今日はプロ野球のゴールデングラブ賞にまつわるエトセトラを書きます。
なぜなら2021年はゴールデングラブ賞生誕50周年メモリアルイヤーだからです。
50年の歴史で最多受賞回数を誇る人は誰か?
ミスタープロ野球・長嶋茂雄はゴールデングラブ賞を何回受賞しているか?
カープは過去に何人の受賞者がいたのか?などなど。
ハッキリ言ってとてもオモシロいです。この記事はバズると思います。笑
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最多受賞者は福本豊!
ゴールデングラブ賞(以下GG賞)の最多受賞者は福本豊さんです。12回。
1位の人は有名です。
では2位は誰でしょう?
これは案外知られていません。比較的最近の人です。2人います。
答えは・・・
最後に書きます。笑
3位は山本浩二の10回です。石毛、駒田、新庄、古田、宮本慎也も10回。
日米通算ではイチローの17回が最多です。
ONは受賞回数が少ない
NPBの記録という記録にほとんど全部顔を出す王貞治さん。
しかしGG賞の世界では王さんは案外地味な存在です。
一体なぜ?
王さんは守備がヘタだったの?
それには理由があります。
その理由は
GG賞が制度化されたのが1972年だからです。当時王さん32歳。長嶋さんは37歳。GG賞の表彰はここから始まったのです。
だから王さんは9年連続9回受賞。ミスターは2年連続2回の受賞。
長嶋茂雄はGG賞を2回しか獲得していないのです。
1950年からGG賞があればミスターは17年連続17回受賞していたかもしれない。
福本豊は12回でなく14回になっていたでしょう。
刺殺と補殺
GG賞の常連・菊池涼介。2020年まで8年連続8度の受賞。
菊池涼介が記録したシーズン補殺数535は現在の日本記録です。2位はショートの源田で526。
そして外野手の刺殺数の日本記録を誰が持ってるかご存じですか?
刺殺数とはフライを捕るかベースを踏んでアウトにした数。ランナーなしの内野ゴロでアウトを取った時は一塁手に刺殺が記録され、三振の時は捕手に刺殺が記録されます。
外野手の刺殺数はほとんど全てが外野フライをノーバン捕球した回数です。バックホームでアウトにした時は「補殺」が記録されます。
すなわち外野手の刺殺数の多さは「守備範囲の広さ」を示す一つの目安となるのです。
外野手の刺殺数の日本記録保持者は一体誰か?
それは、
巨人の、
青田昇さんです。意外。笑
青田さんは4番川上の前を打つ3番センターでした。
1948年に記録したシーズン刺殺数は脅威の391。当時は140試合制でした。
一般的に「外野手がシーズン300刺殺を記録すれば超一流」と言われており、青田さんは4回もシーズン300刺殺を記録しています。福本7回、山本浩二で5回です。この人たちの時代は130試合制でした。カープでは他に長嶋清幸が2回、緒方孝市が1回。前田智徳、丸佳浩は0回です。それほど外野手の300刺殺は「高い壁」なのです。秋山幸二3回、飯田哲也1回、新庄剛志0回です。意外。
もし青田さんの時代にGG賞があれば・・・というお話でした。
ちなみに一塁手の刺殺数はシーズンで1000個くらいです。キャッチャーが800~900個。青田さんの「センターで400刺殺」がいかに破天荒な数字か想像できますね。
各ポジション別最多受賞者
次にポジション別の最多受賞者。
これは自分で数えたので間違ってるかもしれません。間違ってたら教えて下さい。
■投手
桑田真澄と西本聖の8回。松坂大輔は7回。惜しかった。
■捕手
古田敦也・・・ではありません。伊東勤の11回です。古田は10回。
■一塁手
駒田徳広の10回。巨人で4回、横浜で6回。FAして良かったです。笑
王貞治は32歳から引退する40歳まで9年連続9回受賞。さすがです。
■二塁手
辻発彦と菊池涼介の8回。キクは今年、単独トップに立ちます。
■三塁手
松田宣浩の8回。2位が中村紀洋の7回。
掛布雅之は6回です。33歳で引退したのが残念でした。石毛宏典は三塁で5回、ショートで5回の合計10回GG賞。
■遊撃手
山下大輔の8回。8年連続8回です。牛若丸・吉田義男は0回。1969年に引退したからです。
2位タイが阪急の大橋穣と中日の井端弘和で7回。宮本慎也はショートで6回、三塁で4回でした。
ショートは激戦区。かつては鳥谷敬vs坂本勇人、小坂誠vs松井稼頭央、宮本慎也vs井端弘和、今宮健太vs源田壮亮など、彼らは同じ時代で競い合っていたため、山下大輔に追いつくことはできませんでした。
■外野手
福本豊の12回。秋山幸二が11回。山本浩二と新庄剛志が10回です。イチローはNPBで7回、MLBで10回GG賞です。
球団別受賞者数
最後に球団別の受賞者数。
49年間にわたり、2つのリーグ、9個のポジションでGG賞が選ばれてきました。
49×2×9=882人。稀に一つのポジションに2人選ばれるシーズンがあったため、実際のGG受賞者はのべ887人います。(2人受賞が6度、該当無しが1度)
これを球団別にするとこうなります。
■球団別GG受賞者数
巨人124 西武104 オリ 96
ハム 88 広島 80 ソフ 69
ヤク 67 中日 65 阪神 61
千葉 52 横浜 46 楽天 12
近鉄 23
カープは5位。大健闘です。
1972年スタートですから黎明期の弱小時代を含みません。だとすればカープ伝統の固い守りはそこそこ正当評価されていると思われます。旧市民球場のデコボコグラウンドも割り引いてあげたい。笑
1990年前後の西武の黄金期はスゴかった。1992年にはGG賞9人中8人が西武です。ちなみに同年のベストナインも10人中8人が西武。
オリックスも1978年の阪急時代に9人中8人をやってます。イチロー時代のオリックスも外野が鉄壁でした。
カープ以上に健闘が光るのは日本ハムです。昭和時代は高代延博、古屋英夫、島田誠らが常連で、平成に入ると広瀬哲朗、片岡篤史、田中幸雄、金子誠、田中賢介ら内野が充実。新庄・稲葉時代も外野が鉄壁でした。
情けないのが中日と阪神。いくら土のグラウンドでももっとGG賞を取らないといけません。
同じく一リーグ時代からの名門南海(ソフトバンク)はGG創設と同時に暗黒時代に突入しました。平成元年にデコボコの大阪球場から福岡の人工芝に移転し、ようやく盛り返し始めました。
巨人はズル。人気投票で有利だからです。実質的な受賞者は半分くらいでしょう。特に投手部門では49人中34人が巨人です。んなワケねーだろ。あり得ません。
まとめと答え
最初のクイズの答え。
GG賞受賞回数2位の人は秋山幸二と伊東勤でした。ともに11回です。立派。
現役選手でポジション別最多に届きそうなのは菊池涼介(8回)と大島洋平(8回)くらい。松田宣浩(8回)は既に三塁手で史上最多です。
通算12回の福本さんに追いつけそうなのはキクくらいでしょうか。足も痛いし山田哲人も上手いけど、何とかあと5回獲得してキクが福本豊を超えてほしいものです。
第50回GG賞の発表は2021年12月15日(水)です。
参考記事:2021ベストナイン考察