大瀬良大地がなぜエースなのか解説します

2020.3.13(金) 福岡ドーム

ソフトバンク 10-5 広島

野球が見られる暮らしって最高ですね。

東北震災の2011年や、巨人のオーナーがまだ元気だった2004年は

「プロ野球がなくなる!」

って心配でした。


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野球がある幸せ

2004年は平成巨人の全盛期でプロ野球大震災。

1リーグ構想からのライブドア騒動、結末は大学生裏金問題からのナベツネ辞任。

阿部慎之助も上原浩治も高橋由伸も二岡智宏もみんな裏金まみれで巨人に入団したんですよ。令和の皆さん、よーーーく覚えておいて下さい。ディスイズ巨人軍。試験に出ますよ。

1995年の阪神大震災の時はどうだったっけ?

もう忘れましたよ。1995年の私は新入社員だったので前田智徳アキレス腱断裂の日まで野球を見る余裕はありませんでした。しみじみ

 

今、野球が見られる幸せ。

 

感じますねぇ・・・

 

あはーーーん♡て感じ。

 

昨日のソフトバンク戦は特におもしろい試合でしたし、興味深い場面が多かったです。

最初に試合の細かいところを振り返って、後半はプロ野球のエース論です。

 

ソフトバンク投手陣

今日も試合の細かいところを振り返ります。

まずソフトバンクの投手陣。

先発・東浜巨。5失点でしたが内容はそこそこ。球威もありました。立ち上がりだけボールが上ずったが2回以降立ち直りました。さすが開幕投手です。

 

中継ぎの左3枚。全員スゴかった。ソフトバンクの強さってこういうとこですね。

古谷優人。左で160km投げる人。球威スゴかったです。まだ21歳。エグい。

川原弘之。彼、右手の人差し指をグラブの中指のところに入れてます超カワイイ♡

草野球で今、流行ってんですよ。人差し指をグラブの中指のとこに入れるやつ。んで中指が薬指。薬指と小指を2本まとめて小指に入れる。プロでもやってる選手がいるんだあ。初めて見ました。なんかウレシイ。

 

嘉弥真新也(30歳)。さすがの投球。昨日のベストピッチャーでした。西川龍馬をコケにした投球は圧巻でした。

私はワンポイント禁止ルールの禁止を訴えています。ワンポイント投手は日本野球の美しい文化、絶滅危惧種。美しい。

嘉弥真新也を侍JAPANに呼ぶべきです。東京五輪があるのなら。

 

9回に投げたドラフト3位の新人。津森宥紀(つもりゆうき)

宥の字がウゼぇ。

「有紀」じゃなくて「宥紀」。漢字変換できないんですよ。ソフトバンクファンの方なら共感していただけ・・・ないか。笑

ドラフト前は津森君もドラ1候補でした。ソフトバンクが3位で獲得。うまいことやりました。

ソフトバンクの直前に巨人が3位で指名することもできたんですよね。危ないとこでした。笑

「プロの津森君」を見たのは昨日で2回目でした。鈴木誠也に真っ向勝負かと思いきやまさかのスライダー2連投。私もコケましたが、誠也もコケました。笑

津森君はワザと手の内を隠したのでしょう。誠也にスライダーとかそんなセコい投手ではありません。豪腕です。コントロールはアバウトですが男気ある投手です。

この2球連続スライダーは公式戦への伏線になりました。対戦を楽しみに待ちましょう。

 

ピレラの走塁

ホセ=ピレラの走塁が素晴らしい。7回表の2つの走塁です。

1つ目。

レフトフェンス直撃の当たりを打って一塁で止まりましたが、これがたいへん素晴らしい走塁でした。

レフトを守っていたのは捕手の栗原。クッション処理からの二塁送球がすごく速かった。

ピレラの足なら行きたくなる打球でしたが無理せずバック。1塁セーフ。

ピレラは2塁進塁を早めに諦めたわけではありません。レフト栗原の二塁送球が「もしかして逸れるかも」ってギリギリまで帰塁をガマンしてから1塁へ全力疾走でバックしました。

非常に丁寧なプレーで感動しました。こういうのも立派な全力疾走です。たいへん素晴らしい。まだアメリカにこんな選手がいたんだなあ。

 

次打者は7番アツ。四球でつなぎ無死12塁。点差は5対4、カープ1点リード。

打席は8番田中広輔。打ってもいいんですが今日はオープン戦。送りバントの練習です。

ピレラの2つ目の好走塁はこの場面。

カウント1-0から田中広輔が外角ストレートを送りバント空振り。

飛び出した2塁走者ピレラは慌ててバックするも捕手高谷の2塁送球で悠々アウト。1死1塁となりました。

コレ解説の若菜も「空振りした田中が悪い」と言いましたが全くその通り。正解です。

ピレラは見逃しストライクならバックできるところまでリードして、田中がバットを出したので3塁へスタートしました。んで広輔空振り。もう戻れません。

この時のピレラの「2塁走者としての走塁」はパーフェクトでした。無死2塁ならタッチプレーなので横着な走塁でも3塁セーフになるのですが、無死12塁の2塁走者はあれくらいリスクを背負って飛び出さないと敵のバントシフトに引っかかります。ピレラの走塁は100点で完璧です。

