2022.3.31(木)
広島 3-2 阪神 マツダ
マクブルーム「アリガトゴザマース!!」
開幕6連勝。ま、カープは去年終盤にも6連勝を2回やってるんですよね。20日間で6連勝、4連敗、6連勝。
あんときゃ誠也が爆発し個人技での6連勝。私は頭の悪い6連勝を「2年連続閉幕ダッシュ」と散々バカにしました。打って勝つ野球だからです。
だが今年の6連勝は繋いで勝ってます。とてもシブい。安定感があって内容が良い。
なんで今年のカープが強いのか?その理由を解説します。
何が変わった?
今年のカープと去年のカープ。ドベから一躍首位独走。
いったい何が変わったのか?
変化したポイントを羅列します。
[1]鈴木誠也が抜けた
[2]2番菊池が機能してる
[3]上本崇司を抜擢した
[4]東出コーチが加わった
[5]河田が3塁コーチャーに復帰した
どれも事実で正解です。
でも敢えて順位を付けるなら、
私は
[4]東出コーチ一軍復帰
が躍進の最大の要因だと思います。妄想です。次点が[5]河田コーチ
いいですか。
カープ躍進の要因は完全に得点力アップによるものです。
去年だって誠也が6試合連続ホームランや、2ヶ月連続月間MVPを取った時のカープは強かった。去年も先発3本柱と床田寛樹は健在でした。
要は3安打で1点しか取れない鈍足ピストル打線がダメだったのです。誠也は敬遠されるしさ。
そこで[1]誠也が抜けたことで、今年のカープは送りバントを多用するようになりました。
ジグザグ打線を組みたいだけかもしれませんが、[2]2番キクがここまで6試合で5犠打。昨日は1死1塁で3番小園に送りバントさせました。その直後にマクブルームの決勝タイムリーです。
私の理想は盗塁やエンドランも絡めた「三位一体攻撃」なんですが、佐々岡・朝山は2年間その練習をやっていません。だからまず送りバントから始めたところ、小園と松山とマクブルームがタイムリーを打ってくれたというのが今年の開幕6連勝です。
[3]上本崇司の抜擢もキャプテン野間とポスト誠也・中村奨成のケガがきっかけ。まさにケガの功名。3年前に打撃開眼した上本崇司。2019年までの上本崇司は両打ちでした。覚えてます? タカシは最近までスイッチヒッターでした。それほど打撃に苦しんでたんです。
今年は開幕からいっぱいヒットを打ちました。その分打てないコースが相手にバレ始めてます。規定打席に立てるかどうかはここからが勝負です。
変わってないもの
開幕6連勝にウキウキですが、実は去年とあまり変わってないところもあります。
それは打率重視のスタメン。守備力軽視で打率優先。
捕手もそうです。昨日の「捕手坂倉」をご覧になりましたか?
ストレートを待ってる阪神の打者にストレート勝負。私は坂倉の強気のリードにシビれるし憧れます。
玉村も塹江も島内も中﨑も栗林も、実は今年自分自身にちょっぴり不安を抱えていました。その不安をストレート一本勝負で全部解消した捕手坂倉。スーパースターですわ。毎日使え。私は坂倉の打撃より守備とリードを10倍くらい高評価しています。
そんな坂倉をサードで起用し、守備固めにはセンター上本。佐々岡野球は私の構想と全く一致しません。
今年もカープは守り勝つ野球をやっていません。打って勝つ野球をやっています。打ったから6連勝。ただホームラン狙いから繋ぎの打撃に変わったことは評価しています。
昨日は中継ぎ陣が1点を守り切っての1点差勝利ですが、スタメンの組み方を見ると相変わらず打撃優先です。堂林スタメンは守備力でなく秋山拓巳との相性(たった7打数3安打)を買われただけの薄っぺらい根拠によるものです。いつか負けますよ、このアホ野球は。
ただしカープの安定感ある先発ローテは健在なので、そこは大切に使っていきましょう。たった1点でも先制点を取れれば先発投手はラクに投げられます。大瀬良九里がFAで移籍する可能性もあったのですが、残ってくれて本当にありがたい。カープの強みです。
開幕6連勝を決めたのに今日も明日もカープは大瀬良と森下です。狸の皮算用をするなと言われても無理な話なのです。ムフフ♡
変わったのはベンチワーク
結論。
今年一番変わったのはベンチワークです。
ぼさーっと見てたベンチが、攻撃のサインを出すようになってカープは変わった。
送りバントもその一つ。
私は1ヶ月前から「カープの攻撃のサインを出している人物が誰かわからない」と疑問を呈してきましたが、現在は3塁コーチの河田雄祐だろうと結論づけています。朝山もチョロチョロ動いてますが、盗塁やバントの決断は3塁の河田が独断でやってると思います。
去年は河田がベンチから3塁コーチ(廣瀬純)を経由して選手にサインを出してました。
つまり去年も今年も同じ人がサインを出しています。去年は誠也の前でチョロチョロ動きたくなかったが、今年は動かないと点が入らないということなのでしょう。
元々カープは去年からピストル打線でした。せいぜい2塁打。
ピストルと言うより「3拍子揃った選手」をドラフト指名してきました。
西武ライオンズが1拍子に特化した山川、渡部、ブランドンを上位指名してきたのに対し、
カープは野間、宇草、中村奨成、小園海斗など3拍子揃った選手を集めてきました。
その3拍子のうち、なぜか1拍子しか使わなかったのが去年までのカープ。ヒット打つだけのアホ野球で勝てないのは当然です。選手の能力の1/3しか活用していないからです。
今年はまだ6試合ですが、ここまでバットと足の2拍子はうまく使えています。守備力がまだちょっと物足りませんが、まあ今は打力優先で勝てているので文句を言いづらい。
私は開幕前に[4]東出コーチが一軍に加わって何かが変わる事に大いに期待しました。
ここまで東出の仕事ぶりがあまり表に伝わってませんが、先日アツとキクに「全力疾走をしろ」と命じたようですね。中国新聞
とてもつまんないことですけど、コーチ監督が選手のこういうとこを見てて締め直すというのは大事なことですね。
キクとアツだっていつも全力疾走してますよ。今年、この二人は去年の2倍くらいのスピードで走れています。松山の足が速くなったのもダイエット効果だけではないかもしれない。
1死1塁で送りバントしろ、併殺崩れはチャンスが残る、バットに当てれば何かが起こる。
全部昔から言われてきていることです。
カープは相手のエラーやミスで得点しています。でもそれはホームラン狙いのアホ野球を捨てて繋いでいく野球をやっているから起こるのです。ラッキーではなく実力なのです。
空振りをせず、バットに当てて1塁まで全力疾走。
ディス・イズ・スモールベースボールです。
ほれ見ろ、強いでしょうが。強いというか、この野球がカープに合ってるんですよ。そう言う選手を10年間ドラフト指名してきてますから。