新井貴浩はきっと「第2先発」を使う

今日のカープは休日です。今日の日南は午後からまとまった雨が降るみたいで、このへんもカープにとってはラッキーです。新井監督はやはり何かを持っていますよね。

私はキャンプ直前に「新井新監督の構想」について全5回シリーズを組んで分析してきましたが、新井カープになって最大の変化は

【1】主力野手の積極的休養

【2】先発投手の球数制限

の2つだと思います。

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野手の積極的休養

まず野手陣について。

これまでに新井監督は何度も「坂倉を捕手に固定する」「キクと秋山には休養が必要」などと繰り返してきました。

規定打席やゴールデングラブ賞に配慮しつつも、キク(32)と秋山(34)を週5試合スタメンくらいで起用すると思われます。

正捕手の坂倉もスタミナがあるとはいえ、さすがに捕手1年目で143試合スタメンは厳しいでしょう。こちらも週5試合スタメンが一つのボーダーラインになりそう。

 

キクは3月で33歳。秋山は4月で35歳。週1で休養を与えるならば「143試合×5/6≒120試合スタメン」の計算となります。

坂倉にも「週1休養」を適用するなら、年間120試合スタメン。捕手としては十分レギュラーとベストナインを狙える数字。

2004年に24歳だった石原慶幸は127試合にスタメンしています。これが石原のキャリアハイ。アツは2019年の100試合スタメンがキャリアハイ。3年連続ベストナインの3年目でした。 

 

このように捕手として年間100~120試合スタメンすれば十分ベストナイン、ゴールデングラブ、オールスターレベルです。

ちなみに侍JAPANに選出されている中村悠平のキャリアハイが2015年の135試合スタメン、甲斐拓也は2021年137試合。年間143試合中130試合以上スタメンする捕手は日本代表レベルです。

 

そう考えると「正捕手として1年目の坂倉は120試合スタメンで十分だろう。ケガも怖いし」という考え方が成立します。

ただその一方で「去年143試合スタメンした5番打者が今年120試合ってどうなの?」という考え方も成立します。

これは意見が分かれて当然なのですが、私は断固「坂倉は捕手優先」で起用してもらいたいです。つまり「5番打者が120試合しかスタメンできなくても仕方ない」という意味です。

4番が120試合だとちょっと困りますけど、5番なら何とかなる。カープには秋山と龍馬がいますので、彼らが3番5番で4番がマクなら坂倉不在のダメージはまあまあカバーできます。逆に代打で坂倉を出せるのが強みになるくらいです。

 

坂倉が捕手で130試合スタメンできるのが私の理想。

新井と石原が坂倉のコンディションを見ながら120試合スタメンでも十分満足です。正捕手1年目だからです。ゆくゆくは130試合、140試合と増やしていきますよ。今年は120試合で御の字だという意味です。

 

新井式「第2先発システム」

さて本題はここからです。

私の予想では新井監督はおそらく「第2先発システム」で戦うと思います。

この予想に私はかなり確信めいた自信を持ってます。大きな文字で強調しておきます。笑

 

「第2先発システム」という名称は私が勝手に命名しました。要するに新井は「先発投手1名の他に、2~3イニング投げられるロングリリーフタイプの投手を毎日ベンチ入りさせるだろう」と予想します。

去年の佐々岡カープにもロングリリーフ要員が毎日ベンチ入りしていました。主にコルニエル森翔平が担当してました。彼らは先発投手がノックアウトされるまで出番がありませんでした。

今年の新井カープにも先発投手がノックアウトされた後のロング要員はベンチ入りしますが、ここがもしかすると2名になるかもしれないと思うのです。

 

ロング要員も第2先発もリリーフで2~3回投げる点では共通していますが、以下のような違いがあります。

「ロング要員」はいわゆる敗戦処理。勝ってる試合と競ってる試合では出番ナシ。先発投手が1人で6~7回を投げます。

「第2先発」はいわゆる第2の先発投手です。先発投手に打席が回れば代打を出して第2先発にバトンタッチ。ベンチはハナから「2人で7回」を目指します。

私が確信しているのは「新井は必ず第2先発タイプをベンチに入れる」ということです。そしてよっぽど完封ペースでなければ新井は先発投手を5~6回で降ろすだろうということです。

 

