島内颯太郎の変身と代走で得点する話

2023.6.3(土) 

広島 4-2 ソフトバンク マツダ 

4対1の9回表、無死満塁のピンチに島内登場。

1979年の江夏豊よろしく19球でこのピンチを切り抜け、ソフトバンクの顔である近藤健介と柳田悠岐を全球ストレートで退ける炎のストッパーぶりを見せました。

だけど島内の19球は実は空振りが一つもないんですよ。シュート回転しないキレイなストレートも打者に当てられてます。実はオープン戦からずっとこうです。

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島内のストレートとバルカンチェンジ

島内の155kmがなぜか今年は空振り取れないんですよ。

オープン戦の時は「ストレート一本狙いだから当てられてるんだろ」と思ってましたが、シーズンが始まると島内のチェンジアップがストライクゾーンに決まるようになりました。

島内のチェンジアップは中指と薬指の間にボールを挟むシンカー系の握り。

チェンジアップの話も以前しましたが「チェンジアップとはこういう握り」というルールはなく、要するに遅い球で落ちる球なら何でもチェンジアップ。アメリカ人には「家庭の数だけチェンジアップの握りがある」ということわざもあるくらいです。

アメリカでは島内の握りを「バルカンチェンジ」と呼ぶそうです。1979年のドラマ「スタートレック」に登場するミスター・スポックがバルカン星人だからです。ミスター・スポックは地球人に対して中指と薬指を広げて挨拶するのだそうです。最近知りました。

私はスタートレックとサンダーバードはあまり詳しくありません。「奥様は魔女」は得意です。

 

とにかく島内は満塁のピンチでギータと近藤にチェンジアップを1球も投げませんでした。全球ストレート。炎のストッパー。

島内をリードしたのはアツでした。深い考えがあったのか、単に島内のチェンジアップを信用できないのかは私にはわかりませんでした。

今年の島内のストレートはとにかく空振りが取れないんですよ。押し込めてはいますけどね。

元々島内のストレートはシュート回転しやすいのですが、縦スピンのストレートが行った時はおもしろいように空振りを取れていました。

それが今年はストレートで空振りが取れないのです。だいたいファールかポップフライ。球威があるので打者を押し込めてはいますが、空振りにはなりません。チェンジアップはビシバシ空振りが取れています。

 

私は島内のこういう傾向を3月からずっと見てきたので、一発のない近藤はともかくギータの打席ではチェンジアップを交えるだろうと思ってました。

アツが見事にウラをかいたとも考えられるし、ギータが島内のまっすぐに差されていたのでまっすぐで押し通した可能性も高いです。

 

現在の島内颯太郎を江夏の21球や津田恒美に例えるのは大いにけっこう。

だが皆さんに知っておいてもらいたいのは今年の島内がストレートで空振りを取れてないこと。

チェンジアップが好調なのに、ストレートで空振りが取れないのです。昨日だけじゃなく3月からずっとです。バットに当てられると私は何か気持ち悪いのです。

 

島内がチェンジアップの精度を高めたらストレートの回転数が落ちたとか、回転軸がシュート回転になったとか。そういう可能性もあります。

あるいは島内が球数を減らすために、ストレートの質を変えた説も考えられます。空振りされると1アウト取るのに3球かかるからね。

真相は藪の中。芥川龍之介です。

 

代走で得点した話

攻撃では6番の林晃汰がドタドタしながら3打数2安打。

6回裏。2塁打の林に代走・田中広輔が出て7番アツが送りバント。投手石川は走者が林のままだと勘違いしたのか3塁へ送球。余裕のセーフ。田中のスタートが良かった。

無死13塁となり8番曽根は見逃し三振。私は打つと思いましたがね。

1死13塁となり9番森下は送りバントの構え。カープは送りバントで2死23塁を作りたい。いいバントなら田中も本塁を伺うというプレー。

んで森下は最高のバントを決め、田中がまた好走塁を見せてホームイン。中押しの2点目が入りました。

 

7回裏には1死2塁で4番マクブルーム。

左サイドの嘉弥真は敬遠気味にマクブルームを歩かせ1死12塁。

ここで5番に戻った西川龍馬がこの日2本目のタイムリー。3対0。お祭り騒ぎのマツダスタジアム。

注目すべきはマクブルームの代走で出ていた1塁走者の韮澤雄也が3塁を陥れていたこと。ヒットエンドランではありません。

1死12塁なのでギータは定位置より前目の守備位置でした。龍馬の打球も強い打球でした。

それを躊躇無く回した小窪哲也。柳田の肩が全盛期でないこともわかっていたし、もしかすると私が命名した「援護の走塁」的な狙いもあったでしょう。もしギータが3塁へ投げていればホームは楽々セーフです。

韮澤は後ろを振り向くヒマなどないので、小窪コーチだけを見て全力疾走しました。小窪が一瞬でも迷えば韮澤はトップスピードに乗ることができません。サードコーチャーのファインプレーでもありました。

 

カープは最近、代走の切り札として羽月隆太郎を手に入れたばかりですが、代走田中と代走韮澤も非常に良い走りを見せました。

まだ他に曽根もいますし、二軍には大盛もいる。野間も帰ってくる。2番スタメン矢野もよく走りました。

非常に良い野球でしたね。

 

本日のゲームプラン

相手はソフトバンクの藤井皓哉。

最近藤井が流行っています。名人とか七冠とか。

藤井皓哉も強敵です。足を使わないと攻略できませんよ。

 

カープの先発はアンダーソン。最近は坂倉との呼吸も合いだしてきました。

2番矢野は若干心配ですがまあ良いでしょう。私なら田中広輔が2番か1番で矢野は8番ですけどね。

西川龍馬は5番に戻って2本のタイムリー。龍馬はやっぱ返す人ですよ。

 

ターリー、矢崎、島内は昨日20球近く投げてますが、今日も連投お願いします。2連投だからです。

今日ソフトバンクに勝てば何年ぶりかのカード勝ち越し。何年ぶりか私は知りません。そんなの関係ないから。ハッハッハ