風の谷のナウシカと天空の城ラピュタ

今日は昭和のアニメ映画の話をします。

三つ子の魂百までと言いますが、私の人格が形成されたのは間違いなく昭和50年代でありました。

藤子不二雄、松本零士、少年ジャンプ、広島カープ、アントニオ猪木、ジャッキーチェン。

私には妹もいましたので、いがらしゆみこや高橋留美子も見てました。

日曜日午後7時30分から始まる「世界名作劇場」も私の人格形成に大いに影響を与えました。

フランダースの犬、アルプスの少女ハイジ、トム=ソーヤーの冒険、赤毛のアン。とりわけ印象深い作品が「母をたずねて三千里」という作品でした。

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高畑勲と宮崎駿

令和のZ世代にも愛されるスタジオジブリ。

ジブリの大エースが宮崎駿と高畑勲なのですが、昭和時代の高畑勲は「母をたずねて三千里」「アルプスの少女ハイジ」「じゃりン子チエ」などを手掛ける天才アニメーターでした。

一方、宮崎駿はNHKの「未来少年コナン」で脚光を浴びます。コナンは1978年放送開始ですが、私の記憶では1980年代の再放送で人気に火が付いたと思います。

 

1980年と言えばカープが2年連続日本一に輝き、猪木がブッチャーやアンドレと戦っていた頃で、志村が加藤とひげダンスを踊っていた頃。私は9歳。小学3年生でした。

私が小学6年生になった1983年に長州力がアントニオ猪木に反旗を翻し、オレたちひょうきん族が視聴率で全員集合を追い抜きました。

1984年3月14日、水曜ロードショーで宮崎駿の「カリオストロの城」が放送されました。その翌日が私の小学校の卒業式でございまして、卒業式の間ずっと同級生とルパン三世の話をしていたのが私の思い出です。

 

同じ頃、宮崎駿と高畑勲のコンビによる新作映画が世間の注目を集めていました。

それがアニメ映画「風の谷のナウシカ」です。主題歌はなぜか安田成美さん。

 

風の谷のナウシカ

小学生から中学生に上がる頃、私は風の谷のナウシカを観たのです。

ハッキリ言って難しくて意味がわからなかったです。

「未来少年コナン」も小学生には難解でした。ただコナンが足の指で飛行機にぶら下がるのだけが志村っぽくて面白かった。

今にして思えば「じゃりン子チエ」も難解でしたね。猫がケンカする場面以外はよくわかりませんでした。

 

中学生、高校生になってようやくじゃりン子チエの世界感が理解できてきました。それでもまだナウシカの世界はわかりませんでした。

映画ナウシカは1984年に公開されました。カープが最後の日本一に輝いた年です。

映画は2時間で終わったんですが、当時宮崎駿による原作漫画はまだ不定期連載を続けていました。1年に1回か2回だけ更新されて、原作ナウシカが完結するのは1994年3月でした。私は22歳になっていました。

私が大人になる頃、ようやくナウシカの長旅いは完結し、私も宮崎駿の世界観を少し理解できるようになりました。映画ナウシカの公開から10年後のことでした。

 

天空の城ラピュタ

1984年の映画ナウシカで名声を得た宮崎&高畑コンビは1985年にスタジオジブリを設立しました。

ジブリ作品第1号となったのが1986年8月に公開された「天空の城ラピュタ」でした。

この頃のカープは巨人に5ゲーム差を付けられる苦しい展開でした。北別府学がいなければ逆転できなかったでしょう。

私は中学3年生で、部活の帰りに味の素から出てた「ライトフルーツソーダ /天空の城ラピュタ」を飲みながら最後の大会に向けて練習をしてました。

 

宮崎&高畑コンビは「ナウシカの難解さ」を解消するべく、ラピュタは超わかりやすい王道ストーリーで臨みました。

しかし興行成績はパッとせず観客動員は77万人。配給収入5.8億円。興行成績20位以内には入りませんでした。1986年の興行成績第1位はバックトゥザフューチャーでした。

