小園海斗が一軍に上がれない理由は「アウトの質」

2023.6.29(木) 

広島 5-3 DeNA マツダ

カープ5連勝。最近あちこちの解説者が坂倉のリードを褒めてくれますが、昨日のヒーローは野村祐輔ですよ。

ヒーローインタビューも坂倉でした。エスコバーから打ったタイムリーヒットの話ばかりでしたが、私の評価は坂倉は「打てる捕手」ではありません。坂倉は「勝てる捕手」で「守れる捕手」です。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

 

アウトの質

今日もひねくれたことを書きます。

2年前、素人の皆さんが坂倉の打率の話ばかりしていた頃、私とkazuhayaさんだけが「坂倉の本当のスゴさはリードにある」と言い続けていました。

坂倉の打撃力はBランクかCランクだと思っています。キレイなヒットを打つ力はそこそこあるが、パワー不足なところと「アウトの質」がまだまだ良くない。

 

パワー不足というのは、せっかくキレイなライナーを打ったのにそれをライトやセンターに捕られることが多いから。

坂倉ってセンターライナーとライトライナーが多いんですよ。それが外野手の頭を越えるようになればAランクかBランク。

 

あと坂倉の打撃はまだまだ「正直」です。

ハッキリ言えばアウトの質が良くない。

坂倉はアウトの打球もヒット性なんですよ。

言ってる意味わかりますかね? ハイレベルですよ。 

 

北別府学に言わせると、こういう打者には「いつもより少し甘めに投げて、打球速度の速いゴロを打ってもらう」そうです。理由はゲッツーを取りやすいから。

素人の皆さんは野球の試合中に紙切れやノートを読みますよね。対右投手への打率、打球方向の割合、高めの打率、低めの打率。

私たち玄人はバッターの反応やスイング軌道を見ています。私と達川光男は「ははーん、こいつはこういうことを考えてるな」ということが手に取るようにわかります。

そこに北別府学や野村祐輔のような制球力を持った投手が加われば、若いバッターなんてセカンドゴロでもショートゴロでも思いのままに討ち取れるわけです。もちろん100%ではありませんがね。素人はすぐYESかNOの話をしたがります。世の中に100%は無いっての。

 

昨日の坂倉のタイムリーヒットは実は戸柱とエスコバーの狙い通りにゴロを打たされたものなのです。気付いてましたか?

その場面は7回裏。2対2同点。1死13塁でした。

ここで戸柱は坂倉をゲッツーに取りたい。当然ですね。

スライダーを投げるとボテボテのゴロになり1点取られてしまいます。だから戸柱は内角低めにツーシームを要求しました。坂倉にセカンドゴロを打ってもらいたいから。

 

実は坂倉の前の4番西川龍馬にも戸柱は1死1塁でエスコバーに内角ツーシームを投げさせています。

昨日のエスコバーには細かい制球力がなかったので、西川龍馬もストレート系に合わせるタイミングで待ち構えていました。タイミングの合わせ方も100%か0%かではありません。龍馬のタイミングはストレート80%、スライダー20%でした。

ここで龍馬は内角ツーシームをしっかり12塁間に転がします。ハッキリ言って龍馬の思い描いた打球を100%再現できたヒットでした。1死13塁。

この試合、何度も得点圏で龍馬に打席が回ってきており1打席目はタイムリーヒット。2打席目はセカンドゴロに倒れました。

特に2打席目の2死12塁では確実にヒットを狙うか、一発長打を打ちに行くか一瞬迷ったような感じで「強い当たりのセカンドゴロ」に倒れました。これも非常に「バッターあるある」でド真ん中の失投を力んで打ち損じたのです。

その瞬間の私の感想がこちら。

 

確実にゴロ打つならゴロを打つ。一発狙うならしっかり狙う。一瞬龍馬は悩んじゃいました。

龍馬は雑誌のインタビュー

「僕はある程度どの打順でも打てる」

と豪語していましたが、まだまだ西田真二には及びません。私に言わせればまだ「仮の四番」です。 

ま、だから龍馬は反省して7回裏にはしっかり12塁間にゴロを打ちました。こちらはさすがの打撃で龍馬のイメージ100%の打球でした。

 

続く坂倉も龍馬と同じような打球を打ちたかったんですよ。

紙切れを見てる人はご存じありませんが、実は7回裏の秋山と龍馬はライナーのヒットを打とうと思って打席に入っていません。

「ゴロを転がそう」と考えて打席に入っています。コレは100%実話です。野球人なら見れば誰でもわかります。データ野郎だけが知らない話。プレーを見ないで紙を見てるからです。

 

