またドラフトクイズを作りました。
ヤクルトの村上宗隆や巨人の坂本勇人が「ドラフト・ハズレ1位」であることは有名。
「ハズレ1位って呼び方は失礼だ」って言うヤツの気持ちもわかるけど、私は味わい深い言葉で、ハズレ1位も好きですよ。
近い将来、ドラフト会議が完全ウェーバーになれば、ハズレ1位という言葉もなくなるわけで。そうなるとまた寂しくなるのかあ、とか思うわけです。
立石君の外れ1位
カープは立石正広の1位指名を公言しています。西武は小島大河を公言。
クジを外した時は、大阪桐蔭の森君あたりがハズレ1位か。私は早稲田の伊藤樹君も好きです。
ただね、れっきとした科学的根拠があって、カープは明日、立石が当たるようになってるんですよ。
カープは過去5~6球団競合に6回連続で敗れています。※参考記事
ということは次の5~6球団競合には
必ず勝てる
ことが科学的に証明されています。これを「ギャンブラーの誤謬」と言います。科学的です。
8球団になればわかりませんが、5~6球団なら当たりますよ。
ハズレ1位は竹丸でっていうけど、竹丸はハズレ1位じゃ取れないと思います。
ハズレ1位という言葉について
ところで「ハズレ1位という呼び方は選手に失礼だ」って言うヤツがいるけど、誰も選手に向かって
「おい、ハズレ1位!」
って声かけるわけじゃありません。そもそも村上や坂本のことをハズレ1位だなんて、誰も普段は意識してないよ。
プロ野球ファンは選手のことをドラフト順位では見ないよ。そんなのドラフトの時だけだよ。どんなに凄い選手でも、4位で獲れるなら4位で獲るのがドラフト戦略ですよ。
FAの時の「人的補償」もそうだけど、野球界の言葉って昭和時代から進化してないのよね。
ハズレ1位に代わる言葉が合ったら、俺は別にそれでもかまわないよ。
ただ今の誰も傷つかない、薄っぺらくてダラダラ長い役所用語みたいな言葉も困る。
「繰り上げ1位」なんて言い方は「繰り上げ当選」のつもりなんだろうけど、リズムが良くないよね。
それを言いだしたら、そもそも2位とか3位とかって選手に順位を付けるのも良くないんじゃないの、ゆとり世代のみなさん?
私の周りのおっさんは今でも、フルカウントのことをツースリーと言っている。スリーツーじゃリズムが悪いんだよ。
まあ私たちが古いだけかも知らんが、若い選手がポロッと「ツースリー」って言ってるのを聞くと、少し安心するよ。
というか現役選手でスリーツーって言ってるヤツ、いる?いないような気がするな。球審はスリーツーって言うけどね。
ハズレ1位もノーマル1位も入団すれば全く同じ。
野球ファンの俺たちが喜んでるところに勝手に入り込んできて、いきなり「失礼だろ!」と言われても、なんだかなあ。
牽制で刺せとか、ランナーを殺せとかはオッケーなの?
本も読んでないヤツに、ハズレ1位って言葉の味わい深さも判んないだろうねえ。
語彙が「草」と「ヤバ」しかないヤツに、「失礼だろ」とか「店員の態度が」とか言われたくないんだよね、こっちは。
オチは無い
関西人なのでオチの無い話は落ち着かないが、私はハズレ1位という言葉が好きだ。
人的補償はちょっと面白くない。工夫もひねりもないからだ。
太宰治の人間失格の中に「喜劇名詞と悲劇名刺を分けよう」というくだりがある。いわく、
汽車と船は悲劇名刺だが、市電とバスは喜劇名詞だそうだ。よくわかる話だ。
私の感覚では「ハズレ1位」は喜劇名詞で「人的補償」は悲劇名刺。
「交換トレード」もポジティブな動きですが、文学的には悲劇名刺。
プロ野球が愛される理由は、人生が一度きりであることへの抗議である。
打った抑えた、勝った負けただけじゃなくて、頑張ってるけどうまく行かない選手とか、代打に出てきて必死にファールで粘ってるヤツとかに感動するんですよね。
なにがハズレ1位は失礼だだ。プロ野球にはもっと見るべき箇所がある。
私は昨日、周東と牧原のアウトになった全力疾走を大賞賛している。
言葉遊びなんかしているヒマは無いのだ。俺の人生は一回しかないからな。