例えばですけど

第1先発グループ…大瀬良、九里、森下、床田、遠藤、アンダーソン

第2先発グループ…高橋昂也、玉村昇悟、森翔平、ノムスケ、益田、河野

とすると第1も第2も6名ずつ揃います。

第1先発は当然週1回の先発登板。球数制限は100球前後。新井監督は「シーズン序盤に120~130球は絶対やらない」と明言しています。広島ホームテレビ

第2先発もローテーションを組んで毎日ベンチ入りします。そしてベンチ入りする以上、3連戦のどこかでは必ず投げさせるでしょう。

難しいのは第2先発のローテーションです。第2先発の人たちは二軍の試合でもコンスタントに投げておかないといけない。登板がいつも中10日ではパフォーマンスを100%発揮できませんし、二軍の先発投手も不足します。

 

もちろん第1先発と第2先発の順番はいつ入れ替わってもいいと思います。

四本柱が第2先発に回ることは考えにくいですが、遠藤とアンダーソンは雨で試合が流れたりすると、第2先発としてベンチ入りすることがあると思われます。

んで大瀬良と九里がテレテレやってるようだと、彼らは二軍で再調整です。彼らが第2先発に回ることはないでしょう。

 

予想の根拠

とにかく新井が第2先発システムで戦うことは確実です。

ヤクルトとオリックスも先発を早い回で降ろし、小刻みな継投に入りますが、カープでそのやり方は難しい。なぜかと言うとカープにはリリーフタイプの投手が少ないからです。

これも新井監督が毎日言ってる「チーム編成」のハナシ。

ヤクルトとオリックスには1イニングで150km超を連発できるリリーフタイプが豊富。カープは希薄。

でもカープにはその分5回3失点でまとめられる先発タイプが多い。それが先ほどの第2グループの6人。アドゥワ誠と岡田明丈にも期待している。

 

私が「新井第2先発説」を唱える根拠は以下の新井のコメントから。

・俺はお前たちが思ってるより、お前たちに期待している

・シビれる場面に若手を放り込む。育成とは覚悟である

・先発投手の球数制限。ベンチが選手の体調を管理する

・主力野手も休ませる。ベンチが体調を管理する

・全員で勝ちに行く。一軍も二軍もない。チームは家族

 

今シーズンのカープがもしオーソドックスな「ブルペン8人、先発100球」システムで戦うと、新井監督が掲げる「競争と育成」がちょっと難しくなるんですよ。理由はカープのチーム編成です。

カープの若手にリリーフ専門タイプの投手は少ない。藤井黎來くらい。

例えば従来通りの「ブルペン8人システム」を組む場合、ベンチ入り投手8人は

コルニエル、益田、松竜、ケムナ、ターリー、森浦、矢崎、栗林

となります。益田の代わりに藤井黎來や戸根千明が入ると今年のルーキーはゼロ人。育成できません。

 

ところが新井監督の新構想「ブルペン9人、第2先発システム」だとベンチ入り投手はこうなります。

玉村、コルニエル、益田、松竜、ケムナ、ターリー、森浦、矢崎、栗林

玉村昇悟を1人加えただけですが、もし「先発5回+玉村2回」で7回まで行ければ、勝ちパターン投手を温存しやすくなります。

また「先発投手の2打席目に代打を出す」ことができれば、木下元秀や二俣翔一に一軍の打席を与えることが可能となります。

大量リードしていればそのままキクや秋山を5回で引っ込めることもできるかもしれない。

 

要するに新井はベンチ26人を全員使いたい。

特に先発1名、ブルペン9人の場合、野手は16名です。スタメン野手が8名なのでベンチは8名。

そのメンバーはおそらく、アツ、イソ、上本、田中、松山、堂林、末包、大盛とかになるでしょう。

例えば5回裏に9番の打席が来ると代打に末包を送ることができます。7回の代打にはアツ、9回松山。

ベンチ野手の田中が羽月に、末包が二俣に、大盛が宇草になる日もあるでしょう。

セリーグでは通常5回裏の打席に先発投手が立ちますが、新井はここに若手野手を立たせるつもりじゃないか。んで第2先発も若い子を抜擢するつもりじゃないか。

 

キャンプ第1クールの二俣、田村、木下を見ててそう思いました。

こいつらを一軍で使うなら5回の投手の打席だろと思ったんですよ。たぶん間違いないと思います。