連勝できない広島カープ

2025.8.13(水) 

広島 0-2 阪神 マツダ 

惜しい試合を落としました。

阪神は「カード負け越し」が1ヶ月間ありません。カープは「2連勝」が2ヶ月近くありません。

カープの借金は9。前川のエラーより新井のおつむのほうがよっぽど心配です。

 

前川誠太のバッティング

前川誠太。3打数0安打。

記録には残りませんが1回裏の1死12塁でセカンドゴロをポロリ。ゲッツー取れずに2死13塁。

大瀬良が後続を断ったのでこの回は無失点でしたが、そういう問題ではありませんよね。

 

私は前川のエラーには文句を言わない。若いんだからミスはじゃんじゃんやんなさい。

昨日は巨人の田中将大も味方のエラーで負けたらしい。しかし田中将大はエラーした若手に「ごめん」と謝ったそうだ。※スポーツ報知

大瀬良も田中と同じように若手のミスをカバーしようとギアを上げて頑張りました。5番大山を外カットでセカンドフライに斬って取りました。エラーした前川が堂々とシングルハンドキャッチするシーンに

「やっぱ今の野球は片手なんだね」

と感じました。

 

前川のエラーはいいんですよ。どんどん試合に出て成長してくれればOK。

問題は前川の…

バッティング です。あまりいい打ち方ではないですよ。

 

86歳の権藤さんに

「イチローみたい」

とホメられた前川ですが、前川の打撃はそんなにいいもんじゃありません。

 

私が「中村奨成を3番センターで使え!」と騒ぎ始めたのは2022年3月のことです。※参考記事

この時、奨成5年目の23歳。現在、前川4年目の22歳。

私が奨成が3番で前川は打てないと考える理由。それは スイングスピード にあります。

 

前川は当てるのが上手く、ボール球までヒットにします。そこが素人に「イチローみたい」と思わせる理由。

玄人は当てただけのヒットを喜ばない。こんなヒットじゃ1イニング3本打っても点は入らないからです。

中村奨成は4年前の時点でストライクを強くスイングして、ボール球をしっかり見逃せていた。だから私は試合に出せと叫び続けた。

前川誠太の場合はまだバットが先に出て、腰が回転していない。だから打球の強さが100%ではない。

 

私がバッターを評価する時によく指摘する「ファールの方向」についても、前川はしっかりレフト方向に打てている。打ててはいますが、打球が弱いんですよ。手先で泳いで打ってるから三塁線にファールが飛ぶだけなんですよ。

中村奨成のファールは当時から振り切ったレフト線へのライナーでした。奨成は当時から相手バッテリーに「怖い」と思われるファールを打っていました。

 

素人と朝山は前川の「打率」を見ます。んで6番セカンドでスタメンさせるのです。

玄人は前川のスイングを見ます。新井だって見てるはずなんだけど6番起用はナンセンスだよ。前川は8番でギリギリ。1番2番も問題があります。前川に重圧がかかるからです。

 

前川誠太の3打席

昨日の前川の3打席を具体的に解説します。

まず第1打席は2回裏でした。

4番末包が1球でアウト、5番モンテロ2球でアウト。

6番前川も初球を打つのか? さすがに打ちませんでした。ど真ん中ストレートを見逃しました。

2球目は打っていいぞ。打ちに行ってファールでした。3球目はボール球を打ってセンターフライ。

 

第2打席は5回裏。

この回から高橋と坂本はスライダーを投げ始めました。

4番末包から5番モンテロまで4球連続スライダーで2アウト。

「こりゃ前川の初球もスライダーだろうなあ」

と思って見てるとやっぱりスライダー。前川は打つ気なく見逃して、次のボール気味のストレートに飛び付いてレフトフライでした。

 

第3打席は7回裏。

0対2で2点負けてて1死12塁。ここで5番モンテロが空振り三振。吠えた高橋。2死12塁。

ここで打席に向かったのが前川です。勝ちたいんならベンチには二俣と秋山と野間がいました。

ただモンテロに全力を使った高橋なら前川にも失投が来るかなと期待もしました。前川に代打を出さない手もアリかなと思いました。

ここで野間を出すと高橋のギアが上がります。前川のままコッソリとポテンヒットを打つのも悪くないと考えました。

結果は初球を当てるだけの腰砕けライトフライ。ここで4年前の中村奨成みたいにレフト線への鋭いファールを打ってほしかったんですよ。

 

