田中将大の24勝0敗は再現可能か?

侍JAPANが今日練習試合をするそうです。私はカープのオープン戦を見ますけど。

前回の2017年WBCは菊池涼介がエラーしてベスト4。前々回の2013年WBCでは前田健太が負け投手になってベスト4。

ハッキリ言って日本、アメリカ、ドミニカが世界3強。実力の差は紙一重です。続くのがプエルトリコ、オランダ、韓国。キューバはちょっと落ちる。

2013年は田中将大と前田健太がチームの中心でしたが田中将大は調整遅れか極度の不振で先発ローテを外されることになりました。これに待ったを言ったのが完全に部外者の上原浩治でした。当時ボストン。

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Z世代の特徴

当時、部外者だった上原浩治が自身のツイッターで

「中継ぎ降格ってなんやねん!中継ぎを馬鹿にすんなよ」

とブーたれたことがちょっぴり話題となりました。※スポニチ

 

近年「Z世代」と呼ばれる若者たちがツイッターやインスタグラムで無責任な発言を繰り返していますが、その特徴はすでに10年前の上原浩治に見られていました。

「もうスシローの寿司は食えない!」

「栗林はサインを書かない!」

「中継ぎをバカにすんな!」

なぜいちいちこういうことをツイッターで叫ぶのかね?

 

私はこう思わずにはいられません。

 

放っときゃいいじゃん。と。

 

自己肯定感というのか、Z世代は自分が注意を受けたり、誰かに陰口たたかれることが許せないらしいのです。

まあ私も若い頃はそうだったかもしれません。中学生の頃は周りの評価を少し気にしてましたね。若いヤツはみんなそうなのかね。思春期ってみんなこうなのかね。

 

昨日DAZNチャンネルで吉田麻也が言ってました。

「今の選手は自己肯定感が強い。時代が変わったんだよ」

わかるようでわからない話です。私は吉田麻也の発言の前半は賛成だけど後半には反対します。時代は変わってませんよ。私たちの若い頃も他人の評価を気にしてましたよ。

 

まだ「大人としての確たる自信」を持たない若者にSNSを与えると匿名で誰かに共感を求めるのは必然だと思います。

「大人に叱られたけどオレ間違ってないよね。オレだけじゃないよね。誰かわかってくれるよね」

こういう感情は中学生なら誰でもあるんじゃないかな。

上原浩治のようにおっさんになってもSNSでブーたれてるヤツはみっともないけど。笑

 

10年前の上原の降格騒動は結局田中マー君本人が乗り出してやっと沈静化しました。

現在の上原もことあるごとにツイッターで誰彼かまわずブーたれています。※参考記事

上原浩治はいつまで経ってもZ世代。カッコ悪いと思います。イチローやダルビッシュも悪口言われてると思いますが、彼らは黙ってます。ダルビッシュは結構言うか。笑

 

シーズン24勝0敗の内訳

今日も前振りが長くなりすぎました。ここから本題。

その降格騒動から1ヶ月後、田中将大の2013年シーズンが開幕しました。この年の楽天の開幕投手はルーキーの則本昂大でした。

田中将大は2カード目の頭、4月2日(火)のオリックス戦に先発すると、怒濤の勢いで勝ち星を積み上げていきました。

・4月 3勝0敗 1.86 

・5月 4勝0敗 2.13 ★

・6月 3勝0敗 0.28 ★

・7月 4勝0敗 0.77 ★

・8月 5勝0敗 0.95 ★

・9月 3勝0敗1S 1.33 ★

・10月 2勝0敗 2.77 

合計 212回 24勝0敗1セーブ 防御率1.27 WHIP0.94 となります。

5月から9月まで5ヶ月連続で月間MVPを獲得。4月も次点でした。同じ3勝0敗の牧田和久が防御率0.85でわずかの差でした。

 

前年の4連勝と合わせ28連勝。さらにCSと日本シリーズでも2連勝して30連勝。日本シリーズ第6戦で菅野に敗れて31連勝ならず。だが翌日にリリーフで胴上げ投手になったことは日米で話題となりました。

田中のメジャー1年目もオールスター前に12勝4敗、防御率2.51をマーク。オールスターファン投票でも1位獲得。まさに田中の絶頂期でありました。

 

挑戦することは可能か?

