佐々木泰には帰る場所がある [野球用語の基礎知識]

最近の野球用語に「帰る場所がある」という言葉があります。

一番最初にこの言葉を言ったのは誰だったかな? イチローじゃなかったかな?

調べてみると2016年に金本知憲が「帰る場所」の話をしていました。じゃあ金本かな?※サンスポ

 

帰る場所とは?

別に誰でもいいんですが、野球用語の「帰る場所」とはズバリ

元のフォーム

のことです。

毎年対戦相手が進化するため、自分も進化しないと生き残れないのがプロ野球の世界。

バッターなら打撃フォーム、ピッチャーな投球フォームをより進化させようと毎年試行錯誤するんですが、自分の型を持たない若手選手はここで迷ってフォームが固まらなくなるわけです。

 

プロのバッターは打撃フォームを最低でも 10個 くらいは持ってると思います。私だって4~5個持ってるもん。※参考記事

打撃フォームは1種類だけじゃなくて、例えばど真ん中ストレートの打ち方だって何種類もあるわけです。

佐々木泰の場合は大きく分けて2種類あります。レフトスタンドにフライを打つ「ハイド打法」と、セカンドの頭の上にライナーを打つ「ジキル打法」です。

今は2月17日で、今日は練習試合です。佐々木泰にはいつでも「帰る場所」があるので、この時期に去年成功しなかったハイド打法を試してみるのは非常にいいことだと私も容認しています。

 

佐々木泰は入団以来「ホームラン王と打点王」と言ってきました。私は「首位打者と打点王を獲るのが佐々木泰」だと見ています。

佐々木泰は江藤でも岡本でもなく、内川聖一や鳥谷敬を右にしたようなバッターになってほしいと思ってます。

佐々木泰のジキル打法は非常に完成度が高いです。速い球にも動く球にもたいへん強い。打率とミート率が高いです。

ただしジキル打法の打球角度は低い。泰はそこが気に入らない。私はたいへん気に入ってますけどね。

 

ヒットの延長

ついでに「ヒットの延長がホームラン」についても解説しよう。

佐々木泰のジキル打法でホームランを打てるのか?

私の答えは NO です。ずっとジキル打法ではホームランを打てません。

では2026年の佐々木泰もホームラン0本かというとそれもまたNOであります。

 

従来の打ち方では「外角」と「低め」はフライにできません。低いライナーにしかなりません。

低めをフライにするのが最近流行のフライボール革命でハイド打法。巨人岡本、ソフバン野村。

外角をフライにしているのがヤクルト村上、LAD大谷。松井秀喜にもそのケがある。

 

昭和のバッターは「内角」と「高め」しかホームランできませんでした。普通反対側にホームランできませんでした。

落合博満と山本浩二は努力で外角低めをライトにホームランしてました。清原和博は天性でやってました。王貞治の打ち方でも外角低めはホームランできなかったと思います。記憶はありませんが、メカニック的にそう思います。

 

なのになぜ昭和のバッターは500本塁打も打てたのか?

それは 内角に来た球をクルッと打ってたから だと思います。

いわゆる一つの「ヒットの延長がホームラン」に近い感覚です。

 

佐々木泰のジキル打法では永遠にホームランを打てませんが、佐々木泰がジキル打法でボールを打ちに行き、途中で

「あ、高めに来た」

「あ、内角甘めだ」

「あ、これなら放り込める」

と思えば、そこからスイングをハイド打法に変えるとホームランを打てるようになるのです。

 

そんなことが実現可能なのか?

その答えは明確に YES です。

ハッキリ言って草野球でもこの打ち方をやっています。だってこれこそ「ヒットの延長がホームラン」なのですから。

 

今日はコザしんきんスタジアムで楽天戦。前田健太は来ないと思います。

佐々木泰はサードでスタメン。2ストライクまではハイド打法でもいいですが、私は佐々木泰に初球からジキル打法で行ってもらいたい。

前田智徳も近藤健介もそういうアプローチで高い出塁率と低いライナーを打ってきました。このアプローチが日本最高峰の打撃であります。ホームランが少なく二塁打が多いスタイル。

村上宗隆と大谷翔平はアメリカの打ち方です。ホームランが多く三振も多い。

佐々木泰がアメリカ型で打つのも良いが、今はまだ体格的に苦しいと私は見ている。泰には前田近藤、内川鳥谷スタイルが合ってる。

 

鈴木誠也の打撃も実はずっと日本型です。あいつはアメリカに行ってもわが道を貫いている。だから私は好きなんだ。

日本型の打撃が必ずアメリカに負けるとは決まっていません。誠也が今年、大谷に勝つ可能性は大いにあります。

佐々木泰にもいつでも帰れる場所があるのだから、キャンプや練習試合ではどんどん新しいことに挑戦すればいいと思います。

佐々木泰のジキル打法はとてもアウトになりにくい素晴らしい打ち方です。

私と誠也が理想とする打撃フォームであります。