やっぱピレラの走塁センスはマグレじゃありません。ピレラの足で拾う試合も1つ2つありそうです。

 

ソフトバンク野手陣

サードに美間優槻がいる!と思ったら砂川リチャードでした。顔が似てます。

登録名はリチャード。すんげえ荒っぽい。

でも怖い。

いいバッターだなあ。まだ育成選手。巨人ならとっくに支配下登録されてクリーンアップを打ってますね。笑

 

中村晃vs大瀬良大地の16球。

11球ファールを打たれて16球目をタイムリーヒットされました。

やあねえ。

 

佐藤直樹。ドラ1。彼が報徳学園3年の時、小園が1年でした。

めちゃくちゃ足が速い。周東に近いものがあります。守備も上手いしヒットも1本。

 

中村晃も佐藤直樹もリチャードもそうでしたが、この3人は

真ん中の甘い球をファールした後、追い込まれてクサいコースを拾いました。

これ交流戦でも日本シリーズでも、カープは同じパターンを何度も喰らった記憶があります。

甲斐と牧原もこういう打撃をしてくるイメージがあります。

なんか新しい野球ですね。今日も明日もソフトバンク戦。もっとよく観察しよっと。

 

松田とかバレとか上林は普通の打撃です。甘いコースを打ちに来ます。

ソフトバンクの小兵タイプは「真ん中を前に打たず、アウトローを拾い打つ」感じがします。

昔からこういうヘンテコな打者は存在しましたが、ソフトバンクはチームとしてこのヘンテコ打ちに取り組んでいる疑いがあります。

 

大瀬良大地がなぜエースなのか

大瀬良がなぜカープのエースなのか。

私は長らくカープのエースはジョンソンだと言ってきました。

私が大瀬良をエースと認めたのは去年の5月の試合です。

実は大瀬良大地は

<1>豪速球

<2>キレキレ変化球

<3>抜群のコマンド

のどれも持っていません。

前田健太には<2>キレキレ変化球がありましたし、ジョンソンには<3>抜群のコマンドがありました。

今の大瀬良は<1>~<3>がオールB。良くてもAダッシュ。とにかく3つともチーム1位ではありません。

 

ではピッチングの総合力がナンバーワンかと言うと、ナンバーワンはナンバーワンだけど正直ジョンソンと大差ありません。どっこいどっこい。

んじゃなぜ大瀬良大地がカープのエースなのか?

 

言葉で言いにくいんですが、

 

あえて言うなら

 

大瀬良は試合の勝敗を操作できるから

ってことでしょうか。

 

百人一首で例えると

「勝つも負けるも大瀬良の関 蝉丸」

って感じ。←意味不明

 

実は黒田博樹もコマンド抜群のエースではありませんでした。

スタミナはAですけどコントロールはB。

佐々岡真司もスタミナA、コントロールB。

大野豊はスタミナB、コントロールAなんですが、私は大野豊をカープのエースだと思ったことは一度もありません。キリッ

抑えの切り札ではありましたけどね。

 

黒田はエース、佐々岡もエース。

大野豊はエースじゃなくて、大瀬良はエース。

北別府はカープ球団史のナンバーワンエースです。

 

なぜ大野はエースじゃないのか。

理由は大野さんがいつでもベストボールを投げるからです。下位打線にも四番打者にもベストボール。

コレはリリーフ投手の特性です。先発でそんなことやったら9回を投げられません。

精密機械の北別府さんは実はツーストライクまでは割とアバウトなストライクの取り方をしていました。カーブがど真ん中。んで早いカウントでは割とソロホームランたくさん打たれていました。笑

この頃のエースは「若造に変化球なんぞ投げるか!」って矜持に溢れていましたし、そもそも全球四隅をつくなんて人間の投手には無理な話です。疲れ果ててしまいます。

 

大瀬良がエースたる所以は、

・ストライク先行

・1点を惜しまない

・自分の防御率に無関心

てところでしょうか。

 

昨日、大瀬良は中村晃に16球目をタイムリーヒットされましたが、あの場面は5点勝ってて1塁も空いていました。次打者はバレンティン。

オープン戦だから大瀬良は中村と遊んだんだと思います。

公式戦の北別府&達川ならたぶん中村を敬遠してたんじゃないでしょうか。

「こんなところで消耗するくらいなら歩かせよう」

わかりませんけどね。

 

とにかく1試合を9回までで考える。目先のピンチで必死にならない。全力を出さない。

そしてエースは目の前の試合を「143分の1」と考えている。だから無理もしない。余力を残して抑えなきゃならない。さらにイニングも食ってゲームも作らないといけない。

自分の防御率を良くしたいなら全球コーナーを突けばいいんですよ。んで5回無失点で降板すればいい。防御率0.00。

ですがエースの目標はそこじゃないって話。

 

エースも自己犠牲の一環です。チームメイトも見ています。

ジョンソンと石原も9イニングと3連戦を考えて試合を作るエースですが、大瀬良と會澤はもうちょっと先まで見ているエースのような気がします。

なので僅かの差でカープのエースは大瀬良大地。

疲れててもチームを勝利に導く男ですよ。