形相

2025.9.14(日) 

広島 6-8 ヤクルト マツダ 

連勝ストップ。借金12。残り12試合。

今日は敬老の日。月曜だけど試合はある。

カープの先発は中5日の床田ではなく玉村。ヤクルト青柳。阪神はネルソン。巨人は田中将大。

なんか秋だなあ…

 

秋山の形相

ミスだらけの試合でしたが、最大の凡ミスはライト秋山の落球でした。

カープで一番ミスをしない選手が秋山翔吾と菊池涼介です。その秋山がポロリしたんだから、他の誰にも捕れないよ。大盛でもポロってるよ。

だからカープファンはグダグダ言わない。お前らの100万倍秋山の方がわかっている。悔しい。

 

次の打席の秋山の 形相 で俺は理解した。

あんなに怒っている秋山翔吾を俺は初めて見た。

北別府の200勝を消した前田智徳(当時21歳)でも、打席であんな表情はしていなかった。スイングは怒り狂っていたけどね。1992年9月13日の話です。

 

2025年9月14日の秋山も怒っていた。37歳の秋山のスイングは非常に冷静でしたが、顔がもう怒りに怒って怒り狂っていた。

私は大魔神以外であんなに怒っている顔を見たことがない。大魔神というのは佐々木主浩のことではなく、映画の大魔神のほうである。1966年。

 

私は「この回5点入る」と思ったね。4点しか取れなかったけどね。

秋山の形相を見て、

「いつもこの気持ちで野球しないと、優勝できないんだなあ」

と思いました。

秋山の顔に「絶対取り返す!」って気持ちがメラメラ出てて、キクもそれをわかってた。

若い佐々木は秋山とキクの気持ちに引っ張られた。代打野間は冷静だった。

 

2点返して1番奨成。

ホラね。秋山の形相を見た時、こうなる と思ったよ。

久しぶりに

「悔しい」

「絶対勝つ」

と思っている選手の顔を見た。

いい顔だった。

秋山だってミスをする。人間だもの。

 

アドゥワの表情

アドゥワ誠。6回5失点。自責点は2。

5回まではアドゥワらしくポーカーフェイス。

コースはアバウトながら、ゾーンに投げるアドゥワスタイル。5回0失点。

 

ヤクルト先発のアビラはなかなかカワいいが、投げてるタマは高い。いつでも打てそう。

だが打てない。ファビアン・モンテロ・菊池涼介がいつものようにフライをパカパカ打ち上げる。

 

5回裏0対0、やっと試合が動く。

6番秋山のヒットで無死1塁。打者は7番菊池。

私は「送りバントだ、セーフティ気味の」と読みました。

だが新井の出したサインはヒットエンドラン。ファールでしたが、いい作戦でした。

 

私の作戦は「とにかく2死2塁で1番奨成に回したい」でした。

「〇〇に回したい」

こんな気持ちになったのは鈴木誠也以来です。

 

結果はキクが思い切り引っ張ってレフト線のツーベース。私の考えと正反対の作戦でカープ先制。無死2塁。

8番佐々木泰はセカンドゴロ。べつに進塁打を打ちに行ったわけではなく、タイムリーを狙って二ゴロ。1死3塁。

アドゥワは粘って空振り三振。1番奨成タイムリー。5回裏終了2対0。

 

6回表2対0。ここでアドゥワの表情が変わりました。

鬼の形相ではありませんが

「点を取ってもらった次のイニングは、絶対ゼロに抑えなきゃ」

という邪念の入った表情でした。

 

まあ邪念ではなくセオリーなんですが、アドゥワは力んだように見えました。

5点取られたから言ってるんじゃなくて、私はいつも水平な目で野球を見てます。若い子の考えてることなんて、手に取るようにわかるんですよ。

なんでわかるのかというと、誰もが通る道だから です。

ミスしない人間はいないんですよ。人間だもの。

 

人はミスして成長する。

アドゥワはけっこう ベテラン です。来年はプロ10年目。

5回までは無心で欲をかかずに投げてました。

だが2点取ってもらって、

「よし。この試合も勝って、CS行くぞ!」

と欲が出た。

 

