2022年7月、カープに34歳の秋山翔吾が加入しました。
ただでさえ「ドングリの背比べ」で「飽和状態」だったカープ外野陣の中に「レギュラー間違いなしの選手」が加わり、秋山は残り500本と迫った2000本安打を目指すことになります。
カープはおそらくこの先、トレードで余剰気味の外野手にチャンスを与えると思われます。
ただしスーさんでさえ、秋山がまさかにカープに来るなんて予想してませんから、7月末のトレード期限に間に合うとは限りません。外野手の放出はが現役ドラフトやシーズン終了後になる可能性もあるでしょう。
カープに来た選手たち
さて、過去のカープの「トレード史」を振り返ってみた時、私の印象では
「カープに来てくれた選手は割と活躍する」
「カープを出てった選手はあんま活躍しない」
というイメージです。ロッテに行った高橋慶彦もイマイチでしたし。
カープに来て成功した選手は大勢います。
例えば
【1】 大下剛史
【26】江夏豊
が代表例。カープ優勝の立役者。
ただしお二人は前所属チームでも既に大物選手でした。【9】秋山もこのグループに属し、カープでもその力を存分に発揮してくれるでしょう。
【12】加藤伸一、【00】山崎浩司もこちらのグループ。
カープに来てショボンとなった選手の代表例は【16】高橋直樹、【6】加藤秀司、【10】高沢秀昭らが有名です。ごめんなさいね、正直で。
一方、前所属チームでは主力選手じゃなかったものの、カープに来て秘めた才能を開花させた選手たちがこちら。
【0】 木村拓也
【29】小林誠二
【32】西山秀二
【66】木村昇悟
素晴らしいですね。トレードの理想型です。総年俸1~2億円は増えたんじゃないでしょうか?
ちょっとオマケすれば【00】曽根海成、【35】三好匠、【39】菊池保則もこのグループに含まれます。笑
こういうトレードが嬉しいですよね。理想的です。
カープを出て花開いた選手たち
一方「カープを出て大活躍した選手」は本当に少ない。
トレードの目的は二つあって、一つ目は自チームの強化。
二つ目は「伸び悩む選手の環境を変え、才能を開花させること」です。
【26】江夏豊や【4】水谷実雄はカープを出ても大活躍しましたが、これは単に「お二人の実力」であって別に「開花した」わけではありません。
阪神の【18】安仁屋宗八、南海の【1】古葉竹識も移籍先で大きく成長することになりましたが、どちらかと言うとお二人とも「元々の実力者タイプ」です。開花したというよりも新しい野球を学んで「視野が広くなった」という感じでしょうか。
だから私は敢えてランキング形式で発表します。
ズバリ
カープを出て成長した選手ベスト5
です。さっそく始めます。
第5位・・・
【43】白武佳久選手です。背番号はロッテでのもの。
慶彦と高沢トレードの構成員の一人。5人が移籍したトレードの中で最も期待値の低かった白武が5人の中で最も輝きました。
この5人の中で移籍後にオールスターゲームに出場したのは白武だけです。そして今なおカープ球団の現役スカウト部長。現在NPBで仕事してるのも白武だけです。
第4位と第3位はまとめて発表します。
第4位は【43】菊地原毅で、
第3位は【23】金石昭人です。
菊地原はカープでもそこそこ主力で投げていましたが、オリックスで当時の日本記録となるシーズン78試合登板を達成。稲尾和久に並ぶ大偉業。後に阪神の久保田智之に破られるまで日本記録保持者でした。んで菊地原もカープで現役投手コーチをしています。パリーグで学んだ引き出しも多いと思います。
金石は日本シリーズ第8戦に先発したほどの「実力者」と呼べなくもないが、秋山幸二にバク転された後の金石は白武と一緒くたに便利使いされる投手でした。
ですがハムに移籍後は先発でエース格の働きを見せたかと思えば、一転してクローザーを長い間務めるなど、すっかり東京の空気が合った様子。奥様は美人アスリートの陣内貴美子さん。オリンピック選手を奥さんにしたのって金石と鈴木誠也くらいじゃないか。小園海斗のお母ちゃんは出てないのかな? とにかく金石はトレードして大成功。うまいことやったのう。笑
いよいよ第2位。
個人的にはこの選手が1位でいいとさえ思っています。
その選手の名は・・・
スタメン福地
第2位は
【53】福地寿樹選手です。パチパチ、パチパチ
覚えてますか?
福地はいきなりヤクルトに行ったんじゃありません。
福地はいったん西武ライオンズにトレード移籍しました。交換相手は守備の上手い【36】青木勇人投手でした。
移籍1年目2006年の福地は77試合にスタメン出場して、打率.289、24盗塁の活躍。
カープの二塁にはラロッカがいたし、外野では末永や森笠が成長していました。「代走福地」はカープの切り札でしたが、この頃カープの2軍では22歳の天谷宗一郎が盗塁王を獲りまくっていました。
だから30歳の福地が志願したのかどうか知りませんが、2005年のオフに西武へ移籍。
西武でのレギュラーに近づいた時、32歳の福地は石井一久の人的補償選手でヤクルトスワローズに移籍ました。
ヤクルト1年目の2008年は外野やファーストで131試合にスタメン出場。んで阪神の赤星を抑えて盗塁王を獲得。
全盛期の赤星は大阪のテレビで常々「もし広島の福地さんがスタメンなら5年連続盗塁王はなかったかもしれない」と語っており、西武に移籍してやれやれと一息ついたら福地寿樹がレギュラーになってセリーグに戻ってきました。
翌2009年も福地は137試合にスタメン出場。やっぱり2年連続で盗塁王を獲得しました。
福地寿樹は現役引退後、ヤクルトスワローズで9年間コーチを務め上げ、昨年の日本一を置き土産に自ら進んで退団。
今は野球解説の傍ら、野球とは離れたお仕事にもチャレンジされているそうです。ある意味で、プロ野球選手の理想的なセカンドキャリアじゃないですか。野球を時々やりながら他の仕事も勉強するっていうのはね。
いよいよ第1位
カープを出て行って「才能開花」させた選手ランキング。
いよいよ第1位。
福地より開花した選手なんかいる?
いるんです。
その人の名は・・・
【31】永射保投手です。
昭和を代表する左殺し。西武大洋を中心にプロ20年で600試合登板を果たしました。
記録もスゴい永射投手ですが、ソレイタ、レロン=リー、門田博光が逃げ出すほどの強烈なインパクトを残した左キラーでした。実はシーズン200イニング投げた年もあります。笑
カープにいても大成功したかもしれませんけど、結果的に永射投手はカープを出て「プロ野球レジェンド」となりました。個人的にはアルフォンソ=ソリアーノ以上に「カープ出身レジェンド選手」です。
今年のオフに、もしトレード放出される外野手がいたとしても、その選手が永射や福地とまでは言わないが、キムタクや西山みたいに移籍先でレギュラーを掴み取ってくれると私は嬉しい。去年クビになった高橋大樹もね、カープでノーチャンスならトレードで出してやれと思ってましたよ。