侍ジャパンの寸評とサードゴロの打たせ方

2026.3.10(火)

日本 9-0 チェコ 東京D  

昨日はWBCを見たためカープの試合を見てません。今日は侍ジャパンの寸評をやります。カープの話はありません。

 

侍ジャパン寸評【野手】 

WBC一次予選を4勝0敗で終えた侍ジャパン。ベスト8進出です。

4試合全部しっかり見たので、侍全員の寸評をします。野手と投手と。

ここから先はマイアミでトーナメント。1個負けたらゲームオーバーです。

 

近藤健介。12タコ。

宮崎からずっとゴロが多いなと思ってましたが、最後の練習試合(京セラD)でいい2安打が出たのでもう大丈夫だろと思ってました。

予選4試合中3試合に出場して12タコ。アウト内容はやはりゴロアウトが多い。

私なら「1番近藤、2番大谷、3番誠也」でトーナメントを戦うが、井端が「1番大谷、2番誠也」で戦うなら、近藤はスタメンを外れる可能性がある。「3番近藤」はあまり打線の中で意味がないというか機能しないからです。

 

後述しますが1番大谷では大谷はかなり敬遠されやすいです。

「いや、アメリカやドミニカは力勝負で真っ向勝負してくる!」

って話を私は信じられません。確かにMLBでは大谷もジャッジも四球が100個前後で意外と少ない。しかしそれはリーグ戦の話だろ。セイバーメトリクスの多くはリーグ戦に向いてるんだよ。

1番大谷2番誠也なら、3番は現状吉田正尚が最も効果的だと思います。よって1番大谷を継続するなら、マイアミで近藤健介がスタメンを外れる可能性はあると思います。私なら1番近藤でトーナメントに挑みますがね。

 

誠也・大谷・吉田

好調ですね。大谷と吉田は平常運転。誠也は少しテンションが高くて心配な部分もある。

誠也はここまでかなり ホームラン狙いのバッティング をしている。韓国戦で打った1発目の右中間は私がよく知る誠也の打ち方で、2発目のレフトスタンドはあまり好きではない強引に巻き込んだ打ち方でした。

2本目はハイド打法でホームラン打者のホームランの打ち方で、1本目はジキル打法のヒットの延長のホームラン。ハイドはアウトになりやすく、ジキルはアウトになりにくい。ただしハイドはホームランが出る、ジキルは出ない。

 

誠也は去年からハイド打法を取り入れました。今までずっと「僕はホームラン打者じゃない」と言ってきましたが、去年から「もっとホームランを打ちたい。長距離打者になりたい」と言い始めました。

打者としての幅を広げるためにも良いことだと思いますが、打率はキャリア最低の.245に終わりました。

私が見る限り、誠也はマイアミで謙虚に行くんじゃないかな。性格的に大谷の後ろで一発狙いのハイド打法をするような男じゃないのですよ。

誠也はマイアミで「吉田に繋ぐ打撃をする」と予想します。ホームランはあまり出ないと思います。コンパクトなジキル打法がメインになると思います。

 

岡本・村上・佐藤・牧

5~7番を打ってきた4人は好調でも不調でもない感じです。

岡本も少し引っ張りが強い。相手がタマの速い投手に変わってどうなるかはわからない。岡本はセンター方向に打つべきだと思います。

村上は相変わらずスカタンです。あいつは試合が決まってから満塁ホームラン打って一人でエクスタシーを感じる男です。7番で気楽にやってもらいましょう。

 

佐藤は意外と国際試合に対応してますね。解説の誰かが「サードの守備は村上より上手い」とホメてましたがハッキリ言ってどんぐりです。

ま、ただの振り遅れに見えるレフトへのポテンヒットを私はとても 高評価 しております。非力な打者の振り遅れは全然怖くないのですが、40発打つヤツのレフトにポテンはコワいです。打率が残るからです。

近藤を外す場合に「5番ライト佐藤」はあり得ます。好みの問題ですが、1番大谷、2番誠也、3番吉田、4番岡本、5番佐藤、6番牧、7番村上ならジグザグ打線で繋がりも良いと思います。私の好みではありませんけど。

