2022.2.6(日)
実に面白い。
日本ハムの新庄監督が考えた「常に1死満塁の紅白戦」が実に面白い。
新庄「打者も投手も走者も守備も1死満塁は全ての練習になる」ニッカン
100%おっしゃる通りです。しかもシート打撃、ケース打撃と呼ばず「紅白戦」と呼ぶところもミソ。昨日、私が「野球選手は試合でうまくなる」と書きましたが、新庄も同じことを考えているようです。打つだけ、捕るだけ、投げるだけじゃなく、試合を想定した練習はとてもいい練習だと思います。
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スチールスタート
カープのほうはと言うとスチールスローという新しい練習を始めました。
打者は立たずにバッテリーと1塁走者だけで盗塁勝負する練習。
ピッチャーは森、黒原、松本の3人。捕手は奨成、石原、持丸の3人。
走者は宇草、小園、羽月、二俣、韮澤、ケンティー、末包、奨成など。1塁コーチャーに河田雄祐でした。
この練習では
[1]投手・・・牽制、クイックモーション
[2]捕手・・・2塁送球、1塁牽制
[3]走者・・・リード、スタート、スライディング
を練習するというか、首脳陣がテストしてた感じに見えました。鍛えるというより見極めてるような感じでした。ま、投手3人ともルーキーだったからですけど。笑
走塁練習で「水を得た魚」と化す河田雄祐が熱血指導であれこれ指導していましたが、ハッキリ言って昨日の1塁走者には何もかもが不足してました。みんな盗塁がドヘタだという意味です。
私が評価する盗塁技術ランキングは以下の通り。
アルファベットは【スタート、スピード、スライディング】の評価です。5段階。A~E
1位 羽月隆太郎 BAB
2位 中村奨成 CAD
3位 小園海斗 CBE
4位 二俣翔一 DBD
6位 宇草孔基 EBD
7位 末包昇大 DCE
8位 中村健人 DDE
9位 韮澤雄也 EDE
期待の若手の盗塁技術に私はとてもガッカリしました。失望です。羽月にしたって全く物足りないです。
みんな「ヒットエンドラン」のようなスタートでした。捕手の送球が逸れたり、投手の投球が変化球ならセーフになるというレベル。福地寿樹や緒方孝市のようなイチかバチかの初球スチールでは全くありませんでした。
二俣とルーキーは仕方ない。初めての1軍キャンプですから。
宇草は1軍経験も豊富で昨年43試合で6盗塁、5盗塁死。昨日の練習でも「半分半分だろうな」という成功率でした。スピードはまあまあですが、スタートとスライディングがとてもぬるかったです。
末包とケンティーは全然ダメですね。プロで盗塁はできないでしょう。よっぽどノーマークの時だけ、東出か小窪のサインで走ればよい。二俣にはとても伸びしろを感じました。
小園は筋肉をつけすぎたのか、去年も今年もスピード感が足りない。盗塁と無関係ですが、私は小園のスローイングが去年から非常に気になってます。地肩に頼りすぎで打球への入り方も足の使い方もとても力任せで「動きのロス」がとても大きいです。今のままでは肩を壊しますよ。盗塁も同じで漫然とスタートして漫然とスライディングしています。リードも一番小さかったような気がします。
羽月のスピードとスライディングは良い。スタートも普通。1年間試合に出れば30盗塁は十分可能。ただ羽月にはもっと上を目指してもらいたい。曽根に勝てれば代走の切り札として1軍に残れるからです。50盗塁以上を目指すくらいの意気込みが欲しいところ。
中村奨成はなかなか良い感じです。私はなぜか「トリプルスリー」という言葉を思い出しました。まだ力任せな盗塁ですので30盗塁は厳しい。30発も厳しい。だが「3割20本20盗塁は十分可能」と私は見ている。今はヘタですが1軍の試合に出ていれば20盗塁はできるかも・・・と思います。奨成は意外に頭の良い選手だからです。
投手の牽制クイック
投手の牽制とクイックモーションについてざっくりと分析します。
森・・・牽制普通、クイックヘタ
黒原・・・牽制普通、クイック普通
松本・・・牽制ヘタ、クイック良い
森はクイックがヘタで、松本はクイックが良い。
黒原は既に1軍レベル。普通というのは褒め言葉ですよ。
特にセットで長く持って投げる姿に好印象を持ちました。他の選手がバッターなしで練習しているのに対し、黒原だけは「バッターも想定」しながら練習している感じがしました。セットで長く持つことは走者にも打者にも有効です。昨日の黒原はけっこう長かった。20秒くらい持ってました。セリーグではあまり見ない長さでした。
スチールスロー
メニューの名前がスチールスローなので、この練習のメインはキャッチャーの盗塁阻止。
去年の石原貴規の盗塁阻止率は.143(2/14)。坂倉将吾は.250。
ヤクルトスワローズの公式HPに毎年セリーグ全捕手の盗塁阻止率が掲載されていたのですが、2021年のデータはありませんでした。今年の情報ソースはこちらとこちらです。
石原貴規の場合は甲斐拓也に学び、元々のスローイングに定評もあります。ボールを握り損なうシーンが散見されますが、彼のスローイングは古田敦也っぽいスリークォーターで私は好きです。信頼もしています。この日もまずまず良い送球を見せていました。
持丸泰輝は苦労してました。育成選手ですがもし1軍の試合に出ても盗塁を刺すことは至難の業でしょう。肩が強くなくコントロールもイマイチでした。
中村奨成はさすがの強肩ですが、なんだか高校の時よりモーションが大きくなってる気がする。かなりオーバースローに見えたんですが強い送球をするためなのでしょう。それでも盗塁をアウトにした数は3人の中で奨成がぶっちぎりのトップでした。ほぼ全部刺してたんじゃないか。
まとめ
1死1塁で相手バッテリーにプレッシャーをかけられる1塁走者は羽月ぐらいかなと思いました。
カメラの角度から各走者のリードの広さはよく見えなかったのですが、小園と宇草はもう一歩出た方がいいと思います。笘篠賢治が解説してましたが「スタートを切る勇気が無いなら、リードを広げてバックすることに専念しろ」はまさにその通りだと思いました。奨成は2塁にスタートするのはまずまずですが、1塁にバックするのがまだヘタです。
今年から誠也がいないので足を使わないといけないと思うんですが、大盛と羽月がベンチではそれも厳しそう。3番奨成と2番野間の2人で50盗塁できれば少しプレッシャーになりますかね。
あんま昔話を言いたかないですが、田中広輔は3連覇の3年間で95盗塁しています。キクマルも2人で30個。タナキクマルで毎年60個走っていたんですよ。だから相手ピッチャーはストレートを投げるし、ヒットゾーンも広がるのです。
今年の機動力野球のカギは野間、小園、宇草でしょうね。コイツらが1人20個くらい走れればカープの攻撃は流れると思います。ジッとして長打を待つのが朝山流ですがそれで3年連続Bクラスです。
龍馬、坂倉は走らない、奨成はそこそこ走るでしょう。末包は全く走れません。
以上、盗塁に限った話です。