同点の9回裏に栗林を出す意味がわかりません

2024.7.7(日) 

中日 2x-1 広島 ナゴド 

七夕といえば新井貴浩。あれは神宮球場でしたねえ。

同点の9回裏にクローザーを出す意味が私にはわかりません。

今日もちっちゃい話を解説していきます。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

 

9回裏の栗林と石原

今年の新井は開幕当初から同点の9回裏に栗林を出します。

昨日のサヨナラ負けの後、新井は「上位打線だから」と言いましたが、いつぞや7番か8番からの「同点の9回裏」にも栗林を出しました。

「同点の9回表にクローザー」を出すことはセオリーです。だが「同点の9回裏にクローザー」を出す監督は新井貴浩ただ一人です。

理由はいまだによくわかりませんが、栗林が9回裏を抑えて、カープが10回表に点を取って、10回裏に矢崎か黒原を出して「勝利投手栗林、セーブ矢崎」みたいな試合があったと思います。

  

キャッチャー石原。

昨日のリードには本当に感心しました。色々な面で成長しています。

 

6回裏1対1、2死無走者、投手玉村、打者細川。

ストレート、カーブ、カーブでカウント2−1。

投手戦の終盤戦。ここは最悪四球でOK。

「石原よ、ここでスーッとストレートを要求すると事故が起こるぞ。間違えるなよ」 

石原はちゃんと変化球で細川を泳がせました。

 

同じような場面が7回裏にもありました。

7回裏1対1、2死無走者、投手森浦、打者キノタク。

ここも同じような場面で一発厳禁、四球OK。

カーブ、チェンジアップ、チェンジアップでカウント2−1。

1年目の石原には「ストレートと変化球を交互に要求するクセ」があり、何度もそれで痛打を浴びてきました。

しかし今年はだいぶ解消され、今の石原はストレートも変化球も平気で3〜4球続けることがあります。

この場面でも若いキャッチャーなら「ストレートを投げたくなるカウントの進み方」でした。

んで「キャッチャーは外角低めに構える→投手のタマが抜けて中に入る→強い当たりを打たれる」のあるあるパターンが非常にあるある。

最近の石原はだいぶ一軍の打者の反応をわかってきました。この場面でもしっかりチェンジアップを要求してキノタクを泳がせていました。

だから昨日のリードに私は 90点 を与えたいと思います。

 

津田恒実と板山祐太郎

石原のリードで足りない10点はサヨナラヒットを打たれた場面での配球です。

9回裏1対1、1死満塁、投手栗林、打者板山。

フォーク、カットでカウント2−0。

四球でもサヨナラ負けですから、ストライクを投げないといけない。

解説の達川は

「カーブ、カーブを投げりゃいいと思います」

と発言しました。

だいぶ年を取ったのう、達川光男。

 

先発投手をリードして、5回6回の1死満塁なら達川の配球も悪くありません。

しかしもう後がない極限状態の9回裏の攻防ならば、ここは真っ直ぐとフォークのどちらかしか投げてはいけません。栗林の場合はですよ。

石原はストレートを要求しました。非常に正しい。板山は刺され気味の三塁側へのファール。カウント2−1。

私はもう1〜2球ストレートで押し込んでフォークで決める計算でした。

だが石原は勝負を急いだ。カープの内野陣は前進守備。左打者の板山がゲッツーを打つことはまずない。

カープは「2者連続三振でピンチを切り抜ける作戦」でした。石原もわかっていたとは思うんですが、カウント2−1でかなり高確率でスイングしてくる板山に対してフォークを要求しました。

石原はこのフォークで打ち取りたかったののかもしれない。あるいはワンバンを振らせてカウント2−2を作りたかったのかもしれない。

だがピッチャーの栗林はストライクを投げたがりました。だって満塁でカウント2−1なんだもの。

 

結果は弱いゴロが前進守備の間を抜けてサヨナラタイムリー。

負け惜しみを言うなら栗林の自責点が1点で済んで良かった。これが9回表だったらまだまだ失点するところでした。

栗林は打たせて取るピッチングもできますが、前進守備で打たせて取るピッチングはリスク高いんすよ。

これが走者12塁ならゲッツーシフトなので、石原の配球も正しい。実際、低めの変化球でゴロを打たせたんですからね。

 

しかし9回裏の前進守備の時は基本ストレートで押しまくるのが正解です。

前に飛ばされたら仕方ありません。なんでストレートで押しまくるかというと最後にフォークで三振を取りたいからです。

栗林の球威があればストレートで押しまくっても2ストライク取れると思います。

代打のバッターは特に「ストレート9割、変化球1割」で待ってると思いますが、そこにストレート投げ込むのが9回裏前進守備などの「極限状態」の正しい守り方です。

前進守備をしてるってことは「当ててフェアグラウンドに飛ばされると危険」なのです。

だからストレートでガンガン押すべし。打たれたら仕方ない。

津田恒実がいいお手本ですよ。あの時、津田をリードしてたキャッチャーは誰だったっけなあ・・・

 

中日の板山。

大瀬良からホームラン、栗林からサヨナラヒット。

素晴らしいです。確かな技術を持ってます。

私、阪神時代から板山は3割打てると思ってました。ほんとですよ。

昨日も1死満塁で代打で登場。私はイヤでしたね。石川昂弥の方がゲッツー取れましたので。

この板山君を2ヶ月くらいカープに貸してくれないかな?

