イチローが新庄監督に言いそうなこと

このブログに来てくださる方は「スモールベースボール」や「守り勝つ野球」をお好きな方が多いと思います。

新庄がオープン戦で首位を快走してた頃は

「いいぞ新庄!おもしろい!!」

と言ってたメディアも公式戦で4勝12敗のハムに対し、

「ふざけてる」「失礼だ」

とだいぶ論調が変わってきました。

だが私は新庄の野球を激しく支持したいと思います。


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イチローが伝える野球って何だ?

昨日はカープの試合がないので、Numberの最新号を買って読みました。

こちらです。

去年と一昨年、イチローはオフシーズンに智辯和歌山高校や國學院久我山高校の臨時コーチに赴き、女子野球とガチの練習試合をやりました。

 

イチローが若い球児たちに伝えたい野球。

それは、

頭を使ったスモールベースボール

なんですよ。

 

イチローは自身の現役引退会見で

「最近のメジャーリーグは頭を使わなくなってる」

と発言しました。

私もいたく感銘を受けて「よく言ったイチロー!」と快哉を叫びました。

 

新庄剛志も守り勝つ野球とノーヒットで点を取る野球を目指しています。

守備位置や打順を日替わりにしているのは選手全員の適性を見るためなので別問題です。

マスコミが新庄を批判しているのは「ガラポン打線」と「試合に勝てない」ことであって、新庄の「守り勝つ野球」までは否定していません。

 

イチローが高校野球を教えに行ったのは、球児たちが若いうちから考える野球をしてほしいという思いがあるからです。飛ぶバット使って、打率ばっか稼いでんじゃねーよってことを伝えたいのです。

 

考える野球とは頭を使って強い敵を倒す方法。柔よく剛を制す考え方。

強い敵にパワーで対抗するんじゃなくて、日本人は知恵と工夫で戦いましょうということ。

そしてそれは野球だけに限らないよということ。

日本人は知恵と工夫で戦いましょう。

 

イチローが言いそうなこと

ここからはウソ記事です。

いつも本当のことしか言わない私ですが、以下は妄想100%のウソ記事です。イチローはこんなこと一言も言ってません。よろしく。

 

2022年4月、シアトルにて。

記者 イチローさん、今日は日本のプロ野球についてお尋ねします。

イチ いいですけど、僕、あんま詳しくないですよ。笑

記者 日米合わせて28年間プレーされたイチローさんから見た、新庄監督の野球を解説していただきたいんです。

イチ 報道で見る限りでは「なんだか高校野球に似てるな」と思いますね。選手をいろんなポジションで考えさせたり、守備の練習に時間を割いたりってところが高校野球のようです。メジャーリーグを目指さず、高校野球を目指す感じは僕は好きですよ。

記者 イチローさんは引退会見の時、「日本の野球はいつまでも頭を使う野球であってほしい」とおっしゃいました。

イチ 僕が体の小さい選手だったからこそ気付けたことが「頭を使うこと」だったんです。だから体の小さい日本人には走攻守プラス「考」の4拍子が必要。それが日本の野球であり続けてほしいという意味で言いました。

 

記者 今の選手はいろんな道具を駆使して映像分析やデータ収集に余念がありません。

イチ そういうのはちょっと違うかな。僕、現役時代に相手投手のビデオを見ることはほとんどありませんでした。自分の打撃フォームと球審のクセはちょいちょい見てましたね。ああ、この人はここを(ストライク)取るんだとかね。だけど相手投手のビデオは見ない。全く同じ球を全く同じフォームで投げてくれるなら見るかもしれないけど、相手は人間だから。あまりそこに時間を使いたくないですね。

記者 では頭を使った野球とはどんなものですか?

イチ 今、ものすごいざっくり来たね。答えられねーよ、そんなの。笑 でも一つ言えることは頭を使うのはプレーだけの話じゃないってことかな。

記者 プレー以外のことで頭を使うシーンはたくさんありますか?

イチ そりゃもう全部ですよ。起きてる間はずーーーっと頭を使わなきゃ。休憩時間ぐらいは休んでいいですけど、僕、単調なルーティーンでもずっと目的を意識しながらやってますよ。メジャーにはけっこう「体動かしてりゃいいや」でストレッチしてる選手がいますけど、僕はそれは非常に勿体ないと思います。何のためにストレッチをやるかと言ったらそれはケガしないためじゃないですか。でしょ? こんなプレーをした時にケガしないようにこのストレッチをやるんだと考えてやってたら、ああそうだ、じゃあこのプレーにも備えをしとかなきゃって自然とわかってくる。トレーナーから渡されたメニューを「やってりゃいいや」でやってる選手は162試合のどこかで必ずケガしますよ。野球選手の動きってそれだけいろんなパターンがあるんですから。

 

守り勝つ野球

記者 イチローさんは走攻守で走が一番難しいとおっしゃっていました。では二番目に難しいのは攻ですか、守ですか?

