横綱白鵬と巨人原辰徳の品格

今日のブログは難しいですよ。品格の話です。

大相撲名古屋場所千秋楽。

ともに14勝0敗の横綱白鵬vs大関照ノ富士。

気が付けば白鵬ももう36歳なんですってねえ。私は朝青龍のほうが好きでした。ダイナミックなモンゴル人は規律のうるさい日本相撲にフィットせず若くして廃業。引退だっけ?

ちなみに朝青龍は現在40歳。中日福留より全然若いです。引退した年は2010年。29歳の若さでした。この時白鵬25歳。ここから白鵬の黄金時代が始まりました。63連勝とかありました。


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引退か優勝か?

そんな白鵬も今や満身創痍。

今シーズンも白鵬は6場所連続で休場していました。

2020年の春場所で44回目の優勝。5月の夏場所はコロナウイルスへの緊急事態宣言で場所自体が開催中止。

そこから白鵬はいろんなケガをして6場所連続休場。横綱審議委員会から「注意」を受けたりもしました。

世間的にも「いよいよか・・・」とか、

「え、まだ現役だったの?」みたいな空気になっていました。

 

進退をかけた7月の名古屋場所。ちなみに相撲の「夏場所」は7月ではなく「5月」です。よく間違えるので「注意」を。笑

白鵬は初日に薄氷の勝利。その後も苦しい戦いを強いられました。

後半に入ると白鵬は足が痛いため「立合い」ができなくなりました。14日目の正代戦では立合いの際に徳俵に足をかけるような位置まで下がり、プロレスの立合いのようにヨロヨロと立ち上がりました。

■実際の映像 日本大相撲協会の映像

 

見るからに痛々しいですね。白鵬はもう真正面からぶつかることができなかったのです、

張り手も使ってなんとか右四つ。ギリギリの寄り切り。半分うっちゃられています。笑

白鵬はこれで14戦全勝。大関照ノ富士も全勝。

 

千秋楽

千秋楽は照ノ富士戦。全勝対決。勝った方が優勝。

もうプロレスの立合いはできません。相手にバレてますから。

ここで白鵬は3年ぶりにかち上げを敢行。10年ぶりの「猫だまし」はさすがにできない。笑

このかち上げはほとんどエルボー。反則スレスレ。どうですか、お客さん?

■実際の映像 大相撲相撲協会

 

横審からも激しく批判された白鵬の「かち上げ→張り手→ガッツポーズ&シャウト」

朝青龍時代から長きにわたり、モンゴル人と「横綱の品格」がなかなか融合しませんでした。

私は朝青龍が大好きでした。小柄なのにパワフルな投げ技。まさに力の横綱相撲。千代の富士とかぶるところがありました。白鵬は正統派の四つ相撲。北の湖タイプでしょうかね。地味で堅実。白鵬は朝青龍に比べて礼儀正しいイメージでしたが一人横綱になって張り手や猫だましを始めました。

 

一昨日の千秋楽で白鵬が限界ギリギリだったことは見て取れます。

かち上げは全然効いていないし、張り手にも腰が入っていない。組んだ時も腰が入らず前のめりでした。照ノ富士が引けば「引き落とし」か「上手投げ」で勝てたんじゃないかと思います。でも照ノ富士は引きませんでした。がっぷり四つから寄り切って白鵬に引導を渡そうと思ったんですかね。知らんけど。

 

とにかく白鵬はあの手この手で押したり引いたり。ギリギリ0.5ゲーム差で優勝を決めました。

その瞬間、またガッツポーズ。お客さんも喜んで泣いてる。1年ぶりの優勝。もうムリだろと思った白鵬が全勝優勝。「数字」しか見えてない素人さんには嬉しい「結果」だったでしょう。

 

勝利は正義か?

場所後に横審から激しく批判された白鵬。

しかし横審も結局白鵬に期待しているんですよ。ボロボロの白鵬に迫る力士が育っていないのが現実。白鵬の代わりに客を呼べる力士が存在しないことが現実なのです。

白鵬自身は進退を懸けて戦いました。ありとあらゆる技を駆使して全力を出し切りました。

どこかのおバカさんにそっくりです。

左右に右左。アホみたいなワンポイント継投

味を占めた「2ストライク後の継投」

白鵬も巨人も勝つことが正義になっています。

「え?何がダメなの?」

お若い方はこう感じるかもしれません。勝てば全てが許される、と。

 

私は巨人や白鵬にもはや品格など求めていません。

白鵬は異国の文化を持つ外国人。日本の流儀をゴリゴリ押し付けて本当に良いのでしょうか?

品格とは何か?日本人らしくあることなのか?

300年続く大相撲は21世紀も江戸時代のスタイルを守り続けるべきなのか?

私にはわかりません。私は伝統を守る方が好きですけど、大谷翔平がアメリカで34号をかっ飛ばす時代に少年少女が相撲を志すかどうかは甚だ疑問です。

 

北の富士は白鵬のことをボロクソにこき下ろしています。

北の富士が言ってることは全部正論なんだけど、今の若い子は「勝ちゃあ何でもいい」と思ってるフシがある。

「横綱の品格」とか「男の美学」は後回し。「数字と結果がプロの世界」なんだそうです。薄っぺらい世の中になったもんです。ペラペラ。笑

 

勝利も大切。白鵬と原はありとあらゆる禁じ手で勝利を目指す。

興業も大切。白鵬と巨人が売上金額ナンバーワン。

だから品格は後回し。今ここにいるんですよね。相撲も野球も。

かつてのNPBは渡辺恒雄の言いなりでした。巨人にリーグを脱退されると困るから、巨人のドラフト破りを長年黙認し続けました。あげくには合法化した時代すらありました。笑

今の横審も結局モンゴル人に依存しているのです。モンゴル人がいないと儲からないから。

 

アメリカで新しい格闘技が起こればモンゴル人はそちらに流れるんじゃないですかね。

私が好きな天理高校の達投手も「できれば高卒メジャー」と夢を語っています。大いにけっこう。

少子化の進む日本がアメリカや中国に対して同じように

「勝利が全て」

「お金が全て」

で対抗してよいのでしょうか? 私はダメだと思います。勝ち目がありません。「ヒット3本でようやく1点」効率の悪いアホ野球だと思います。

 

だから日本の相撲と野球界は品格を守った方がいいかもしれない。

お金が欲しい選手は海外を目指せば良い。それもプロ。

NPBが「メジャーの下請け」と呼ばれようとも、日本の野球を守るのも悪くないんじゃないかなあ。

日本のスタイルが好きな大物選手も大勢いるんですよ。楽天のアンドリュー=ジョーンズなんかもそういう選手でしたね。ホームランも打てるけど繋ぎの意識。メジャー時代は守備も一生懸命でした。

野球ってホームラン打つだけじゃないし、「勝てばいい」わけでもありません。

もうすぐ夏の甲子園が始まります。高校生のプレーはプロ野球に劣ります。しかしファンは甲子園で熱狂します。なぜか?

ひたむきで一生懸命だからですね。そんな中でもルールは守るし、品格も守る。

こういう姿は世界に誇れる日本人らしさだと思います。サムライ、ハラキリは伊達じゃないのですよ。規律を重んじ犠牲に耐える、一種の品格なのですよ。

モンゴル人や原辰徳にわかれと言っても無理なのですよ。