枕草子と野球徒然草第55段 [前編]

私は今、古典の枕草子にハマっています。

「春はあけぼの~」で始まる冒頭部分が有名。

30年前、現代国語の授業で暗唱させられたので、今でもボンヤリと覚えています。

国語の授業で学んだ「古典の中の古典」ですので、さぞかし芸術的で高貴な貴族が書いた文章なんだろうな・・・と最近まで思っていた次第です。

ところが実際に読んでみると内容は全く高貴ではありませんでした。

かなり庶民的で、高貴どころかむしろゲス野郎と言ってよい。←よくない

とにかく枕草子の実態は

「なんであそこでピッチャー代えないんだよ!」

「ここは送りバントじゃなく、盗塁だろ!」

と監督采配をディスるだけの野球ブログと何ら変わりがありませんでした。実話ですよ。


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枕草子

枕草子は紫式部のライバルとして有名な清少納言がちょうど1000年前に書いた随筆。

どの本屋さんでも原文で売られていますが、近年では現代語に訳された入門編やマンガ枕草子も多数販売されています。

これなんかめちゃくちゃオモシロいです。

本日もいとをかし!! 枕草子

 

清少納言は高貴などではなく、むしろ今で言う

毒舌コメンテーターみたいな存在です。

「赤ん坊はカワイイが、それをカワイがってる大人はキモい」

「前の亭主はいいヤツなんだけど、役に立たないから切ったのよ・・・」

清少納言のイメージは「大人になったちびまる子ちゃん」とか「若き日の中島みゆき」みたいな感じの人です。ホントです。

 

例えば有名な冒頭部分ですが「春は朝日の頃」「夏は夜」「秋は夕暮れ」「冬は早朝」が良いと書かれていることは、ほとんどの方が覚えていらっしゃるでしょう。

だが清少納言は最後の最後に痛烈なを吐いております。これはきっと覚えていない。

「冬は早朝の時間が一番良い。雪の日は言うまでもなく良い。寒さ厳しい早朝に、炭(暖房)を持って廊下を渡るこの仕事を、私たちは楽しめるくらいじゃないといけない。だけど冬が良いのは朝までね。昼になるともうダメ。バッサリ。霜も雪も溶けてグチャグチャになって完全にアウト」(訳・ひが)

かなり意訳してますが、原文の意図からは外れていません。

清少納言は毒舌家で敵の多いタイプの人でした。1000年前、藤原道長によって一時左遷させられています。

 

徒然草

そして今日の本題は清少納言ではなく、

吉田兼好です。

吉田兼好の代表作と言えば徒然草ですね。「とぜんそう」じゃありませんよ。こちらも枕草子と並ぶ日本を代表する随筆です。

20年前の2002年頃、ブログ創世記にはよく

「○○徒然草」

というタイトルのブログが目立ちました。当時ブログというものが何なのかよく知られておらず、みんな何を書けばいいのかわからなかったのですよ。

「とにかくつれづれなるままに書こう」とブログを始めた初心者が多かったのです。

 

令和の今日となっては逆に

「野球徒然草」

「カープ徒然草」

というブログタイトルには新鮮さを感じます。言い過ぎかな?笑

「古くさい感じが若者にはかえって新鮮」というやつです。うちの息子は今「めぞん一刻」にハマっています。笑

 

物事には時の流れがあります。

季節感、旬、出会いのタイミング、キャンプ直前の1週間。どれもワクワクしますね。

こういうものを排除したのが

24時間営業、SNS、ドーム球場、データによる「見える化」など。見える化で野球が見えるか、タコ。

 

データによる野球分析などちゃんちゃらおかしい。

もし清少納言に見つかれば

わろし

と一刀両断されますよ。笑

 

「時の流れ」に話を戻すと、20年前に流行ったものが20年後にまた流行ることは決して珍しくありません。

だから私はあえて今「野球徒然草」を表題に用いてみる。20年前のブログ界ではみんなが「徒然草」とか「つれづれ日記」とかを書いていて、ひねくれ者の私は「絶対にこんな題名はつけねえ」と反抗期でした。

だが20年経つとマネしてみたくなる。

世間に飽きられて捨てられて見向きもされなくなる。そういうものを愛でるのが日本の心。

このマインドがなきゃ25年も優勝してないカープを応援できませんよ。日本一は38年やってません。

 

さて吉田兼好の徒然草ですが、もう残りページがありません。

今日は前編。後編は明日書きます。

明日は徒然草の第五十五段について妄想します。

この段は吉田兼好が考えるチーム編成に関する話です。ホントですよ。

お時間のある方は「予習」をしておいて下さると、明日のブログがちょっぴり楽しくなるかもしれません。

 

私の徒然草は思いつくまま書き殴りません。

清少納言はけっこう思いつきで書いてるフシがありますが、吉田兼好はけっこう用意周到に書いているフシがあります。実にオモシロい。

つづく・・・