イチ 選手個人では守ですね。走→守→攻の順で難しいです。チームなら間違いなく攻です。攻→守→走の順で難しいです。

記者 ではチームの話で伺います。新庄監督は日本のキャンプで守備を徹底的に練習しておられました。

イチ そこが僕が高校野球っぽいなと思った理由です。もちろんどのチームもバランス良く全体練習をすると思うんですが、守備だけはチーム全員が集まらないとなかなかできないですからね。打撃やピッチングは夜、一人でいくらでもできますから。

記者 もしイチローさんがNPB球団の監督になられたとしたら、新庄さんと同じように守備練習に力を入れますか?

イチ チームにもよりますがまずそこを鍛えることは間違いないでしょうね。僕、打つだけの選手キライなんですよ。わかるでしょ。笑

記者 笑

イチ まあそういうチームの監督になったらパワーで勝つチームを作らないといけないでしょうけど、今の日本ハムのメンバーを見てると、僕も新庄さんと同じような野球を目指すと思います。守備から入るチームになるでしょうね。

記者 実はその日本ハムも現在パリーグ最下位と苦しんでいます。

イチ 苦しんで悩めばいいと思いますよ。阪神も今たいへんなことになってますよね。僕もシアトルでかなり負けたことがあるんですが、あの時はもうチームの雰囲気も最っ悪でした。笑

記者 イチローさんはどうやってその苦しみを乗り越えましたか?

イチ 僕は徹底的に僕個人のやれることを全部やろうと思ってました。こっちは選手ですからそれしかできることはありません。もし僕が監督だったら、選手にも「今できることをちゃんとやろうね」って徹底させると思います。

記者 「ちゃんと」ですか。

イチ ちゃんとです。考える野球ってピンキリなんですよ。キリの子でもできることはあります。全力疾走、バックアップ、ベースカバーも頭を使う野球です。アメリカのやつらは記録に残らないプレーをホントにサボるんですよ。僕はそのスキを突いてちょこちょこっと1点差で勝ちたい。それさえちゃんとやってれば僕は10連敗までは行かないと思います。せいぜい5連敗くらいで止まると思います。笑

 

奇跡の走塁

記者 最後になりますが、昨年夏の和歌山県大会決勝戦で智辯和歌山の見せた「奇跡の走塁」が話題になりました。

イチ あの走塁の本質は相手を欺いて1点取ったことではなく、常に走者が次のプレーを予測し100通りの備えを怠らなかったということが重要なのです。

記者 100通りも次のプレーを想定されておられるんですか?

イチ 僕の場合はそうです。高校生でも30~40は想定していないと話にならないと思います。そりゃもうトーナメントで1点取る取らないは試合に勝つ負ける、そのものですから。

 

※実際のプレー 2死12塁のショートゴロで得点

 

記者 この試合に出ていた松川君がプロの一軍で完全試合を達成して、細川君が新庄監督のもとにいます。

イチ 若い子の勢いは時にとんでもない爆発と飛躍を見せます。でもマグレは続きません。僕は広島の小林君のように1年目2年目は二軍でじっくり鍛錬する子が将来伸びると思います。僕自身がそうでしたからね。1年目に一軍に呼ばれた時、なんとか断りたいって考えてました。

記者 派手なプレーや派手な記録は要らないと?

イチ プロ野球では必要な部分ですけど、高校野球ではまーーーったく必要ないですね。トーナメントですから堅実なミスのない野球が必ず強いです。

記者 ただ「奇跡の走塁」は実際に起こりました。

イチ あれを奇跡と言われちゃ不本意ですね。あのプレーは得点を取るためにこんな技も考えられるよと言って、子供たちと一緒に考えて準備した100個のプレーのうちの1つにすぎません。他にも得点パターンは99個残ってるんです。99個は試合で使えていないんです。でも僕たちにはその準備があるから、どんな試合のどんな場面でもゆとりと余裕を持ってプレーすることができるんです。これがプロもアマも関係ない野球の本質だと思います。

記者 ありがとうございました。