ゴロと言っても転がれば何でも良いわけではありません。

ボールの上を強く叩いて打球を弾ませないといけません。

7回裏の秋山は三遊間を、7回裏の龍馬は12塁間を狙ってゴロを打ちました。

秋山のはサード正面で龍馬のはライトへ抜けました。私の評価ではこの2つのゴロには完全に同等の価値があります。

 

続く坂倉は差し込まれ気味の低いゴロ。ただしバットとボールの芯に当たったので打球速度は速かったです。

坂倉のタイムリーヒットは結果オーライの打球なので、私の評価では秋山のサードゴロより価値が低くなるのです。

数字は秋山が1打数0安打で、坂倉は1打数1安打1打点。左投手から打ったのでアホの紙切れ野郎は次も左投手に坂倉を当てます。でも私は秋山のほうを試合に出したくなるのです。

わかるかな?わかんねえだろうな。笑

 

小園海斗が一軍に呼ばれない理由

秋山と西川龍馬がカープ打線で最もアウトの質が良いです。

続くのが野間とタナキク。その下が上本崇司。次がようやく坂倉です。だから坂倉の打撃の評価はB~Cランク。キレイなヒットは打てるんですがアウトの質が良くない。走者ありのケースで「意味のあるアウト」を稼げるのが野間と上本なんですよ。

昨日はNHKでもカープ戦を中継していて、私もそっちを見てたんですが、NHKのアナウンサーがやたら解説の藤川球児に細かなことを質問して「攻撃的な実況」をしていました。

例えば「DeNAの石井琢朗が行く先々のチームを優勝させている、アウトの意味を知っている」など。やたら藤川を攻めてました。笑

 

私は「この人も野球が好きなんだなあ」と思いましたが、同時に「全国放送でする話じゃないだろw」とも思いました。

素人に「アウトの意味」は難しいです。

 

小園、林、末包が二軍で3割打ってる時、一軍ではマクブルームとデビッドソンが不調でした。

数字だけを見た素人の皆さんが「小園を上げろ」「林を上げろ」と騒ぎましたが、新井はなかなか呼びませんでした。

その理由は彼らがまだクリーンヒットを打つことしかできないからです。

彼らは「アウトの質が良くない」んです。無意味なアウトで走者が進まないアウト。わかりやすく言えば三振とポップフライが多いってこと。

 

同じ三振でも種類がいろいろあって、空振り空振り空振りの三振はワンアウトですが、野球人の評価では1打席で3回アウトになっているようなモノなのです。何を言ってるかわかります?

1打席で3回も空振りするヤツに3打席与えると3三振する可能性があるってことです。

ファールで10球粘って三振したヤツとアウトの意味が全く異なります。

だが記録には「K」としか残りません。スコアブックには投げさせた球数が残りますが、NPB公式記録には投げさせた球数は残りません。

野間の三振は価値が高く、林や末包の三振は価値が低いのです。3回空振りしているからです。だから一軍に呼ばれません。

 

小園海斗が一軍に呼ばれない理由も「価値の低いアウト」が多いからです。確かにヒットもたくさん打ってるんですが、走者なしで初球を単打するバッターは坂倉のような捕手にかかれば「赤子の手」なのです。ひねるのは簡単です。

小園のアウトは林よりだいぶ質が高いですが、それでももっと粘り強くファールできないと一軍には呼ばれないでしょう。

  

本日のゲームプラン

また朝から熱く語っちゃった。てへ。

5連勝の余韻はあまりありません。静かに丁寧に連勝しているのであまり興奮しないんです。

でも感心はしてます。ホントに昔の広島野球を見るようで新井にとても感心しています。

 

さて今日から神宮でヤクルトと3連戦。

予想先発はサイスニード→小川→高橋圭二。天気予報も曇り→曇り→曇り。全部大丈夫っぽいです。

カープ先発は九里→大瀬良→森翔平。

 

カープの先発マスクは本当に相手投手の右左に左右されますねえ。笑 昨日の試合もイソではなく坂倉でした。

だからこの3連戦も坂倉→坂倉→アツとなる可能性が高そう。

この情報は他球団も持ってるのかな? とても斬新なので気付いていなさそう。笑

 

ゲームプランと言ってもヤクルトの調子を全く知らないので今日の試合を見て判断します。

たぶん今日も5回終わって2対1とか1対0とかの試合になると思うので、龍馬や秋山、キクと坂倉の「アウトのなり方」にご注目ください。

キクはポップフライも多いですけど、逆にそこがおもしろい。昨日も9番ノムスケがアウトになった次の初球をポップフライしました。

NHKのアナウンサーは「通常では考えられないアウトです」と言ってましたが、そこがキクのおもしろさ。みんなが「やらないだろう」と思うことをやるのがキクなのです。