王貞治の通算868本塁打。

金田正一の通算400勝。

イチローのシーズン262安打と通算4367安打。

田中将大の24勝0敗もこの大記録に匹敵するほどの難易度です。誰もが不可能だと思える記録。

 

だが果たしてそうか?

現代のプロ野球で24勝0敗をマークすることは絶対不可能か? 可能性ゼロなのか? 

私の答えは可能性はゼロではないです。

追いつき追い越すことは可能じゃないか?

 

もちろん並大抵のことではありません。ポストシーズン合わせた30連勝はギネスブックに公認された世界新記録。アメリカ100年、日本90年のプロ野球の歴史を合算してもナンバーワンでオンリーワンの偉大な記録です。

 

2013年の田中将大は失意のWBCから帰国後、金曜日の開幕戦を則本に譲り、火曜日のオリックス戦から先発ローテーションで回り始めました。

この年の田中は28試合に登板。先発が27試合で胴上げ救援1試合です。

先発27試合のうち、カード頭で投げたのが22試合。カード頭以外で投げたのは5試合だけです。

「田中の24勝はカード頭を避けて水曜や木曜に投げていたからだ」

とよく言われますが、私が数えた限りでは田中は火曜日中心に先発していました。立派なエースです。

田中将大は中5日も数回ありましたが、ほぼほぼ中6日で回っています。シーズン27先発はローテを守れば十分に実現可能な数字です。2022年の森下暢仁も27試合に先発しています。

 

そしてこれも当時よく言われた話ですが、田中のシーズン防御率1.27に対し援護率は6.22でした。

24勝0敗に挑戦するには味方打線の援護の力が絶対不可欠です。

シーズン27試合先発と味方の大量援護。この二つが揃えば24勝0敗は実現可能な数字となるはずです。

 

誰がやるんだよ?

では誰がこの大記録に挑戦できるのか?

最有力候補はオリックスの山本由伸でしょうね。2022年26試合先発、193回、防御率1.68、WHIP0.93

ピッチング内容と相手を圧倒する力は2013年の田中将大に劣らないと思います。

2022年防御率2位だった千賀滉大が抜けたことも追い風。今シーズン山本由伸と千賀が投げ合うことは絶対にありません。

ただしドーム球場は若干不利に働くかもしれない。雨天中止がないということは先発登板の数が伸びにくくなると思われます。

 

もう一人の挑戦者はロッテの佐々木朗希です。2022年20試合先発、129回1/3、防御率2.02、WHIP0.80

言わずと知れた完全試合男。WHIPで山本由伸を上回るとかあり得ないです。笑

未知の力を秘めた朗希君にもシーズン無敗の可能性を感じます。

朗希君の課題は若さです。まだ21歳の玉村世代。1年間体力キープも難しいし、調子のいい日と悪い日の差が大きくなるのも若い投手の特徴。悪い時に悪いなりのピッチングが出来るかどうか。

 

最後にカープ。

さすがに24勝0敗は難しいだろう。唯一可能性を感じるのは森下暢仁ですが、その森下も故障明け。現実的な目標は15勝8敗くらいですかね。

私が密かに期待しているのが遠藤淳志玉村昇悟森翔平です。

さすがに20勝とは言いませんが、彼らこそカード頭で先発することのない投手たち。カード頭で投げるのは大瀬良、九里、床田、森下だからです。

 

普通のチームはエースが貯金を稼いで、谷間の人は8勝6敗とか5勝7敗でOKなんですが、今年のカープは先発5番手争いが非常に充実しています。まだ高橋昂也やアンダーソンもいますからね。

その分、遠藤や玉村の登板数が森や昂也に奪われて先発試合数が伸びないかもしれませんが、もし5番手争いを抜け出す投手が一人いれば、その投手が25試合に先発して15勝5敗とか、あわよくば18勝3敗、防御率1.20くらい実現できるのではないか?と思うのです。対戦相手が谷間の投手だからです。

もちろん簡単ではありませんけど、遠藤や森には今年が大チャンスだという意味です。