昨日の続きです。
捕手坂倉と捕手奨成のツープラトンシステムについて。
バレーボールのツーセッターシステムではセッターも攻撃に参加するため、常時前衛3枚で攻撃することができます。
パリーグにはDH制度があり、正捕手が守らない(休む)日はDHに入ることが可能。
しかしセリーグにDH制度はない。2021年の坂倉将吾は休みの日にファーストを守り、規定打席に到達することができました。
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正捕手は「全試合出場」をしない
カープの正捕手が130試合以上スタメンマスクをかぶったシーズンは1987年の達川光男以来、一度もありません。2004年の石原慶幸は135試合に出場していますが、スタメン出場は127試合。
1987年はシーズン130試合制。つまり達川は全試合にスタメンマスクでした。いつもアホ呼ばわりしてますが、やはりタッちゃんはカープのレジェンドです。
しかしそんなレジェンド達川さえ、15年間の現役生活の中で120試合以上出場しているのはわずか4シーズンです。捕手は激務なのです。
いくら坂倉将吾が天才で、コリジョンルールと言ったって、今も昔も一人の正捕手が130試合以上スタメンすることは非常に困難です。
「1軍29人のベンチ25人」はけっこうキツい
来季のベンチ人数が26人のままなのか、25人に戻るのかはまだ決まっていませんが、ここでは25人に戻る前提で来季のラインナップを構想してみます。先発1人、ブルペン8人なので、野手は16人です。
■ベンチ野手16人の一例
捕手4人・・・坂倉、奨成、アツ、石原
内野8人・・・マクブルーム、キク、林、小園、田中、曽根、堂林、松山
外野4人・・・龍馬、野間、宇草、長野
「1軍31人、ベンチ26人」のコロナ特例で2年間すごしたせいで「1軍29人、ベンチ25人」の野球は少し窮屈です。上の16人には上本崇司、大盛穂、羽月隆太郎、安部友裕がいません。もし新外国人を獲ったらますますキュークツ。
さらにブルペン8人と書いてますが、8人の中には先発投手も1人含まれます。旧ルールでは「あがり」が4人なため、6人ローテならば先発投手も名前だけベンチ入りしたりしてました。懐かしいな。笑
いやあ・・・こんな人数で延長12回を戦うなんて想像したくありませんよね。そりゃ今村猛も30歳で引退するっての。
そこで捕手の「ツープラトン」が活きてくる
カープの場合は捕手がマルチポジションを守れます。
坂倉がファースト、奨成が外野。
1軍捕手4人を3人に減らせば投手を1枚増やせます。
私がキライな「栗林専属の抑え捕手」を継続するにしてもベンチ入り捕手は4人も要らない。坂倉か奨成のどちらかをグラウンドに残しておけば捕手3人制でも十分可能。
最も安直なツープラトンは中村奨成を1塁で起用すること。
これなら坂倉と奨成で行ったり来たりが超簡単。マクブルームをライトに置けばよい。
しかしこのプランにはロマンがないし、守備力もない。チーム1の強肩でチーム1の俊足を1塁に置く意味がわかりません。
中村奨成を山本浩二や緒方孝市に例える方が多いですが、私にはヤツが秋山幸二に見えてしかたがありません。奨成が浩二より俊足で緒方より強肩だからです。
6小園、8野間、9奨成、7西川、2坂倉、3マク、4キク、5林、1森下
とか、
6小園、8野間、2奨成、7西川、3坂倉、5林、4キク、9宇草、1大瀬良
とかでどうでしょうか、開幕スタメンは。小園を3番に置いて左打者が並ぶクリーンアップも全然アリだと思いますよ。
捕手中村奨成の将来性
2021年の中村奨成は3試合でスタメンマスクをかぶりました。いずれもコロナ禍で會澤、石原のいない時期でした。
組んだ相手は九里亜蓮、矢崎拓也、ネバラスカス。誠也とキク、小園も不在で試合結果はなんと2勝1敗でした。中村奨成スゴすぎる。
