映画「グリーンブック」と黒人差別の話

今日も映画の話をします。カープの話はありません。

昨日はラブコメの話をしましたが、今日は 黒人差別 の話をします。

映画のタイトルは「グリーンブック」

原題も「Green Book」 2018年公開。アメリカ。

ハッキリ言ってメチャクチャ面白い映画です。クリスマスに見たい映画で、家族で安心して見られる映画です。

 

白人と黒人

この映画の主人公は二人の男性。

一人は白人で貧乏な男。奥さんと二人の子供がいる。職業は日替わり。名前はトニー。

もう一人は全米に名を知られた天才ピアニスト。音楽界の大谷翔平みたいなもの。名前はドク=シャーリー。黒人。

二人とも年齢は40歳くらい。時代背景は1962年。

 

物語はドクがコンサートツアーに同行させる運転手を募集するところから始まります。

そこへ職を失ったトニーが応募する。二人は面接会場で出会う。

ドクがトニーを気に入り、2ヶ月間の雇用契約を交わす。

ドクとトニーは1台の車で2ヶ月間の旅に出ます。

行先はアメリカ南部。黒人差別の激しい地域でした。差別用語で「ディープサウス」と言います。映画にもこの言葉は登場します。

 

思想の違い

私、高校時代は野球よりも映画を見ていたかもしれない。

高校生の時は1年に100本くらい映画を見ました。だから映画にはまあまあ詳しい。

映画界には「ロードムービー」と呼ばれるジャンルがありまして、本の世界で言うと「紀行物」といった感じ。アメリカ人は特にロードムービーが好き。

グリーンブックはまさにど真ん中のロード=ムービーです。景色もとてもキレイです。

 

二人の男が旅をします。

二人は考え方も肌の色も全く正反対。

ユダヤとアラブ、薩摩と長州、ひがと巨人。それぐらい受け容れられない相手。

トニーはケンカっ早い用心棒。ジャンキーでヤンキー。ヘビースモーカー。

ドクは穏やかな紳士。ただし家族がいません。全世界を飛び回るピアニストは孤独と戦っている。

 

んでドクは旅先でいわれなき差別を受け続けます。

大勢の白人の前でスタインウェイのグランドピアノを演奏し喝采を浴びても、食事は一人で別の場所。

街を歩けば罵詈雑言だけでなく、暴力まで受けるほど。

そのピンチを救うのがトニーの仕事です。

 

「お前はアホか。ここは絶対に送りバントだ!」

「送りバントなど時代錯誤だよ。この場面はヒッティングだ。監督は私だ」

「バカを言え。相手はナイフを持ってるんだぞ。ここは黙ってバントのサインを出すんだ!」

「なるほど、君は確かに腕のいいコーチだ。だが私にもプライドがある。武器を持った相手に簡単にバントするわけにはいかないんだよ」

みたいなやり取りが終始繰り返されます。無死1塁でのサインの出し方も、ケンタッキーフライドチキンの食べ方も、二人の宗教は常に異なるのです。

 

アメリカの闇

アメリカ人がなぜ人種差別をするのか、ご存じでしょうか。

それは 奴隷制度 の名残です。

日本の学校では教えてくれませんが、昔、白人社会には奴隷制度があったのです。

 

アメリカ合衆国なんぞ、つい最近イギリスから独立したばかりのハナタレ小僧です。

奴隷制度は古代ローマ帝国やエジプト時代にもありました。

映画「十戒」でモーセが海を割ったのは、エジプトの奴隷たちをイスラエルまで逃がすためでした。この頃の奴隷は人種を問いませんでした。

 

15世紀に大航海時代が始まり、イギリスとスペインは世界の大半を植民地化しました。英語とスペイン語を話す国が多い理由はそのためです。オーストラリアなんて100年前までイギリスでした。小僧もいいとこ。

イギリスとスペインはこれらの大陸から奴隷を船で本国に送りました。この時に運ばれてきた有色人種が今の黒人のルーツです。

ドクの演奏を聴く白人の貴族たち。彼らの先祖が黒人をアメリカに運んだのです。

 

ちなみにトニーはイタリア系アメリカ人。

黒人ほどではありませんが、トニーも映画でちょいちょい差別を受けます。

ダルビッシュも大谷も差別的発言を浴びたことがあります。

世界最高峰のメジャーリーグ、憧れのアメリカ、円安だと言われて久しいニッポンですが、アメリカだって実は大したことないのです。

 

トニーとドクのコンビが珍妙なエピソードを繰り返しながら、アメリカ大陸を2ヶ月旅するロードムービー。

楽しいんですよ、これが。

二人が苦難を乗り越え、お互いを少しずつ理解し合っていくストーリー。

んでこの話は 実話 であります。

ドクター=シャーリーとトニー=リップはついこないだまで生きておられました。

 

クリスマスムービー

アメリカ人がクリスマスに見たい映画ナンバーワンは「素晴らしき哉、人生!」 ※参考記事

なぜか「グレムリン」も人気らしい。家族で見るのコワそうだけど。

日本では「ホームアローン」が人気ですね。今年も「2」を放送してました。

私は「グリーンブック」をお勧めします。

ドクが警察官に服を脱がされて裸になるシーンがありますが、裸はほんの1~2秒です。お子供さんが見ても大丈夫。

 

「おいおい、トニーがあちこちでグーパンチをぶっぱなす場面はどうなんだ?」

私は 全く問題ない と考えます。

21世紀の若者たちはいろんな国、いろんな宗教、いろんな年齢の人たちと仲良くならなくちゃならん。

だから昭和時代はグーパンチが当たり前だったということを、今の若者たちにも見ておいてもらいたい。

私がグリーンブックを初めて見たのはNHKのBSシネマ劇場でした。だからグリーンブックはNHKお墨付き優良映画なのです。こちらも完全に実話です。


おしまい
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ありがとうございました。

-妄想