2025.2.9(日)
紅組 3-4 白組 天福
キャンプ第2クール2日目。紅白戦が行われました。
やっぱり試合はいいね。アナウンサーと達川が「放送席の気温は29.9度です!」とか言って盛り上がってましたが、グラウンドレベルではそこまで暖かくありません。温度計の数字と体感温度は 激しく異なる ものなのですよ。
同様に素人の皆さんが好きなOPSとかUZRとかトラックマンの数字も現場レベルとは全く異なるんですよ。
紅組寸評
全選手の寸評を行きます。長文です。全部読むと疲れるので、ひいきの選手だけ読んで下さい。
まず紅組から。
1番センター久保修。4打数0安打。
元気はあるがファールが多い。真ん中ストレートを4回振ったのは偉いが、3回ファール、バックネット方向。残り1回はいい当たりのサードゴロ。
コンパクトスイングには好感を持てますが、なら2回に1回は前に飛ばさないとレギュラーにはなれません。守備はノーミス。
2番ライト中村貴浩。4打数0安打2三振。
紅白戦で一番ガッカリした選手が中村貴浩。2番目は佐藤啓介。
私はこの二人に松山とキクのレギュラーの座を脅かしてほしいと期待しています。去年その片鱗を見せたからです。
この日の貴浩はストレートをファールして、ストライクからボールになる変化球を空振りするシーンが2度ありました。1度ならまだ仕方ないと思えますが、2度もボール球を振ったので私と新井の信頼は 失墜 です。
松山竜平は打率1割であっても、ボール球を空振らないです。ファールして粘ります。内野ゴロでもエラーの可能性は残ります。
3番サード二俣翔一。3打数1安打1四球1打点1盗塁。
普通。滝田のクイックから走ったのは野球脳が高い。なのにデロスサントスのシュートをアホみたいに空振っていたのはなぜなんだ?
4番DHファビアン。2打数0安打1四球。
1打席目に斉藤優汰から強烈なショートゴロ。2打席目が益田から四球。3打席目は滝田のチェンジアップをノー感じの空振り三振。
ショートゴロはたいへん良い感じでしたが、滝田の変則クイック投法には苦しんでました。打撃はまだこれから。走塁は良かったです。
5番レフト林晃汰。4打数2安打1打点。
この日のMVP。林の打撃にビックリした。私は感動した。
ファールはまだレフト方向ですが、ヒットは全部ライト方向。なんでだろ?
結果は右安、中直、右安、一ゴロ。一番良かったのは2打席目の特大ファール。その次が3打席目の右安。2打席目のセンターライナーも内容抜群でした。
林の打撃は同郷の筒香嘉智にも確かに似ているが、私には石川県出身の 松井秀喜 の打撃がダブって見えました。
後ろ足に体重を残して腰が鋭く回転し、打球はライトにゴージーラー。2打席目のファールがこの日の20人の中で一番鋭い打球でした。ゴジラ松井が見えました。林の沖縄行きは確定です。
走塁面でアホの達川が「あのヒットで2塁からホームインできない林は情けない」と言いましたが、無死なので赤松が止めただけです。林は何も悪くありません。
今年のカープは秋山と菊池ではなく、内田と貴浩と佐藤啓介で 打って勝つ野球 を目指しています。だから全く筋の通った走塁です。2死なら突っ込むが無死なら止まりますよ。
6番ファースト渡邉悠斗。3打数1安打。
よく1本打ちました。頑張った。
7番DH末包。3打数1安打。
上体だけで打っていて完全にダメ。私なら末包は二軍降格。一からやり直しです。
8番ショート山足。3タコ
ショート守備は上手いし美しいです。打撃はスカタン。
9番セカンド佐藤啓介。2タコ1犠飛1打点。
3打席のうち2打席が満塁での打席でした。1打席目は斉藤優汰のストレートに刺されながらセンターフライ。1打点。
2打席目はあっぷあっぷの益田を仕留めきれず一ゴロ。
vs斉藤の犠飛もvs益田の一ゴロもボールボールで来ていたところのど真ん中を打ち損じました。2打席で1打点。もったいない。
1打席目はまだ0対0だったのでアウトになりにくい打撃を選択したのかもしれませんが、1点リードで迎えた2打席目の益田からは高確率で仕留めてほしかった。だったら昨日の試合は紅組が勝ってました。
紅白戦の勝敗など誰も興味ないと思いますが、4回表の2死満塁で佐藤啓介がど真ん中の甘い球をファールした後、もう1球甘いタマが来て佐藤がボテボテ一ゴロに倒れたことで白組に逆転を許したのです。
10番キャッチャー持丸。2打数1安打1四球。
持丸がパスボールしたと言うけど、ありゃ常廣のフォークが鋭いからですよ。高と森浦のカーブはノーミスで全部捕球してましたよ。
打撃でも鋭いライト前タイムリー。持丸も成長してます。石原貴規は全然ヤバくないけど、曾澤翼の一軍枠はたいへんヤバいです。
11番DH小園海斗。2打数0安打1失策。