奨成のキャッチャーはレフトの守備よりは遙かに上手い。当たり前ですけど。笑
とにかくキャッチャー中村奨成は速いのです。
送りバントの守備や2塁牽制などは見ていて非常に楽しいです。
キャッチングについても、3試合だけですがそこそこ1軍で安心して見ていられました。栗林のフォークも普通に捕れるんじゃないですかね。
センター奨成の将来性
中村奨成の課題はサブポジションの方です。捕手は普通に上手い。
レフトの守備はメタメタでしたが、経験不足に加えて「たまにしか守らない」影響も大きかった。
奨成が初めて1軍レフトで出場したのが4月16日の中日戦。2試合目が5月27日の西武戦。この試合はコロナ明け最初のゲームでした。続いて6月2日、6月12日、6月20日、6月24日、6月26日です。
2ヶ月間で7試合しかレフトを守っていません。こんなので上手く守れるはずありません。ベテラン外野手でも難しいです。
中村奨成はセンターでもライトでもよいのですが、マクブルームや正隨、末包をスタメンで使う時、奨成がセンターなら彼らをライトで使いやすいです。レフトは龍馬。
中村奨成がセンターに入れば「坂倉-小園-キク-奨成」というしっかりしたセンターラインが形成できます。
捕手からセンターと言えばヤクルトの飯田哲也が真っ先に思い浮かびますが、俊足強肩の飯田がセンターにコンバートされたのはプロ入り5年目のことでした。
ハッキリ言って外野手は捕手の100倍簡単です。毎日出てれば自然と上手くなります。来年から外野守備コーチはまた河田雄祐です。
スタメン捕手の配分は?
頭脳派の坂倉は捕手とファーストでいいと思います。捕手が100試合でファーストが43試合くらいなら坂倉も1年間フル出場できそう。パートナー投手は森下、九里、昂也、玉村、アンダーソン。
中村奨成は30試合くらいスタメンマスク。来季に限ればパートナーは大瀬良、遠藤、山口翔。
會澤は床田。石原は栗林ってコンビも今季は活躍しました。大道温貴や森翔平も先発組だろう。
来季も今年のアホ野球を継承するつもりなら、マクブルーム會澤石原の3人の中で「最もヒットを打つヤツ」がスタメン起用されます。
アツが最も打てば捕手はアツ、坂倉は1塁。んで森下が8勝7敗です。アホ野球だと思います。
トラックマンとかホークアイでは「打者の反応」を分析できないのです。速度や回転数しかわからない。
速度や回転数は「練習時の目安」であって「打者を抑える根拠」とはならない。1ミリもならないよ、素人の皆さん。
打者を抑える根拠は「バッターの反応」です。
具体的に言うと「こいつ、この球にタイミング合ってるな」です。近年は球種よりもコースでタイミングを外すことが有効だと私は見ています。セパ両方とも内角ストレートが非常に有効です。
バッターの反応をセリーグで最も見えている捕手が坂倉です。2位がヤクルトの古賀。悠平じゃありません。
監督コーチにすれば坂倉の大胆な配球は「セオリー無視」なのでしょう。しかし森下の特長である「攻撃的ピッチング」を最も引き出せていキャッチャーは坂倉です。石原も甲斐も森下のカーブをウィニングショットに使いますが、坂倉はストレートを決め球に使います。
マクブルームがもし40発くらい打てば、必然的に坂倉は週5試合くらい捕手をすることになりそう。1塁のマクが打てば捕手坂倉が120試合くらいに増えそう。
サード坂倉は延長戦などでの「緊急事態」以外ではあり得ないでしょう。捕手とサードの動きが違いすぎるからです。
中村奨成なら身体能力抜群なので普通の選手にできないこともできると思いますが、それでもまずは「外野メインで捕手も継続」でしょう。サードはやらない。
マクブルームがスカタンだった場合は坂倉がファーストメインになるのでしょうね。それだと今年と一緒。またBクラスです。