得点王。
メッシでもクリスティアーノ=ロナウドでもありません。それはサッカーのハナシ。
野球にも「得点」という指標があります。
ホームインした選手に記録されるのが得点。公式記録。
スコアボードに入るチームの得点とは別物。よくわかんない人はウィキペディアへ。
地味な記録であまり振り返られることのない数字。
今日はこの得点と出塁率のハナシをします。ワクワクしますよ。
■得点の話
打点を稼ぐ人には「打点王」という表彰制度、いわゆるタイトルがあります。
得点には得点王というタイトルはありません。
ただ得点もNPBの公式記録であり、通算記録やシーズン記録は残っています。
歴代最多は王貞治。シーズン最多は小鶴誠。打撃成績ランキングにいつも出てくる人たち。
得点を多く稼ぐ人は1番バッターかなと思いきや、3番4番の本塁打王もけっこう得点が多くなる傾向です。
カープの通算最多は衣笠祥雄。シーズン記録は山本浩二。
ちなみに金本知憲は阪神に移籍後、このYK砲の2つの記録を超えました。
2019年5月18日現在、セリーグトップは鈴木誠也の33得点。4位タイに野間峻祥32得点。
■出塁率の話
んで近年、打率より注目されている指標が出塁率。
2018年の丸佳浩が夏場まで出塁率5割を超え、日本記録を更新するかと話題になりました。
2018年にカープの1番打者で3連覇に大きく貢献した田中広輔も打率.262ながら四死球92を稼ぎ、出塁率は.362。
切り込み隊長としていい働きを見せました。
出塁率.400を超えれば申し分ないスーパースター。
出塁率 = (安打 + 四球 + 死球) ÷ (打数 + 四球 + 死球 + 犠飛)
純粋に打席で割るのではありません。敬遠と犠打はカウントしないのね。めんどくさ。
■1番打者に必要なのはどっち?
2000年代のオークランド=アスレチックスのマネーボールで一躍注目された出塁率。
近年のNPBでも出塁率の高い選手を上位に置く傾向が強まりました。
しかしちょっと待って下さいよ。
出塁率の高い1番打者が本当にチームの得点に繋がっているのか?
足の速さは無関係なのか?盗塁技術は?
ここで登場するのが我らが野間峻祥。
コラそこ! 「またか」とか言っちゃダメ。
私は1番野間を本能的に好きでしたが、データの上でも有効性を証明することに成功したんですから。
いいですか。
2019年、私の野間への期待値は出塁率.350。
打率.280~300の間。四死球が50~60。ざっくりですが出塁率は.350。
一方、田中広輔への期待値は出塁率.390。
打率は.280~300。四死球90~100で出塁率が.390。
塁に出る技術は広輔が1枚も2枚も上と評価しています。
しかーし!
実際にホームインする能力は野間の方が上なんじゃないでしょうか?
いわゆる得点能力。ホームインする力。
帰巣本能とか生還率とか言う人もいる。
これが野間はデータで見ても非常に高いのです。
■野間の脅威の得点率
ざっくりな計算ですが発表します。
【1】2019年の野間
41試合 45安打+四死球15(敬遠含む)=60出塁 得点32
得点数÷出塁数=.533 ←これを勝手に得点率と呼ぶ
【2】2016年の田中広輔
143試合 154安打+四死球95=249出塁 得点102
得点率=.410
【3】1998年の石井琢朗
135試合 174安打+四死球70=244出塁 得点103
得点率=.422
【4】イチローの日米通算
3604試合 4367安打+1424四死球=5791出塁 得点2078
得点率=.359
【5】王貞治の通算成績
2831試合 2786安打+2931四死球=5717出塁 得点1967
得点率=.344
ほらね。
群を抜いてます。野間峻祥の得点能力。
これは塁に出た後の話。塁に出るまでが大変なのはわかってます。
しかし塁に出た2019年の野間は.533の確率で得点を記録しているのです。
全盛期の広輔と琢朗で.400ちょっと。
「そんなモン、今年1年の話やんけ!」
と思った方は鋭いです。わずか40試合の話ですからね。
んじゃ、いよいよ野間峻祥の通算得点率を発表します。
【6】野間峻祥の通算成績
413試合 223安打+69四死球=292出塁 得点155
得点率=.531
ビックリ!やっぱり5割超。
野間は塁に出ると53%の確率で生還します!
凄いぞノマ。
やったぞノマ。
出塁率の高い打者が1番に向いているという風潮ですが、
もっとシンプルに、
ホームインする確率の高い選手が上位でもいいのではないか。
野間はほぼ打順6番7番で53%の得点率。
誠也の前を打たせるともっと得点に繋がると思うのです。
ちなみに100盗塁を記録した1972年の福本さんで.471です。
やっぱり私の1番バッターはノマだなあ。