モンテロの高いサードフライを落球。解説の達川は「東京ドームなら屋根に当たって二塁打でしょう」と言いました。あの打球は矢野雅哉でも捕れません。ショートの選手は見たことのない打球です。
12番DH堂林翔太。2打数1安打。
右中間に三塁打。堂林の右中間は今年もよく伸びますね。足も速かった。
続いて紅組投手陣。
先発、常廣羽也斗。2回2安打0四球1失点。
1回表の先頭羽月にヒットを許す。
走者が羽月なのに常廣は1球も牽制を投げません。そりゃ走られるよ。常廣は「走るなら走れ」なのかもしれません。
2番大盛にフォークを当てられ1死3塁。3番奨成を2球で追い込んだのに3球目ワイルドピッチ。1失点。もったいない。
達川は「持丸が止めなきゃいけん」と言いましたが、私に言わせりゃ常廣が悪い。中村奨成を警戒し過ぎです。打たせりゃいいんですよ。
常廣は秋季キャンプで中村奨成にストレートをホームランされています。だからフォークを投げたんですが、常廣はまだブルペンであまりフォークを投げていない段階なので制球できませんでした。
常廣は2イニング目を無失点に抑えますが、1死1塁の打者高木の場面で「ボールをポン」っとやりました。
ボールをポンって何? 左のグラブにあるボールをポンっとトスして右手に持ち替えることです。
野球では「走者あり」の場面でピッチャーが投球する。バッターが見逃す。キャッチャーが捕る。
次の瞬間、ショートがピッチャーのバックアップに行く。キャッチャーは慎重にピッチャーにボールを返す。ここまでが「野球」です。
今の瞬間、ボールを持ってるのはピッチャーです。ショートはランナーに走られないため、キャッチャーからの返球をバックアップしただけです。
なのに常廣はマウンドでグラブからボールをポンっとグラブトスして右手に持ち替えました。
これはね、私にとって許されざる行為なんですよ。31歳の山足がマジメに常廣のカバーをしてるのに、若い常廣が安易にグラブトス。紅白戦だからいいとか、そういう問題ではありません。俺たちはベースボールじゃなくて野球をやっているんです。
この日は寒かったと思います。小園も佐藤も落球したし、滝田一希もポロポロやってた。簡単なことを丁寧にやらないと相手に一つの塁を奪われて、1点差で負けるのが野球です。
常廣のグラブでポンをもしポロリとやれば、1死1塁が1死2塁になるのです。相手にチャンスを与えます。
私は常廣羽也斗をローテ4番手と見ているので、迂闊な態度は許しませんよ。牽制球も投げねーし。
長くなりました。
続いて2番手塹江。1回無失点。
制球も球威もオッケー。私はキャンプ初日に気合の入っている投手第3位に塹江の名を挙げています。フィールディングも上手いし、フォームのバランスも良い。
ただ球種が少ない。スライダーを投げる時に腕がゆるんでる。まあ調整段階なんだけどさ。
3番手森浦。1回2安打3四球。3失点。
2死後に3四球から3失点。
チェンジアップを投げればいつでも打ち取れたのに、投げませんでした。まあ調整でしょう。
達川が「新井が競争を謳うんなら、1回3失点の森浦をどう扱うんじゃろう?」と言ってましたが、紅白戦の1イニングで森浦への信頼度は変わりません。森浦は開幕一軍です。
4番手河野佳。2回0安打0四球3三振。0失点
投手MVP。
大勢のカープファンを敵に回すかしれませんが、私は去年の夏から河野佳が時々 津田恒美 に見える時があるんですよ。
奇しくも河野が投げてる時に達川が津田の話をし始めましたが、河野の全てのタマが津田っぽいわけじゃないんです。河野のまっすぐが右打者のアウトローにズバーーーーッと糸を引いた時、たまに「津田っぽいな」と思うんです。
あと河野が投げるカーブみたいなカウント球も先発時代の津田恒美に似てる。
津田って神格化されがちですが、けっこう打たれたり逆球も多くて、今の河野によく似てたんですよ。
躍動感や「炎のストレート」ばかりが津田恒美じゃないんですよ。いいタマと悪い球が両方あって危なっかしいのが津田恒美です。
松本竜也。1回0失点。
2死から内田湘大にストレートを打たれて苦笑いしてました。そりゃストレートばかり投げるから打たれるんだよ。笑
高太一。1回0失点。
代走羽月に走られる。
塹江敦哉は守備がたいへん上手いですが、高は牽制もクイックも成長段階。高のライバルは塹江です。
白組寸評
長くなってごめんなさい。まだ半分です。これから白組。
1番レフト羽月。3打数1安打。
2打席目の遊ゴロもアウトですが良い打撃でした。山足が上手かった。盗塁はさすが。守備機会は少。
2番センター大盛。2打数0安打1四球。
達川は「打たないと厳しい」と言いましたが、何をおっしゃるウサギさん。大盛の守備と肩は一軍のマストアイテムです。大盛に匹敵するセンターはカープにはいません。久保修にも期待してますが、大盛の守備も日々成長しています。秋山を抜け。
