2021.3.23(火) センバツ
市立和歌山 1x-0 県岐阜商業
広島新庄 1x-0 上田西 甲子園
昨日のセンバツ甲子園は3試合が行われましたが、そのうちの2試合が1対0の投手戦。
和歌山は9回サヨナラ勝ちで広島は12回サヨナラ勝ちでした。
シブいねえ。今年の野球界を象徴してるかもしれないよ。
ホームランがまだ1本も出てない
毎日新聞が今年のセンバツではまだホームランが1本も出ていないと指摘しています。
原因はコロナ禍での実戦不足ではないか、とのこと。
なるほど。ピッチャーは相手がいなくても練習できるけど、打者は試合で活きた球を打ちたいよねえ。
ま、私はたまたまだと思います。まだ10試合ほどです。そんなこともあるだろう。
右投げ左打ちの当て逃げ打者が多いことも大きな理由。
あと監督さんの方針によるところも多いと思う。一発長打を狙わずコツコツ行け。
昔の人が言った「ヒットの延長がホームラン」は完全にウソですからね。
ホームランの打ち方とヒットの打ち方は別物。
最近は「一緒だ」って言う選手も多そうですが、私は断固として違うと思います。ホームランの打ち方とヒットの打ち方は「2ストライク前の打ち方」と「2ストライク後の打ち方」ぐらい大きく違います。これを「一緒だ」って言う打者はホームランを打てないと思います。わりと鈴木誠也も後者のタイプだと思ってますけども・・・
攻めるか守るか
高校野球では「送りバント」が多用されます。
昨日、県岐阜商業の鍛冶舎監督が和歌山・小園君を相手に何度も送りバントを試みましたが完封負け。1死1塁でもバントしましたが実らず。
鍛冶舎監督は普段バントを多用しないと言う。
それでも昨日5つの犠打を記録したのは好投手・小園に1対0で勝つためでした。
高校野球が始まったのは1915年。100年以上前のこと。
この頃に送りバントという作戦があったかどうかは知りませんが、少なくとも良いボール、良いグラブ、良いバットはなかったでしょう。
プロ野球においても戦前の本塁打王は100試合やって10本以下。一ケタで本塁打王です。
「30発以上の本塁打王」が当たり前になったのは1960年代に王貞治と野村克也が登場してからの話です。
もともと高校野球は本塁打が出にくいものです。
しかもトーナメント戦でもあります。
一度負けたら即敗退という状況で、出にくいホームランを狙うのは各チームにとってリスクが高かったのでしょう。
そこで進化したのが「守り勝つ野球」。非力で器用な日本人にとって、これが技術的にも精神的にもハマったと思います。広島においては機動力まで発達しました。
「守ること」は日本人気質に大いに適合したのです。
気質も大事
今年のペナントレースが「延長ナシの9回制」に決まり、どこが有利でどういう野球をするか。議論が高まっています。
私が提唱したベンチ入り24人ルールは誰も取り上げてくれません。鮮やかにスルーされています。笑
9イニングで選手26人は多すぎると思いますけどね。球数制限のある高校野球でさえベンチ18人です。ちょっと前までは15人でしたよ。
若いファンは打ち勝つ野球が好きですね。だってわかりやすいから。
野球経験者の中に「打って勝て!」と言うヤツはいますかね? 私はいないと思います。
最近は日本人も肉と小麦粉を食べて体が大きくなりました。筋トレも発達しました。
ホームラン狙いが送りバントより得点効率が高いのも理解できます。
ただどうでしょう?
打って勝つアホ野球は私の気質には合わないです。
申し訳ないが「バース掛布岡田」「1番真弓」はアホ野球です。私は大阪人ですが、当時の阪神ファンもアホ野球とわかってて応援してました。「オモロイからOK」だったんですよ。
そしてこの野球が長続きしないことも阪神ファンはわかってましたよ。大阪人の口癖「バースの再来」はわかっててボケてるんですよ。マジで言ってんじゃないですよ。
カープが3連覇した時もけっこう派手な逆転勝ちが多くて、私は
「もっと静かに勝ちたい」「9対8の逆転勝利はアホ野球だ」と言い続けてきました。
多くのカープファンが2020年のベストゲームにあげる「會澤翼、逆転満塁ホームラン!」の試合も私はアツを酷評しています。てめえがヒーローになってどうする!?キャッチャーは投手をヒーローにせんかい!と。参考記事
アツが5点取られて、自分で6点取って勝利しました。
前田智徳はエラーで1点取られて、自分で2点取ってヒーローインタビューを拒否しました。この時の前田は21歳でした。
守備は性格なんですよ。日本人の気質と言ってもいい。
日本人に合ってる。魚とコメを食ってる日本人の気質は守り勝つ野球。
私は肉とハンバーガーも大好きですが、毎日は食いません。お茶とコメと味噌汁は毎日食べます。
守り勝つ野球はコメと味噌。保存食で発酵食品。
打ち勝つ野球は電子レンジと過剰包装だと思うんですよ。
私の言ってる意味分かるでしょ。アホな巨人のお前にも。
気質は大事です。
日本人は犠打、犠牲、協調、謙遜が好き。攻撃よりも守りが好きなはずです。
コンビニと冷凍ギョーザを食ってるヤツは忍耐が足りないに決まっています。モノを大切にしないコンビニ野郎。選手ポイ捨て巨人野郎です。
守備はリズムを生む
私がマゾだから守り勝てと言ってるんじゃありません。
むしろ私はサドです。忍耐も苦手で「攻撃は最大の防御」がポリシーです。迷った時は前に進めという考え。保守より革新。
しかしそれでも「打って勝て」とはならないのですよ。
なぜなら「守った方が勝てるから」です。
守備は野球のリズムを生みます。これはテレビで見ててもわかりません。
投手が投げる、打球が前に飛ぶ、捌いてアウトにする。この時、打球を処理する選手以外の全員がベースカバーに動くことは誰でもご存じですね。
これが良いリズムを生むんですよ。グッドリズムです。
楽しいんですよ。打者の反応を見ながら一球一球、体を動かすのが。キレも出ます。
打者が見逃した時さえ動きますよ。私はセンターですが見逃しでもめちゃくちゃ動きます。絶好調時は1メートルぐらい動くんじゃないかな。
打球を予測し風を読む。ランナーに向かってウソもつく。
これぞ野球の醍醐味で面白さ。ドーム球場と人工芝はアホの野球です。テレビゲーム。箱庭。
イチローが言いましたよね。引退会見で。
「日本の野球は頭を使う面白い野球であってほしい」
守備はリズムを生みます。体のキレも出る。
ぼさーっと立って、自分の打撃ばかり考えてるヤツは逆に打てないものです。だからDHは難しいってみんな言うでしょ。プレイボール直後の1回表もちょっと打ちにくいんですよ。
延長ナシの野球
だから選手をチョコマカ代えるのが得策だとも一概に言えません。
選手がリズムに乗りにくいからです。
私はセンター大盛で戦いたいですが、カープはとりあえず松山を先発で使いそうです。
延長ナシならスタメンの松山竜平を2打席で引っ込めてもいいんじゃないでしょうか。代走大盛、代打長野、また代走曽根とかできますからね。彼らは途中出場の専門家ですし。
私は松山の外野守備も心配なんですが「1塁走者松山」に耐えられないのです。
送りバントして1死2塁。ヒットが出てもまだ点になりません。走者松山をホームラン以外で生還させるには膨大なコストがかかります。
松山は返す人。塁をふさいでどうすんだ。