昭和60年。バース掛布岡田が甲子園でバックスクリーン三連発を放った頃、世間を騒がせる出来事がもう一つありました。
それはいすゞ自動車の新車「ジェミニ」のテレビCMです。
「街の遊撃手」をキャッチコピーにパリの街中でアクロバチックな運転を披露するCMでした。
昨日は英国紳士の話で今日はパリのエッフェル塔の話です。とてもカープのブログとは思えません。笑
CGのない時代
つべこべ語る前に実際の映像を見ていただきましょうか。
コンピューターグラフィックのない時代。スタントマンさんのテクニックもさることながら、どうやってパリ市内でこのような撮影許可を得ることができたのか。大人になった今ではそちらのほうが不思議な映像です。
どうですか。
令和の今日、youtubeでも大炎上しそうなこちらの動画。
これは昭和60年代、実際に地上波全国放送のゴールデンタイムで頻繁に流れていた映像です。
当時、運転免許取り立ての私がこのCMを見てどう感じていたか。
「うわあ・・・この車、おっかなくて乗りたくねえ・・・」
インパクトありすぎるCMですが、これを見て「この車買いたい!」ってならないでしょ、普通。話題にはなったけどさ。
私が最初に乗った車はホンダのシビックでした。当時の長野久義はまだ3歳くらいかな。
野球の遊撃手
いすゞの広報が決めたのか広告代理店が決めたのか知りませんが、このCMのキャッチコピーは「街の遊撃手」でした。
遊撃手というのはもちろん野球のショートストップのことであり、この頃はカープの高橋慶彦がシーズン70盗塁を決めたり、叶和貴子と色々あったり、浩二や北別府とケンカばかりしていて慶彦の全盛期でもありました。
アメリカのベースボールを「野球」と訳した中馬庚(ちゅうまんかなえ)氏が、ショートストップを遊撃手と訳しました。
遊撃手とは自由に現れるポジションの決まっていない遊軍という意味で、今で言う「リベロ」みたいな意味合い。慶彦もかなりリベロでした。
いすゞジェミニのCMはまさに遊撃手のイメージそのもの。混雑した町中で小回りが利きますよ、というイメージだったのでしょう。
確かこのCMは日本CM大賞みたいなのを何度も受賞していると思います。
私は高橋慶彦が大好きですが、それでも慶彦のような車には乗りたくなかったです。人生は冒険ですが自動車には安全第一を求めたいからです。笑
カープの遊撃手
カープの遊撃手は小園海斗です。22歳。若い。
最近、矢野雅哉をショートで使えという声が増えていますが、私に言わせればまだまだ時期尚早であります。
小園には去年今年と2年連続ショートを守り続けたという実績があります。矢野にはまだありません。
年齢は矢野の方が上ですが、ショートの実績は小園が上。
守備力も矢野が上ですが、たまたま2~3試合良い守備をしたからと言って、小園をサードにコンバートするわけには参りません。
小園の守備範囲が狭いことは認めます。カットプレーや盗塁タッチが未熟なことも認めます。
だが小園は1年間ショートを守れる。ゴロへの入り方が柔らかくなり、ゲッツーの時の二塁手キクとの呼吸も合ってきてます。
もしショートの矢野がケガしたらどうしますか?
矢野はまだ小園とキクのバックアッパーでいいと私は思います。矢野の強肩もショートでなくセカンドで使いたいくらいです。
私は菊池涼介を見て以来「チーム最強の強肩選手はセカンドに置け」と考えるようになりました。昭和の野球観を崩壊させたキクの肩。12年間で何個ゲッツー取りましたかね。セカンドの強肩は何度もチームを救いました。
キクが遊撃手だった頃、ライトがイチロー、ショートが松井稼頭央だったので、私は「強肩の選手はショートやライトに置くものだ」とすっかり決め付けていました。
だがそこに現れた「街の二塁手・菊池涼介」
まあ衝撃でしたねえ。矢野雅哉の肩にもかなり衝撃を受けてます。矢野はセカンドが面白いと思います。来年あたり、セカンド矢野、サードキクも面白いと思います。ショートは小園。一択です。