佐々木泰の守備走塁

7番佐々木泰も3打数1安打。

センター前ヒットのあの1スイングのみハイド氏で、あとは全球ホームラン狙いのジキル氏でしたね。

解説の天谷は「そこが佐々木選手の長所」と語りましたが、やっぱ私は佐々木泰が長距離砲と思えません。佐々木泰は中距離砲。目指せ小窪哲也ですよ。

 

前川誠太が目指すのはイチローでなく内川聖一。

佐々木泰が目指すのは本塁打王ではなく首位打者と打点王。青学の小久保はホームラン王でしたが、青学の小窪は首位打者でした。

佐々木泰のスイングは鋭いです。年下の前川よりはるかに鋭く、ファールにも説得力がある。

 

フルスイングして追い込まれると、2ストライク後はハイド氏のようなコンパクトスイングに切り替えます。だったら初球からやりゃいいじゃん。

守備にも定評があり、捕球にも送球にも高い堅実性が感じられます。

昨日1エラーしましたが、ありゃ佐々木のせいじゃありません。イレギュラーです。あれを捕れる三塁手はセリーグにはいません。

センター前ヒットの後、中村奨成のレフト前ヒットで2塁から本塁突入し憤死。

佐々木泰のベーランも幼かったですが、阪神の中継プレーも良かった。

回した赤松を私は責めない。阪神レフトの肩が弱いから赤松は回したんですが、阪神はショート小幡を中継してバックホームしてきた。

赤松は「ちっ、ショートが木浪なら帰れたものを…」と悔しがったかもしれません。ショートの肩は小幡>木浪ですからね。

 

キャッチャー坂本のタッチも素晴らしかった。いつぞやあのタッチで一度失敗したんですが、昨日は最高のタイミングで佐々木泰をアウトにしました。※参考記事

佐々木泰の課題は3塁の曲がり方とスライディングですね。これからしっかり練習しよう。

 

新井の野球観

これで阪神3連戦は1勝1敗1雨。

先に1勝したので勝ち越したかったですが、結局1勝1敗の五分。

マツダで五分なら甲子園ではますます不利です。CSで下剋上するためには甲子園で阪神に4勝2敗が必要となります。

 

昨日の試合の分岐点は間違いなく7回裏の1死12塁、打者モンテロの場面でした。

モンテロは前日逆転スリーラン。ただし8月はやたらとボール球を空振りしています。

理想はボールを見逃してホームランを量産することですが、プロ野球はそれほど甘いもんじゃない。モンテロの三振とゲッツーはガマンした方が良い。それがチームのためにもモンテロのためにもなると思います。

 

阪神の坂本も私と同じことを考えていて、前日スリーランを打たれたモンテロにあまりストライクを投げたくありません。とはいえ塁が埋まっていて歩かせることもできない。

坂本は初球スライダーの反応を見て、モンテロの頭が「7割変化球」と見抜きます。んで2球目3球目をストレートで押し込む。モンテロのファールはバックネット方向でした。

 

私はこの時、ダブルスチールだと騒いでいました。高橋は2塁走者の小園を無警戒でしたから。

1塁走者は末包。見事な繋ぎでヒットを打ちました。

新井はここで代走大盛を送りませんでした。7回裏0対2の1死12塁で阪神の外野は長打警戒でした。

私なら同点の場面で末包に代走を出しません。延長戦で末包が必要だからです。

しかし現在は2点負けてる7回裏です。ここは末包に代走大盛です。9回裏まで末包に打順は回りません。

何が言いたいかというと、ダブルスチールで1死23塁のチャンスは十分あった。高橋は同じペースでモンテロに投げていましたから。

 

モンテロに託した作戦も悪くはなかったよ。しかし試合には負けました。

新井の勝負勘は私と違うなと感じました。中日戦では代走大盛が上手くハマったけど、采配としては間違っていると思います。

代打も二俣だろ。なんでキクと坂倉を出すんだ。休みにならねえ。

二俣は長距離砲で、佐々木泰は中距離砲。前川誠太は内川聖一を目指せ。

 

カープは連勝しないと3位に上がれません。借金は9もあります。

ヒットを待ってるだけでは弱いです。去年より打てるようになってますけど、采配もしっかりやってほしい。

阪神は9回表に1死1塁で6番打者に送りバントさせてきました。成功して2死2塁。打者は7番坂本。

イヤな作戦でしたねえ。新井なら無邪気に前川に打たせるんでしょうねえ。


おしまい
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ありがとうございました。

-雑感