私が夢を見た選手シリーズ。今日は北海道日本ハム編です。
・・・ですが、20世紀のハムのドラフトは堅実路線で「まとまったタイプ」の選手が多く、あまり突き抜けたロマン型の選手はいませんでした。
ドラフト1位の田中幸雄投手も田中富生投手も似たタイプの投手で区別がつきませんでしたし、そこへ内野手の田中幸雄も入団すると、もうセリーグファンは大混乱に陥りました。笑
20世紀のドラフト選手
西崎幸広にしろ中島輝士にしろ、プロ入り前に騒がれた大物ですが、既にアマチュアで完成していた即戦力選手でした。決してプロでの成長を夢を見るタイプではありませんでした。
芝草、島田のSSコンビも別にどうってことありませんでした。アイドルかも知れないが投げるボールは遅かった。
ドラフト1位の酒井光次郎と山原和敏には多少ロマンを感じました。長嶋一茂の後輩だった矢作公一や今関勝には陽気なキャラクターで楽しませてもらいました。
20世紀の日本ハムは1981年に江夏豊の力で優勝した後、長い低迷期に入ります。だからかどうかわかりませんが、大卒や社会人の即戦力ルーキーを指名し続け、どこか中途半端なチーム作りをしていた印象です。
ハムはむしろ「ドラフト外」の方に大物が多く、背番号0で最多勝の松浦宏明投手、後にカープに移籍する白井康勝や木村拓也もドラフト外入団でした。古くは島田誠や津末英明もドラフト外。江本孟紀は東映時代のドラフト外でした。
中田翔はロマンの塊
そんな日本ハムが2002年に北海道移転構想をぶち上げました。
ドラフトでも次世代のスター選手を求めて、大型ショートの尾崎匡哉、糸井嘉男、ダルビッシュ有、陽岱鋼、吉川光夫、中田翔といきなり高校生のスーパースター中心へ路線変更。大野奨太捕手の強肩にも非常にロマンを感じました。
特に2007年ドラフト1位の中田翔は4球団競合で当たりクジを引き当て、2012年からは栗山新監督が中田を四番に抜擢しました。
日本ハムの四番打者は20年以上、外国人選手に依存しっぱなしでしたので、ハムファンの中田への期待は並々ならぬものがあったと思います。その期待に応えるかのように中田は打点王を3回獲得するなど、チームの王様として侍の四番としてキャラを確立していきました。
ダルビッシュ有にも大いにロマンを感じましたが、彼はパーフェクトな成功者。私の定義する「夢見た選手」とは「コイツもっと活躍できたはずなのに残念だった」という失礼な企画です。そういう意味では鵜久森淳志(済美高校)や宮台康平(東京大学)にも大いにロマンを感じました。←失礼
ハムの頂点は榎下陽大
そんな私が選ぶ日本ハム史上最高のロマン男は榎下陽大投手です。えのしたようだい。右投げ右打ち、マエケン世代。甲子園で大活躍。県立鹿児島工業では「シャー!」で有名な代打男今吉晃一とチームメイトでした。
斎藤佑樹と同じレベルでフィーバー(死語)を巻き起こした鹿児島工業。エース榎下のまっすぐは糸を引いていました。代打今吉の奇跡の一打で鹿児島工業はベスト4進出。準決勝で早稲田実業に惜敗しますが、これは斎藤佑樹vs田中将大、延長15回の死闘の前日のことでした。
その後、斎藤も榎下もプロ入りせず大学へ進学。斎藤佑樹は肩を故障しましたが、榎下君はまっすぐにさらに磨きをかけており、プロでいきなり15勝くらいするんじゃないかと私は夢見ていました。
プロ入り後はケガがちとなり、私が気付かない間に戦力外通告を受けました。大学4年の時は凄いピッチャーだったんですけどね。
夢を見ている現役選手
斎藤、榎下以後もハムは菅野智之、大谷翔平を果敢に指名しました。私はこの2年連続のサプライズ指名にも大いにロマンを感じました。笑
現在、私が期待している若手選手は浅間大基、堀瑞輝、万波中正、野村佑希、立野和明、五十幡亮汰ら。去年のドラフトでも私の好きな選手が大勢入団しました。
その一方で中田翔と西川遥輝という「チームの背骨」が相次いで退団しました。
これは稲葉新GMと新庄剛志新監督の意向ではなく、フロントの意向です。中田西川の放出後にフロントは新庄を招聘したのです。目的はもちろん新球場に向けた新チーム作りです。
プロ野球ファンの多くはハムを最下位予想するでしょうが、去年のオリックスもヤクルトも最下位予想からのリーグ優勝でした。中島監督と高津監督は過去のデータや過去の名前にとらわれない采配でチームを浮上させることに成功しました。
新庄ハムにもワンチャンス、優勝の目があると思います。トリッキーなことをしなくとも、若い選手を抜擢すれば面白い化学反応は起こるものです。