新井貴浩の新しい継投プラン

昨日カープの第二次戦力外通告がありました。

私の予想は7人でしたが結果は6人でした。安部、白濱、中田、菊池ヤス、山口翔、田中法彦。

ドラフトで7人指名した時点で私は「長野久義すら危ない」と思いましたが、一岡、中村祐太、正隨らと共に無事残留しました。

クビになった選手たちは残念ですが、新人を穫ると支配下の選手がクビになるのはプロ野球界の掟。個人的には山口翔を支配下に残してほしかったですが残念でした。

 

新井の野球

カープはコーチ陣も刷新しました。

玉木朋孝(48)、植田幸弘(58)、森笠繁(47)が退団。

玉木はまたオリックスかどこかに引き抜かれるのではないでしょうか。

植田は年齢的なもの? 森笠は新井良太と入れ替え。

 

今季の一軍守備コーチは小窪と河田でした。二軍が玉木と赤松。

2人の守備コーチが抜けたので、ここが誰になるかは注目ですね。東出の線もなくはない。

植田の後任のバッテリーコーチは藤井彰人が兼任するか、石原慶幸が入閣するかでしょう。ヘッドコーチが埋まったので水本さんのカープ復帰は消えたと思います。

 

戦力外通告や西川龍馬残留などの派手なニュースの傍らで、私はひっそりと気になるニュースを見つけました。それがこちら。

■新井監督「我慢し、腹を括るスポニチ(2022.10。23)

いわく、

「先発投手の球数を見直したい」

「勝ち継投もローテーションさせたい」 

というもの。最近の流行ですね。高津式継投策。

 

まだ構想段階ですから開幕してどうなるかですけど、近年のNPBは

【1】先発投手が中6日100球

【2】年間24試合先発で平均6イニング

【3】規定投球回数に届くか届かないか

という投手運用が増えています。

ヤクルトのように「軸となる先発投手がいないチーム」はこの戦法が正しいと思います。

 

ただカープの場合は先発4本柱に加えアンダーソンと遠藤淳志がいて、7番手以降にも玉村、森、高橋昂也という実績ある先発投手が控えています。

だから私は先発120球、平均7イニングで勝ちパターンを温存するべきだという考え方でした。

だが現実は大瀬良も九里も後半失速。森下はWBC辞退の憂き目に。チームも5位でした。

今日は捕手のリードに触れませんが、新井監督の意向としては来季の「先発100球野球」を視野に入れている様子。

まあ今年の成績を見ると仕方ないですね。私も「先発100球野球」を今から準備しておく必要はあると思います。

 

先発100球野球のメリット

先発100球野球のメリットは大きく2つあります。

1つ目は先発投手がヘバらないこと。

これは当然ですね。中6日100球は中6日120球よりラクです。

それに100球超えると相手上位打線と4打席目の対決を迎えることとなります。いくらエース投手が投げていても打順4巡目を抑えるのは少し難しい。最近のエースの仕事は「100球で相手打線の3巡目まで抑えてくれ」というパターンです。

 

2つ目のメリットはローテの順番を変えやすいこと。

ヤクルトやロッテはローテ投手をしばしば抹消し、先発を1回飛ばしますよね。

先発投手の役割が100球というチームはコレができます。先発投手に休養を与えつつ、ブルペンに厚みを持たせます。

緒方孝市はリリーフ投手を酷使しましたが、高津監督は接戦でもマクガフ清水を温存します。

阪神も割と岩崎を温存してました。中日とDeNAは外国人を酷使気味。巨人は昨年メチャクチャでしたが今年は大勢に救われました。

 

上のスポニチの記事を読み込むと、新井監督が目指す野球も高津式の継投策のようです。

勝ってる試合に投げさせるリリーフ投手を6人くらい用意して、例えば松本竜也や塹江クラスが打たれても仕方ない。シーズントータルで考えればプラスになる、という考え方。

リリーフ依存度を高めるということは、先発ローテに「若手お試し枠」を入れやすくなります。

佐々岡時代の「先発120球野球」では誰かが故障するまで若手投手を一軍で先発させる機会が少なかったです。

高津式ならベテランの大瀬良や九里を飛ばしたり、首位チームに森下と床田をぶるけるためにローテをズラしたりしやすくなると思います。つまり6連戦のローテを固定せず柔軟化できるということ。「相性」を重視することもやりやすくなります。

 

あとはその分だけ、リリーフのやり繰りが重要になります。

私と佐々岡は「先発陣がカープの強み」と思っていましたが、新井はそうは見ていない様子です。まあ今年の成績を見れば当然そうなりますけどね。

とにかく新井は来季、ブルペン強化に乗り出すものと見られます。これは間違いありません。

 

先発100球のデメリット

一方で先発100球野球にはデメリットもあります。

1つ目は個人タイトルを穫りにくいというところ。

まあこれはチーム最優先なら仕方ない部分もあります。森下と床田だけは個人タイトル狙っていいんじゃないですかね。

 

2つ目はやはりリリーフ投手に負担がかかる点ですね。

今季のカープは矢崎拓也に救われましたが、来季の勝ちパターンには塹江、ケムナ、島内が入ってこないと苦しい。

今年の7~9回が矢崎、森浦、栗林。

来季ここを支えるのが塹江、ケムナ、島内、松竜、ターリー、黒原。

場合によってはアンダーソン、中﨑翔太、小林樹斗、岡田明丈なども候補に入ります。社会人ルーキー3人、フランスア、大道、藤井黎來、一岡もいます。

 

大瀬良や九里を休ませる時に一軍で先発するのがノムスケ、コルニエル、高橋昂也、玉村、森翔平、小林樹斗、アドゥワ、中村祐太。

頼りなく見えるかもしれませんが、月に1度の先発ならけっこう好投するかもしれないですよ。

 

まとめ

私はルーキーの長谷部(左)は先発向きだと思ってます。

益田はどちらもできるでしょう。河野はちょっとまだわかりません。

アンダーソンも先発向きだと思ってるんですが、先発100球システムで戦うならリリーフ転向もアリかもしれない。

小林樹斗も先発で育てたいのですが、ちょっとまだ長いイニングを抑えるイメージが湧きません。

コルニエルが先発転向するってハナシも、大瀬良と九里を休ませるためでしょう。

岡田明丈が以前の球威を取り戻せば巨大戦力になりますが、果たしてどうか?

黒原拓未も私はとてもセットアッパー向きだと思います。フォークとチェンジアップの腕の振りがいいからです。

 

さっきのスポニチの記事で新井貴浩は

「6回90球の森下に代えて7回から黒原を出す!」と発言しています。←意訳しています

この野球はまさに高津式近代野球です。

この継投策を新井は「我慢して継続する」と言っているのです。

 

果たしてどう出るか?

勝率は上がるかもしれないけど、リリーフは1年間持つのか?

オリックスの山本由伸は今年も両リーグ最多の193イニングを投げています。平均投球回数も約120球です。


おしまい
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ありがとうございました。

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