 

牧は普通。良くも悪くもない感じです。

初戦は緊張してましたが、セカンド守備も落ち着いてだいぶ安定してきました。私は牧を全試合セカンドスタメンで使います。岡本の状態次第で4番セカンド牧も全然アリです。私の好みです。

 

坂本・若月・中村

WBCの投手をリードするのはかなり楽でしょう。フォークボールのワンバンもほとんどありません。守備が破綻することはなさそうです。

彼らは打順9番に入ります。つまり1番大谷の時、彼らが「大谷の前の打者」になります。

私は大谷の前に出塁率の高い打者を置きたかった。だから1番に近藤や小園を置きたかった。

だが井端は大谷のリズムを優先して、大谷を1番で起用した。

 

9番に源田を置いて同じことです。マイアミで9番打者が送りバントしづらいことに変わりありません。1番大谷の試合では、9番打者の送りバントを作戦として使えません。

オーストラリア戦で3度、「2死1塁で9番若月」に打順が回りました。若月は3度のうち2度出塁して1番大谷に打順を回しました。しかし1点負けてる6回裏の2死1塁ではアウトになりました。

大谷の前が若月坂本ではハッキリ言って 荷が重い と思います。

 

井端は昨日のチェコ戦で2度も無死1塁で中村悠平と若月に送りバントのサインを出しています。このバントはチェコ戦に勝つためのバントではなく、マイアミで送りバントするための練習 でした。見りゃわかるんですよ。

だったら9番捕手と1番大谷の関係が矛盾してないか?と私は思うのです。大谷を敬遠させて誠也と吉田で勝負するって作戦ならわかるけどさ。

 

周東・牧原・源田。

めちゃくちゃ好調です。絶好調にも見える。

周東のホームランは相手投手がヘバってきたとこだったので打って当然と言えるでしょう。周東の前の小園にも長打のチャンスでしたが、小園にはストライクが一球も来ませんでした。周東のホームランは出ると思ってました。

周東は一昨年あたりから打撃が劇的に良くなりました。足と守備はNPBどころか世界トップなので、近藤を外して周東のスタメンもとても面白いと思います。ただ8番9番だと周東の足を活かせません。

  

牧原と源田はさすがのベテラン。

この人たちは前回優勝しています。この経験は大きいです。牧原は自分の役割をよく理解している。

源田も同じです。源田と周東の打撃スタイルではパワーピッチャーに苦戦すると思いますが、彼らの打撃はクリーンヒットするだけではないところがミソです。日本らしくセーフティーバントしたりファールで粘ったり色々できます。

源田は全試合にスタメンするでしょう。牧原はベンチにいないとチームが困ります。周東も切り札ですが、スタメンセンターで9イニング出しても面白いと思います。

 

小園・森下。

二人ともいい選手ですが、予選4試合では活躍できませんでした。森下6-1、小園3-1。

森下は外野なのでスタメンはキビシイ。小園も控え内野手なのでスタメンはキビシイ。

井端チルドレンで代表に呼んでもらえただけでありがたい。小園はたぶんマイアミでは延長戦まで出番がないでしょう。森下は左投手用の代打としてニーズがあります。

 

侍JAPAN寸評【投手】

先発7人 由伸・宮城・菊池・伊藤・菅野・隅田・高橋宏

救援7人 大勢・金丸・種市・藤平・曽谷・北山・松本

 ※太字は「絶好調で海外にめちゃめちゃ通用する」と見える投手

 

マイアミではどの投手も登板可能。極端な話、昨日投げた高橋宏斗も15日の準々決勝に投げられる。

現実的には1試合に先発タイプ2人と救援タイプ2~3人を使うのが基本線。

とはいえ開幕前に3試合で3連投というのもやりにくい。井端に限らず代表監督は 遠慮の塊 なのですから。えんりょのかたまり。

 

前回大会と違い、今回は救援投手が少ないです。松井裕樹と石井大智の離脱で金丸と隅田が呼ばれた。巨人の大勢も2本塁打されている。

だから先発タイプに長いイニングを投げてもらいたいのだが、由伸はともかく菊池雄星と菅野智之は少しアヤシイ。菅野は予選で抑えたけど、この先はコントロールだけで抑えられる相手じゃなくなります。