欲というか、やる気というか、色気 みたいなものが出た。

人間だもんねえ。5点取られる前に私は感じた。

なんで8番9番にあんなに力むのかと気になった。

アドゥワは2死無走者から1番太田に四球を与えた。2死1塁。ここから5失点である。半分は秋山のエラーのせいなんだけどさ。

 

矢崎拓也の表情

アドゥワが5失点して2対5。岡本駿も打たれて2対7。

秋山翔吾の形相でカープが奮起。4対7まで追い上げて、打順は1番中村奨成。

 

マウンドには背番号41番の矢崎拓也。

矢崎の表情は普段通りの顔だった。

矢崎は9番の代打野間に2点タイムリーを打たれたばかり。

2対7が4対7となり、マツダスタジアムは盛り上がる。打順は1番。

 

矢先の考えてることなど、私には手に取るようにわかる。矢崎も来年プロ10年目。

矢崎はこう考えていた。

「野間さんにタイムリーを打たれたけど、俺の走者じゃないもんね。俺は自分のタマを投げることだけに専念するぞ」

 

矢崎はドラ1でカープ入団。3位が床田。今でも親友。

2位が高橋昂也でした。9年前、私はきたへふさんのブログに「昂也が1位で加藤(矢崎)が2位と思えば100点満点のドラフトだ」と書き込みました。

4位が坂倉、5位アドゥワ。6位は150キロの長井良太。

この年のドラフトは大当たりでした。床田が3位でアドゥワが5位で獲れるなんて思ってなかった。坂倉のことは全く知らなかった。

 

31歳になった矢崎拓也は中村奨成にもタイムリーを打たれ6対7。無死2塁で次打者ファビアン、次次打者小園。

こんな大ピンチでも矢崎拓也の表情は変わらない。

苗字は変わっても矢崎の顔色は変わらない。矢崎もタマも変わらない。

矢崎拓也の顔はたくさんのミスを経験して到達した大人の顔だった。

 

矢崎はファビアンを打ち取り、小園海斗も打ち取った。

野間と奨成には打たれましたが、矢崎はファビアンと小園にストライクを投げました。

カッコ良かったよ、矢崎は。ディス・イズ・プロ野球。ワッショイワッショイ。

 

本日のゲームプラン

玉村 vs 青柳。

青柳は阪神で開幕投手を務めたあの青柳。九里と最多勝を分け合った青柳。

昨年の成績は阪神で2勝3敗。メジャーを半年で諦めて日本に帰ってきた青柳。

 

村上宗隆は青柳晃洋とどんな話をしているのかね?

村上はことあるごとに

「ボクがNPBでプレーするのは今年が最後」

とアホなことを言ってるが、青柳は半年で帰ってきた。前田健太も来年帰ってくる。

 

アホの村上は迂闊なことを言わない方がいい。

いつNPBに戻るかわからないからだ。

 

今日はデーゲーム。

新井はなんで昨日のナイターで森浦を出したのか?

森浦が2連投すれば「中16時間」しかありません。

 

新井は6連敗してから3連勝。

6点差になってから代打野間。

やることがいつも遅いんだ。

ショート矢野で遊んでる間に阪神の貯金が20になった。

ショート小園になってからチームは安定しました。

 

昨日7点取られた時の新井の表情は呆けていた。

プロ野球の監督は試合前にたくさんの仕事をしている。試合が始まれば選手とコーチに任せる監督も大勢いる。

新井がそのスタイルならそれも構わない。

 

だが新井のスタイルはそうではない。新井は選手と一緒に喜怒哀楽を最前面に出す監督のはずだ。

だから新井よ、打った時だけ喜ぶのではなく、負けてる時に選手を鼓舞しろ。それが今日のゲームプランだ。

 

青柳だから今日も秋山、キャッチャー坂倉。

坂倉のリードは今日も最高だが、打撃はかなりスカタンだ。もう8番でいいよ。坂倉は守りに専念してもらおう。