今日は戦力外通告から這い上がった男たちをまとめて紹介します。
ハッキリ言いまして「戦力外通告を受けた選手が、翌年のオールスターに出場した」なんて話は、NPBには ゴマン とあります。
若者よ、たった1回の失敗でくじけてんじゃねーぞ。受験に落ちて、社会で大成功したヤツなんかゴマンといるぜ。
戦力外からオールスターへ
戦力外通告を受けた翌年、「そこそこ活躍した選手」まで書くと無限に出てくるので割愛する。カープの関係者で言えば小早川毅彦や石井琢朗など。
戦力外からオールスターに出場した選手までいくと、さすがにかなり絞れてくる。今年で言えば、田中広輔や小林樹斗が来年のオールスターに出るようなものだよ、スゴない?
「クビからオールスター選手」はマジでゴマンといます。
パッと思いだせるだけでも、
山本和範・近鉄→南海でオールスター
宮地克彦・西武→ダイエーでオールスター
入来智・巨人→ヤクルトでオールスター
山本と宮地はともに「左投左打の外野手」でした。左投げの外野手は打てないとキビシイ。
戦力外通告を受けた時、山本は7年目の25歳、宮地は13年目の32歳でした。
退団後、宮地は横浜ロッテ近鉄ダイエーのテストを受けて、唯一合格したのがダイエーでした。盗塁王の村松がFA移籍したため、ギリギリ合格。
宮地はそこから頑張って、規定打席の打率.300とオールスター出場を果たします。夢があるなあ。
当時、宮地は「リストラの星」と賞賛されました。2005年の話です。
「プロ16年目で初の規定打席到達」はシブかった。野球ってホントに大切なことを学べます。
2001年にオールスターに出場した入来兄は野村再生工場ではなく、実は若松監督時代でした。入来は移籍1年目から先発でバリバリ完投して、いきなりオールスター出場。
それまでの入来はどちらかというと中継ぎ投手のイメージでしたから、私もこの大活躍には驚いた。ピッチング内容も大きく変化してなかったしね。
もしかすると、古田敦也とバッテリーを組めたことが大きかったのかもしれない。
とにかく入来はオールスターに兄弟そろって同時出場を果たし、秋には日本シリーズでも先発して勝利投手になってます。
このように、小林樹斗が来年の日本シリーズでセーブあげる可能性だって、全然普通にあるのですよ。
戦力外からタイトルホルダー
続いて戦力外通告を受けた後、個人タイトルを獲得した選手を紹介します。
オリックスをクビになった後、ホームラン王を獲った選手がいます。
その通り。楽天に入団した 山崎武司 です。
2004年に戦力外通告を受けた当時、山崎は36歳でした。成績は62試合、打率.245、本塁打4本。
実はこの年にホリエモン騒ぎがありまして、仙台に新球団が誕生しました。
近鉄とオリックスの搾りかすみたいな楽天球団は、とにかく経験あるベテランを集めました。その中の一人が山崎武司。
山崎はその楽天で再び輝きを放ちました。後に野村克也監督と出会ったことも大きい。山崎は楽天で200発打ちました。
山崎は2007年に打点と本塁打の二冠王を獲得。43発、108打点。
松山竜平にも夢がある…はさすがに厳しいか。笑
もう一人タイトルホルダーになったのが、ソフトバンクの 藤井皓哉 である。
え?
藤井皓哉ってホールド王取ってないっけ?
取ってなかったわ。オールスターにも出てないのか。なんだよ。
しかし藤井皓哉には今年の日本シリーズでMVPを獲る可能性がある。
俺の皓哉君をなめるんじゃねーそ。一体どこだ、俺の皓哉をクビにした球団は?
戦力外からMVP
さて最後に戦力外からまさかの リーグMVP を掴んだ選手を紹介します。
クビを経験した選手がMVP? そんな選手ホントにいるの?
ええ。
私が思い出せるだけでも 3人 います。
1人目はご存じ、われらの 新井貴浩 です。
新井は38歳で阪神をクビになり、カープに拾われました。
私がこのブログを始めたきっかけも、新井の復帰でした。
新井と黒田が抜けたカープを支え続けたのが、栗原と前田の両健太でした。
栗原とマエケンが退団して、カープが25年ぶりの優勝。MVPは新井貴浩。
そんなのズルない? 栗原にも優勝させてあげたかったぜ。
あとの2人は 近鉄のブライアント と ヤクルトのオマリー です。
ブライアントは厳密に言えばクビではありません。シーズン中の無償トレードでした。
所属元の中日もブライアントの長打力を十分評価していたのですが、当時は「1球団が保有できる外国人選手は3人まで」というルールがあり、一軍登録できる人数も2人まででした。
中日の一軍にはゲーリーと郭源治がいて、3番バッターとクローザーでした。
ブライアントが中日で試合に出る可能性は極めて低かった。当時は2人しか外国人を保有しない球団も多かった。
そこでブライアントは近鉄に移籍。近鉄はデービスが麻薬を吸って、緊急退団していました、
ブライアントも新井貴浩も補欠でよければ、旧所属球団に残ることができました。ブライアントは二軍、新井には年俸2000万円の代打要員という居場所がありました。
しかし彼らは球団と話し合い、退団の道を選びました。田中広輔の退団もこのパターンです。
MVPは獲ってないけど、アレックスもカープに拾われて活躍したし、石井琢朗や井端弘和もチームを強くしてくれました。
最後に紹介するのがトーマス=オマリー。
オマリーも阪神で毎年3割打ってたのですが、広い甲子園でイマイチ本塁打数が伸びなかったため阪神と決裂。
オマリーは阪神を戦力外となり、翌年神宮を本拠地とするヤクルトに入団して、31本塁打&MVPを獲得しました。
1995年の日本シリーズではオリックス小林との14球の対決が話題となり、オマリーは同年の日本シリーズでもMVPを獲得しました。
一言で「クビ」「戦力外通告」と言っても、そこには様々な事情があり、田中広輔も小林樹斗もチーム事情やケガが原因で自由契約となりました。
「まだやれる」ということはカープ球団も重々承知してますが、支配下登録枠にも限りがあるのです。
だから頑張れ、田中広輔。一つ間違えばMVPも狙えるよ。
誰が新井貴浩のMVPを予想した?だから人生おもしろい。
間違いが起きなくても、クビになった選手がレギュラーで活躍するなんて話はゴマンとあります。
小林樹斗にもMVPの目は十分あると思います。