 

先発組では宮城と隅田が良かったので、決勝トーナメントではこの二人が大活躍するだろう。私は二人を第1先発で使いたいが、現実的にはメジャーリーガーの顔を立てて第2先発になるだろう。

リリーフでは種市と北山が一番キレてた。昨日の北山の変則クイック投法は国際試合でとても有効だと思います。

曽谷はよく曲がってたけど、コントロールがイマイチでした。

 

金丸は昨日大活躍しましたけど、やはり細かいコントロールがまだない。チェコには通用しても、ベネズエラやプエルトリコには怖い。

金丸は長いイニングを投げられますので、小園と一緒に延長戦に備えてもらいたい。延長戦はタイブレーク制ですが、MLBと同じでイニング無制限です。先発タイプを延長戦に一人残しておきたいです。去年のワールドシリーズみたいなことがあり得るのです。

 

藤平・松本・大勢。

藤平は1/3回0失点。松本は1回1失点。この二人は結果よりも内容が良かったので心配ないでしょう。トーナメントでも安心して送り出せます。

一方、大勢はヤバいです。球威もないしフォークも落ちない。スライダーを多投しているのもニューチャレンジなのか苦し紛れなのかわからない感じ。

いちおうWBCのメンバー表には 今井達也 の名前も載ってるらしいが、あまり現実的ではないと思います。大勢がシャキッとしてれば今井は来ない。大勢がヤバけりゃ13人で戦うか、大谷を二刀流で再登録するか です。

 

サードゴロの打たせ方

最後に小話を。

昨日解説の岩隈久志が、サード岡本和真の守備を絶賛して、

「全日本の投手は困ったらサードゴロを打たせりゃいいですよw」

と発言しました。

 

おいおいクマよ、狙ってサードゴロはなかなか難しいぞ。お前なら簡単かもしれないが、普通の投手が狙ってサードゴロは難しい。

「狙ってショートゴロ」はわりと簡単ですが、「狙ってサードゴロは」はめちゃくちゃ難しい。

 

昨日小園海斗がショートでスタメンしましたが、ショートゴロは0個でした。

小園は宮崎と名古屋でショートを守りましたが、ショートゴロは1個ずつくらいでした。

つまり小園は3試合ショートを守って3個くらいしかショートゴロを捌いていないのです。

 

例えば宮崎の練習試合では1回から5回まで小園がショートを守り、ショートゴロは1回でした。6回から9回までを源田が守るとショートゴロは3回でした。

1~5回はピッチャーが篠原→隅田→高橋宏で、6~9回が北山→佐藤柳之介→松本でした。ショートが源田に変わった途端、ショートゴロが増えました。名古屋でもそんな感じでした。

 

これは侍ジャパンのバッテリーが「小園のとこに打たせたくない」と思ってやってるわけではなく、「源田さんのとこに打たせよう!」と思ってやってるのかもしれない。

ショートにゴロを打たせるピッチングは割と簡単です。セカンドゴロを打たせるピッチングもショートゴロの技術とほとんど同じ。

 

サードゴロを打たせる技術はショートゴロ・セカンドゴロよりもう一つ詰まらせないといけないので難易度が上がる。内角で詰まらせるなら死球のリスクがあるし、外角で泳がせるならゲッツーを取れないし内野安打になるリスクもある。

だからゴロピッチャーは普通、ショートゴロとセカンドゴロを打たせます。

サードゴロを狙って打たせられる投手はめちゃくちゃコントロールの良い投手に限定される。岩隈久志のシュートなら、確かに狙ってサードゴロを打たせられるだろう。

 

北別府学にもできただろうが、北別府はよくショートゴロを打たせていました。ショートの選手とは犬猿の仲なんだけど、そこには謎の信頼関係がありました。北別府は詰まらせ過ぎないように強いゴロを相手に打たせていたと言う。

東亜学園の川島堅は内角ストレートでサードゴロを打たせていたらしい。

川島も相当な精密機械でしたから、サードゴロもお手の物だったでしょう。