カープなら板山は代打じゃなく毎日4番レフトでスタメンですよ。どうだ? ダメか?

 

中日の外野守備

7回表1対1、2死2塁、投手清水、打者石原。

ここで中日外野陣はレフトだけが前進守備で、あとの2人は定位置。

達川は

「中日の外野陣は深すぎる。センターのカリステには言葉が通用しないのか?」

とわめき散らしました。

アホか達川。んなワケないだろ。

 

同点の場面で外野がバックホーム体制を敷かない作戦にも実は一理あるのです。

この場面、2塁走者が俊足小園、打者が小ヂカラのある石原。

外野が前進守備を敷くと普通のライトフライがツーベースヒットになる可能性が生じます。中日はそれを嫌ったのでしょう。

 

中日の投手は清水達也でした。右打者の石原がセンターフライやライトフライを打つ確率は高い。

レフトは前進守備でした。中日の守りは「右打者に清水の150kmをレフトオーバーされたら仕方ない。だが普通のセンターフライとライトフライはアウトにするよ」という狙いでした。

中日がこの外野シフトを敷いた理由は「2死だから」という理由が大きい。前進守備を敷いたって右打者のライト前ヒットの打球で小園をホームでアウトにするのは難しい。

レフトなら打球速度が速いので小園を殺せるかもしれない。だからレフトのみ前進。

右打者がおっつけたセンター前やライト前ならツーアウトで自動スタートのセカンド走者を刺せない。だから前進守備は必要ない。

 

私は中日側のそういう意図を感じましたね。

この場面は2死2塁でした。1死2塁ならセンターもライトも前に来てたと思います。

 

中村奨成と小園海斗

中村奨成。2打数0安打。

ハイハイ。私の奨成がゴメンなさいね。

もうちょっと打てるはずなんですが、昔から奨成は中日松葉の遅い球で前に出されるんですよね。相性が悪いというか。

結果は2タコで内容も悪い。2打席ともボール球を振りましたし、7回には代打大盛を出される始末。

田中広輔や松山ならわかりますが、奨成に代打大盛ってちょっと評価低すぎないか?

「結果を残せていないから、そうなるんだよ!」

と言われればその通りなんですが、みんな奨成のスイングを見て何も感じないのかな? 奨成は500打席与えれば150安打できますよ。

 

小園海斗。3打数2安打。

2安打とも内容のあるハイレベルな打撃でした。

1本目は初球のカーブをライト線にツーベース。あれを打たれるとバッテリーは驚きます。

2本目は追い込まれてから高めストレートをレフト前。清水達也の高め150kmにバットを上から被せてライナーを打つ。

この2本は小園の大得意なバッティングです。3割5分打つ時のバッティング。

最近お疲れ気味でしたが、ここからちょっと盛り返すんじゃないか。楽しみです。

 

その他もろもろ

今週は5試合。

だからアドゥワが登録抹消され、ハーンが一軍復帰しました。

昨日の7回裏はハーンかなと思いきや森浦でした。なんと昨日のハーンはベンチ外。

ハーンはどういう位置付けなのかなあ。私は「7回か8回の男」だと思っていますけどね。

 

坂倉将吾は出番なし。

奨成に代打大盛を出した理由は坂倉がスカタンだから。坂倉が打って代走大盛を出せばいいだけの話でしょ。

奨成、坂倉、大盛の3人がいて新井は大盛に1打席与えました。大盛のことも大好きですが、中日は代打大盛が嬉しかったと思います。

 

常廣羽也斗が二軍で7失点。

6イニングで13安打されました。映像はまだ見ていませんが、「13安打される体力がある」ことは判明しました。OKです。

13安打されてるのに与四球は1。ここらへんも素晴らしいと思います。

 

ライデル=マルティネス。

達川が「調子が悪い、打てそう」と言いましたが、私は5月頃から「やっぱり打てない」と思い直しました。

コントロールがいいよ。走者を出せば少し乱れますけどね。

達川は250セーブあげて名球界入りを期待していましたが、私はライデルがFA権を獲得して日本人扱いになる日がコワいです。