3番センター中村奨成。3打数1安打。
気負い過ぎ。見逃しストライクの次のボール球に飛び付くのは草野球初心者の傾向です。
外野守備でも堂林を1塁で止めようとして3塁へ行かれたり、慎重に捕球したらファビアンにタッチアップされたりと苦しみました。
打撃の調子はイマイチですが、守備ではチャレンジしてるので私は好きですよ。林のセンターライナーはよく捕ったぞ。
4番ファーストモンテロ。2打数0打1四球。
打撃内容はセカンドゴロ、四球、高いサードフライを小園が落球。私は「意外にいいな」と思いました。
常廣のアウトコースを逆らわずにセカンドゴロ。2死13塁で森浦のストレートをしっかり我慢して四球。直後に内田のレフトオーバーで1塁から長駆生還。足も速いです。
守備も練習ではポロポロしてましたが、この日はノーエラー。堅実で慎重な守備でした。
5番サード内田湘大。3打数2安打3打点。
私は内田の打撃を誉めませんよ。森浦も松竜も内田に打たせてあげただけですから。
沖縄行きは決定だけど、まだまだこれから。試合でどんどん成長なさい。
6番ライト田村。2打数1安打1四球。
センター前ヒットはカウント球の変化球をセンター返しで打ったもの。去年の夏から継続しています。
この打撃は長打が減りますが率は残ります。センター守備もレフト守備も軽快でした。今年はやるぞ田村俊介。ファーストも守れる。
7番DH高木翔斗。3タコ。
打席では迫力があるし、セーフになったけど二俣の盗塁の時に最高のスローイングを見せました。高木のキャッチャーは豪快で楽しい。城島みたい。
33番のユニフォームを着ていた理由は紅組のつもりだったから白ユニを忘れたんでしょう。
8番ファースト仲田侑仁。2打数0安打1四球。
守備で小園のタイムリーを防ぎ、1点負けてる最終回にもファールで粘って四球獲得。
マジメなんだけど私の考えでは仲田侑仁にそんなのは要らない。
内田みたいにもっと振り回せ。内田はわんぱくだけど、仲田は全然わんぱくじゃない。わんぱくでもいい。たくましく育ってほしい。
9番DHケンティー。3タコ2三振。
ヒットを打ちたくて空回り。外野守備でも少し集中力を欠いてました。たぶん打撃のことを考えてたんでしょう。
10番セカンド韮澤。3タコ。
最初の2打席は秋山の物まねで2三振。3打席目は韮澤打法に戻しましたが一ゴロ。ニラもヒットを欲しがってましたね。セカンドとショートの守備はノーミス。
11番キャッチャー清水叶人。2タコ。
打撃ではバットが遠回りしますが、当たった時はライト戦にツーベースを打てます。
守備もポロポロ。肩は良いんです。
キャッチャー清水は益田武尚があっぷあっぷの時にマウンドに行きませんでした。紅白戦だから遠慮したんでしょう。持丸は森浦があっぷあっぷの時、紅白戦なのにマウンドに野手を集めました。このへんに年季の違いを感じました。
12番ショート矢野雅哉。2タコ1三振。
久保修のタイムリーヒットをむしり取って1点を防ぎました。敵のヒットを捕るのは嬉しいが、味方のヒットまで捕るのはやめてほしい。
投手斉藤優汰。2回5安打2失点。1三振。0四球。
1回は1安打無失点。2回に林、末包、渡邉にゴロヒットを打たれ無死満塁。
山足三振の後、一発のある佐藤啓介をストレートで押し込んでセンターフライに打ち取り1失点。続く持丸に上手く打たれ2失点。小園の打球もヒット性でしたがファースト仲田侑仁が美技で斉藤を助けスリーアウトチェンジ。
斉藤優汰は走者がいない時に気持ちよく投げられるようにはなってきました。
この段階でセコいクイックを教えて斉藤を6回2失点100球のピッチャーにする道を選ぶのか、走者を無視してダルビッシュのような豪快な投手に育てるのか、運命の分かれ道です。
斉藤本人は「今季はずっと一軍にいたい」と言っています。私の考えは「お前はアホか。でっかく育て」と思っています。
益田武尚。2回1安打3四球0失点。
内容最悪。やってもうたなあ。
益田はシート打撃からずっとよくありません。タマが高い。登録抹消。やり直し。
滝田一希。2回1安打2四球3三振1失点。
2イニング連続で先頭打者に四球。しかしそこから粘り、崩れませんでした。
達川が賞賛したクイック投法も確かに一軍で使えます。1塁牽制はヘタですね。二俣に盗塁されました。
高橋昂也。1回0安打0失点。
完全投球。つかみどころのない感じが昨年の炎の7球と全く同じでしたね。
デロスサントス。1回0安打0失点。
24歳だそうだが私はとても好感が持てます。ヘロニモ=フランスアの1年目よりずっといいですよ。まっすぐが良い。
以上です。長くてごめんなさい。