巨人は今年「FA選手を1人も獲らない」と思います

先日、巨人が第2次戦力外通告として大量11人の選手を自由契約にすると発表しました。

11人の中には4年8億円の梶谷隆幸や、年俸9,600万円の中川皓太らがいて、ちょっぴり話題になりました。

11人の選手はクビになるのではなく「育成選手」として再契約する見込み。

ネットのお若い方々が「巨人はズルい、汚い」と騒いでおられますが、こんなのは昨日今日に始まったことではありません。

私が知る限り100年前から巨人軍に脈々と受け継がれる真っ黒い伝統です。ルールは破るためにある。今さらギャースカ言ったって仕方ないのです。

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育成プロテクト

ネットの若い人たちが巨人を罵っている理由は「巨人が今年も育成プロテクトをするつもりだろう」と思っているから。

※育成プロテクトの説明はこちら。上原浩治式プロテクトはこちら

  

「巨人は今年のオフもFA選手を乱獲する。だから人的補償選手選手をできるだけ大勢プロテクトしたい」

確かにこれまでの巨人は大勢の選手を乱獲してきましたが、近年の成功事例は私が育てた丸佳浩1人だけ。

原辰徳(64)は何でも欲しがる無能な男ですが、球団社長は「発掘と育成」を掲げる今村司(62)。

 

今年新たに国内FA権を取得した選手には「大物」が多く、確かに1ヶ月ほど前までは「巨人は誰を狙うんだろう・・・」という雰囲気でした。

だが日本シリーズが始まると次々と大物達が残留を宣言し始めました。

広島野間、広島西川、西武外崎、阪神岩崎、中日松葉。

公式に表明はしていませんが阪神西も水面下で残留を決めていると言います。

残る大物は西武・森友哉、ハム・近藤健介、阪神・岩貞祐太、楽天・辛島航の4人。

しかも岩貞と辛島はたぶん人的補償の要らないCランクでしょう。←未確認 

森友哉はピンズドの補強になるので森は巨人のターゲットになり得る。だが外野手の近藤健介は要らないんじゃないかな。

 

だから巨人は必死こいて育成プロテクトをする必要が無いのですよ。

梶谷の自由契約は育成プロテクトではありません。実力通りの結果に過ぎないのです。

私は2年前、梶谷は3年間遊んで暮らすと高らかに宣言しました。あと1年しっかり遊ぶでしょう。

3ヶ月前にはカープが東京ドームで3試合連続満塁ホームランを打つとも宣言しています。私には未来が見えるのです。

  

育成契約と三軍制

さて三軍制を敷くチームであっても「育成選手=3軍選手」ではありません。育成選手の大半は2軍選手です。「3軍選手は育成選手」であることが多いですけどね。

巨人が今回育成に「落とした」選手はおそらく全員2軍選手になるでしょう。梶谷はリハビリ、戸田は2軍で競争。

巨人が大量に育成に落とした目的はプロテクトではありません。70人枠を空けるためです。

言わば「いったん1軍登録を抹消する」ようなもの。巨人はオフに毎年10人ほどの支配下選手を育成に落としています。1軍選手を2軍に落とす感覚です。

巨人の育成契約の使い方は「支配下70人枠を自分とこだけ100人に拡大しますよ」というニュアンス。

ケガが治ったり、2軍で結果を残せばまた1軍に昇格させますよのスタンス。

私は70人枠拡大が金満球団に有利なシステムなのでズルいと感じていますが、NPBは育成選手の人数制限には全く関心がありません。

ただし育成プロテクトについては、ついにNPB選手会が大激怒したようです。情報ソースはゲンダイですけども。笑

近いうちに育成選手も人的補償の対象になるかもしれないですね。とってもカンタンなことですからね。 

 

カープの育成選手

3軍制は2軍の試合に出られない若手選手に実践の場を提供することが目的。

3軍制のチームは1軍が30人、2軍が40人、3軍が30人くらい。

3軍の選手はイースタン・ウエスタンのリーグ戦に参加せず、社会人や独立リーグと試合をします。年間80試合以上だそうです。

ソフトバンクの3軍は来月韓国に遠征してKBOと試合するらしい。カープの1軍よりリッチです。笑

さらにソフトバンクは「来季から4軍も始める」と発表しました。ニッカン

 

私は今の巨人が目指しているのもソフトバンク式だと思うんですよね。

FA補強もするかもしれませんが、以前のような乱獲はもうやらないと思います。

普通なら梶谷と井納で懲りるからです。

 

あと個人的な感想ですが、ソフトバンクはリチャードとか周東とか「一芸に秀でたやんちゃなタイプ」を育成ドラフトで指名しますよね。あれはちょっと羨ましいです。支配下ドラフトではなかなか冒険できませんからね。

ソフトバンク4軍制もそういう「技術は未熟だが身体能力や特殊能力を持った選手」を集めるのではないでしょうか。

カープにも坂田怜というナックルボーラーを育成で獲りましたが、これも「一芸枠」でしょう。大盛穂も一芸枠だったかもしれませんが、もう少しでレギュラー狙えるとこまで来ました。

 

カープは今年、育成ドラフトで俊足強打の大学生2人と、しなやかな高校生左腕の3人を指名しました。3人ともバランスのよいタイプの選手です。

ただ育成選手制度が始まって20年、カープ育成選手の出世頭は大盛なんですよね。いくら人数が少ないと言ってもちょっと寂しい。

来季3年目の二俣翔一が一軍デビューする日は近いでしょうけど、まだカープの育成選手で規定に到達した選手は1人もいません。