷いのなんの。
さすがのアタシもあそこまで気まぐれじゃないっての。
野球
ところで女神ちゃん。
そんな忙しいのに今日は広島まで何しに来たの?
女神
決まってんじゃない、野球の応援よ。
野球
ええ? それは困るよ。
オレの仕事取っちゃうつもり?
女神
ちょっとアンタ、何か勘違いしてるんじゃない?
アタシはあなたの上の上。雲の上の存在よ。
アンタがいくら流れを変えても、アタシが最終決定権を持ってるんだからね。
野球
でも女神ちゃんはテキトーにチラッと振り向くだけじゃんか。ラクなもんだよ。
オレなんて魔物を用意したり、打球をイレギュラーさせたり、ピッチャーの集中力をかき乱してみたり、けっこう試合の中でチマチマとやることが多いんだけどなあ。
女神
アンタ、ホントに女神をなめてるわね。
まあいいわ。今日は確かに野球の応援だから。
で、どうなの? アンタはどっちを応援してるの?
野球
オレは巨人さ。
ヨシノブ監督がかわいそうだから、ちょっと肩入れしてる。
女神
どれがヨシノブなの? ああ、あの10番?
野球
それはアベだよ。ヨシノブは24番。
女神
あら!
あらぁ・・・なかなかいイイ男ね♡
野球
だろ。今年で最後だっていうからちょっと応援してんだよ。
女神
でもノーヒットノーランはやり過ぎたわね。
野球
ギク!
女神
ちゃんと見てんだからね。
いい加減な仕事しちゃダメよ。
野球
はーい・・・
女神
今日は広島に勝たせるから。
野球
えっ? なんで??
女神
79番もイイ男だからよ。
野球
そりゃマズいって。女神ちゃん。
顔じゃなくて野球も見ようよ。
女神
アタシは気まぐれだからいいの。
あら、あっちの赤い14番の子が今日の先発なの?
わあ♡独身かしら、彼?
野球
いい歳して何言ってんだよ!
女神
ウン、決めた! 今日はあの子に勝たせてアゲル♡
ちょっとアンタ、あの子が打たれた打球は全部33番のとこに打たせなさい!いいわね!
野球
はあ・・・
これだから女はイヤなんだよ。