坂本誠志郎のフレーミングを否定します

2023.10.28(土) 

オリックス 0-8 阪神 京セラD 

日曜日の日本シリーズ第2戦は1球も見てませんが、土曜日の第1戦は20球くらいテレビで見ました。

その中で頓宮が四球確信で歩き出し、球審が「ストライク!」と叫んだ1球がありました。

アホの阪神ファンがこの1球について

「さすが坂本、安定のフレーミング!」

と大賞賛しているので、今日はそれを真っ向から否定してやろうと思います。

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坂本誠志郎

坂本とはもちろん阪神の坂本誠志郎。プロ8年目。来月30歳。

一昨年まで梅野隆太郎の控え捕手でしたが、その名がプロ野球界にとどろいたのはダルビッシュ有の一言でした。

 

「阪神・坂本君のフレーミングはいいですよね。一緒にバッテリーを組みたい」(2020年1月24日デイリースポーツ)

 

矢野監督も坂本のリーダーシップを評価してキャプテンにしたりスタメンで起用したりすることが多かった。

岡田監督も梅野と坂本を併用してきましたが、エース格の10勝トリオをリードしたのは主に坂本誠志郎でした。

キャッチングだけでなくリードにも優れ、阪神優勝の立役者になりました。CSでもカープは坂本のリードにやられました。

 

いい捕手ですよ。履正社高校から明治大学。

履正社では山田哲人とチームメイト。明治では高山、糸原、中日柳らとチームメイト。

大学全日本で主将。ドラフト2位で阪神入団。強い野球を知っている捕手。

バッターの反応を見抜く洞察力もあるし、何よりチームを勝たせることができる。8月の10連勝と9月の10連勝はほとんど坂本の力だったと言ってよい。

 

だがそんな坂本でもボール球をストライクに変えることはできない。

日本シリーズ第1戦。頓宮vs村上の例の1球をもう一度見てみよう。

 

ジャッジのタイミング

私は草野球の球審を何百試合と務めたことがありますが、キャッチャーミットの位置でストライクorボールをジャッジしたことは一度もありません

ただ「キャッチャーの上半身の揺れや左肩の動かし方」に影響を受けた可能性は否定できません。

 

上の動画で坂本がやってる「キャッチャーミットのフレーミング」は審判を欺くためにやっているのではなくて、投手に気持ちよく投げてもらうためと、あとはお前たちみたいな素人を喜ばせるためにやっていること。

メジャーリーグで打率3割打った吉田正尚も、ことフレーミングに関してはお前たちと同レベルのど素人発言をしています。

吉田正尚の打撃は超一流。私はこのブログで現役最高打者(日本人)として鈴木誠也と吉田正尚を同列に挙げている。大谷翔平は吉田の1ランク下です。村上宗隆と岡本和真など3ランク下。

そんな吉田もフレーミングに関してはど素人でした。

 

梨田昌孝も坂本のキャッチングを賞賛しているらしい。

私も坂本のキャッチングは賞賛します。上手いですし、おそらくいい音も出ているでしょう。

私がここで否定するのは「坂本がボール球をストライクに変える力がある」という俗説です。

 

上の動画で村上が投げた球はきわどいボール球です。

そして球審は人間です。このことを忘れているど素人が最近は本当に多い。

上の1球はフルカウントから投じられた1球。どういう配球、どういう過程で3-2になったかもこの1球のジャッジに大いに影響します。坂本のフレーミングなどより遙かに大きく影響する。

 

私はどういういきさつで3-2になったかを見ていません。

だが頓宮の歩き出すタイミングを見ていると、

「今日はこのコース全部ボールなんだな」

と思います。

 

私が言う「このコース」とはベース板を通過する時の高さの話ではありません。

村上投手がリリースした時のストレートの軌道です。

ここで離したらストライク、ここで離したらボール。バッターはリリース直後にストライクorボールをジャッジするからです。

 

ところが球審のジャッジはもう少し遅い。理由は打たなくてよいから。球審はバッターよりもう少し後ろでストライクorボールをジャッジします。

私の場合は「ホームベースの前のライン上を通過するところ」でストライクorボールをジャッジします。プロの球審はもっと後ろかもしれません。

五角形のホームベースの「とがってない前の線」でジャッジするのが草野球。プロ野球はひょっとすると「とがっている後ろの線」でジャッジしている可能性があります。

だからプロ野球の球審がキャッチャーミットの位置に左右されている可能性も微粒子レベルで存在する。 

 

坂本のフレーミング

だけど私はあくまで坂本のフレーミングを否定する。

ここで上の動画をもう一度見てください。

 

まず「ホームベースの前の線」を通過する時、村上のストレート「微妙に低いボール球」であります。日によっては「ストライク」と呼べないこともありません。

ですが「坂本のミットにボールが収まった時」は素人の皆さんがごらんになっても完全にクソボールです。

 

坂本のミットの動きは球審に微塵も影響を与えていません。

坂本のフレーミングが球審に影響を及ぼしたとすれば、それは坂本のミットの動きではなく左肩の動きです。

これは球審にちょっぴり影響を及ぼしている可能性がある。あくまでも微粒子レベルですが。

 

坂本のユニフォームの左腕の阪神のマーク。あの虎のマークです。二の腕についてるやつ。

フレーミングの時の「捕手の二の腕からミットまでの動き」が球審のジャッジに影響を与えることは一切ないと私は常々発言しています。※参考記事

球審に影響を与えるフレーミング技術が存在するとすれば、それは「捕手の二の腕から上の動き」です。

 

坂本のフレーミングはミットだけでなく、上半身と左肩をストライクゾーンに見せています。これが非常にあざとい。

ハッキリ言って私は坂本のフレーミングが大キライです。あざといから。

吉田正尚と梨田昌孝は「上手い」と言いました。どこを見て上手いと言ってるのかは私にわかりません。ダルの真意もあれだけではまだわからない。

 

坂本のキャッチングは素晴らしいです。打者の反応を見てウラをかくリードも非常に上手い。悔しいがセリーグナンバーワンのリードを今年はしました。

だが「坂本誠志郎がボール球をストライクに変えている」という俗説は真っ向から否定します。

それは球審を侮辱することになるからです。

 

坂本本人はフレーミングをどう思っているのかな?

坂本は球審を欺いて喜んでいるのだろうか?

ボールをストライクに変えることを喜んでいるのか?

ええ、阪神ファン? どない思うんや?

 

頓宮が見逃したあの1球はクソボールです。

坂本はミットも左肩もあざとく動かしています。

ミットは無関係。左肩が関係した可能性はちょっぴりあります。

 

そしてここが私の一番言いたいことなのですが、

球審はこの1球をストライク判定したことを確実に

「もしかして間違えたかも・・・」

と反省しています。私だけが知っています。

 

その証拠と根拠は頓宮が三振した次の球です。

村上は次の球も同じ低さにストレートを投げました

坂本も同じように左肩とミットを動かしてフレーミングをしました。

だが球審はその1球を

「ボール!」

と力強くコールしました。

球審は人間です。

このことをわかってない幼き阪神ファンだけが「坂本スゲえ!」と騒いでいるのです。

梨田昌孝の真意は知らんが、吉田正尚は完全にフレーミングを勘違いしています。