実はラピュタは長らく「スタジオジブリの興行成績ワースト作品」でした。今のバルス祭りを知ってる人にはビックリな過去ですね。

昭和のアニメ界にはこういうことがよくあったんですよ。インターネットなんかなかった時代ですから、先進的な映画やアニメが最初は理解されず、再放送でやっと国民に理解されるってパターンはよくありました。宇宙戦艦ヤマト、ウルトラマン、機動戦士ガンダム、ルパン三世。みんな再放送でブレイクしたんですよ。

  

令和の小学生

うちの子もラピュタが大好きでテレビの再放送を何度も見ていたのに、DVDまで買わされました。

そんな子供たちに今月初めて風の谷のナウシカ(映画版)を見せたんですよ。

すると小6の兄はこう言いました。

「巨神兵クッソ弱www」

小3の妹は映画のラストシーンが理解できてない様子でした。

 

私は子供たちにこう言いました。

「お父さんもこの映画を100回観てやっと意味が理解できるようになった。1回観ただけで理解できないのは当たり前だ」

 

天空の城ラピュタは1回観ただけで割と理解しやすいです。

宮崎駿が望んでそうしたのか、スポンサーに圧力を受けたのかはわかりませんが、ラピュタはナウシカの100倍わかりやすくなってました。

その後ジブリは急成長。日本のみならず世界中にファン層を拡大していきました。

「となりのトトロ」「紅の豚」「魔女の宅急便」などは比較的わかりやすい映画ですが、ジブリは時折難しい映画もぶっこんできます。

「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」などは何が面白いのか今でも理解できません。ですがこの3作品は長らく日本映画の興行成績の上位を占めております。

 

私はジブリマニアではありませんし、ジブリ作品を全部見たわけでもありません。

ただ風の谷のナウシカは昔から大好きでした。1984年に映画を見てから大学生になるまで徳間書店の原作漫画を何度も繰り返し読みました。正直言って今でも100%は理解できてないですが、ディス・イズ「宮崎駿の妄想の世界」って感じが好きです。自然の偉大さと人間の卑屈さが対照的。

千と千尋の面白さは全くわかりません。千と千尋が「歴代興行収入第1位」の座を20年も守ってこられた理由は作品の魅力だけではなく、宮崎駿が長年培ってきた宮崎ワールドへの信頼と評価もあったと思います。

 

現在の宮崎駿さんは82歳。高畑勲さんは既にお亡くなりました。

令和の小学生たちは幼いころからラピュタやトトロを見て育ってきたと思います。

でも私が令和の小学生に映画ナウシカを見せたら「難しい」という反応を示しました。まあ実際難しいですけどね。

 

君たちはどう生きるか

そんな宮崎駿が10年ぶりにメガホンを取った新作品が今年公開されます。

ご存じ方も多いかと思いますが、タイトルが「君たちはどう生きるか」です。

宮崎駿版の「君たちはどう生きるか」です。ずいぶん説教くさい映画になりそうな予感がします。笑 オリコン

 

昭和世代なら全員が聞いたことのあるタイトルです。原作は吉野源三郎。主人公はコペル君。あらすじは自分で調べてね。

私も何度も読みましたが、正直あまり好きな本ではありません。令和の子にはどう映るかな?宮崎駿はどうアレンジするのかな?

 

こないだ私は回転寿司の騒動について記事をかきましたが、一番悪いのは高校生の悪ガキではなくSNSなんじゃないかなと思うようになりました。

最近は匿名での誹謗中傷に制限がかけられるようになってきていますが、今度は写真や動画を匿名でネットにアップするのも禁止したほうがいいですね。回転寿司の子も醤油をなめたくてなめたわけではなくて、友達に笑ってもらいたいからイタズラしただけだと思うんですよね。

ブログ書くのも匿名禁止になったら私は従いますよ。

 

話が逸れましたが、今日の結論は小さいころの人格形成に本やアニメやスポーツは多大な影響を与えるって話。

うちの子も中学受験が終わったので、これからはドキュメンタリーや古典を見せたいと思います。ラピュタも名作ですが、ナウシカの真骨頂も教えてあげたいです。