西川遥輝は弱肩じゃない「守り勝つ野球」

ノンテンダーFA西川遥輝の楽天入団が正式決定。デイリー

よかったですね。楽天は栗原健太を拾ってくれたり、福井優也と来年も契約してくれたり、ホントにやさしい球団です。

西川の年俸は2.4億→8000万円。私は「けっこう奮発したな」と思います。


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西川遥輝は弱肩じゃない

去年メジャー挑戦を志したが断念。今年4月にコロナ感染。2週間離脱するが最終的には24盗塁で4度目の盗塁王を獲得。

シーズン打率は.233と奮いませんでしたが、出塁率は.362。例年並みの粘りを見せました。

ここで28歳の西川遥輝は自由契約。いやさノンテンダーFA。

巨人がいち早く「獲得調査」を開始するが、遙輝の結論は楽天入り。巨人より楽天のほうが試合に出られるということか。

ところでMLB挑戦時も自由契約時もネット民が騒いだテーマが西川遥輝は肩が弱いという話でした。

 

ネット「あの肩では広い球場を守るのは無理だ」

果たしてそうか?お前は見たのか?

私は西川遥輝がそれほど弱肩だとは思っていません。

常連さんにはお馴染みだと思いますが、私は「世界で最も外野守備にうるさいブロガー」です。西川遥輝の外野守備力は十分及第点です。A~Eの5段階ならハッキリ言ってBランク。十分及第点です。宇草がD、野間がCです。

 

元西武ライオンズの平野謙

上のA~Eは肩と捕球力の合計です。

セパの外野守備力をランク付けすると以下の通り。

※ひが的12球団現役外野手守備評価
A E辰巳、T近本、C鈴木
B F西川、D大島、G丸、C大盛
C C野間、C西川、H柳田、S塩見
D Gウィーラー、T佐藤、C宇草
E C長野、C中村奨成、S青木

西川遥輝が強肩だとは言いません。地肩は確かに弱い。隣に大田泰示がいるのも肩が弱く見える要因。

上の表の選手の中でいわゆる「地肩が弱い」の部類に入るのは

T近本、F西川、D大島、C西川、C長野

の5人。異論はないですね。私の見るところC宇草の地肩にはイイものがある。なかなか良い肩をしているという意味。ヤツは弱肩ではなくイップスでした。

とにかく私の評価では肩の弱い近本の外野守備総合評価がAランク。西川遥輝と大島洋平も強肩とは言えませんが、私の中ではBランクです。

 

AやBの人は打球への入り方が良いです。本職の外野手の動きになっています。E辰巳は「身体能力型」ですが期待値こめてA評価。

B桑原、G梶谷、C長野らは打球に最短距離で向かいます。これだと捕球してから投げるまでに時間がかかります。強肩を持っていても宝の持ち腐れ。柳田悠岐にもまだこういうところが非常に多い。力任せ、身体能力任せな部分が大きい。33歳の最近は守備力が落ちてきています。

一方、近本光司、西川遥輝、大島洋平らは「投げる体勢で捕球する」のがうまい。「球際」にも強い。よって守備範囲も広い。足の速さと守備範囲は別のハナシで正比例しませんよ。

 

私のお手本・平野謙

ここで偉大なレジェンドを例えに挙げます。

GG賞9回の元西武・平野謙選手です。

中日でセンター、西武でライトの補殺王。実は彼、それほどの強肩選手ではありません。私はこの目で見てました。確かです。

 

地肩の強さだけなら当時の秋山幸二や羽生田忠克の方が平野の10倍上でした。ロッテ五十嵐章人の肩もエグかった。平野謙は補殺王ですが、地肩はそこまで強くありません。

平野謙のスゴさは打球への入り方捕ってから投げるまでの速さでした。

ライト平野のバックホームや3塁送球は必ずワンバウンドでした。平野はノーバウンドのレーザービームは「投げなかった」のではなく「投げられなかった」のだと思います。

メジャーでも活躍したイチローやジム=ライトルは地肩の強い選手の代表格です。彼らは捕球後に大きく振りかぶって強烈なライナーを内野へ送球します。

平野謙は違います。大げさに表現すると投げながら捕球しています。とにかく早く内野にボールを返すことが最優先。強い送球は後回しです。

去年までの鈴木誠也はイチローと平野の中間くらいでしたが、今年の誠也はメジャーを意識したのかイチロー型の「魅せるスローイング」が多かった印象です。

 

私は学生時代、弱肩でした。遠投40mくらいですかね。50mはたぶん投げられなかったと思います。だけど外野を10年守っていて弱肩で困ったことは一度もありませんね。

外野手は遠投40メートルでも十分務まります。捕手とショートは50m以上欲しい。ピッチャーもたぶん40mで務まるんじゃないか?

とにかく遠投40mの私でも走者を刺せたし、ライトゴロもお手の物でした。

私がお手本にしていたのが平野謙の動きです。前田智徳や山崎隆造の外野守備は身体能力型でした。長嶋清幸と緒方孝市は名手でした。

 

西川遥輝の守備はまだまだ良い

西川遥輝は来季29歳。実はG松原聖弥の2個上で、S塩見の1個上。野間峻祥とは同級生です。

高卒なので意外と若い。勤続疲労もありますが、内野手ほどではないでしょう。

地肩の弱さは体の使い方とチーム連携でいくらでもカバーできます。打球が外野手の頭を超えた時、外野手の肩の強さは影響しません。外野手の肩の見せ場は前と横の打球です。地肩の弱さなんてポジション取りを含めた野球脳で十分にカバーできるのです。

10年前の中田翔や長野久義が「補殺数」でトップだったため、テレビゲームで長年この二人の肩はA評価でした。私に言わせりゃ今も昔も長野なんて日本一の弱肩です。遙輝と双璧の弱肩。10年前の長野のライトゴロは肩の力でなくポジション取りとクイックモーションの賜物です。

 

普段、打率のハナシしかしないネット民が

「西川の肩は使えない」

と騒いでいることにイラついて、この記事を書きました。

 

岩本勉や高木豊がyoutubeで「西川は弱肩」と言ったからでしょうね。

メジャーリーグが外野手に求める能力は打力のみです。アイツらは肩や守備などどうでもよい。西川は肩が弱いからダメなんじゃなくて、ホームランが打てないからメジャー契約に至らなかったのです。菊池涼介も同じ。キクなんて日本一の強肩ですよ。