30年前、明青学園が夏の県大会で、相手チームの3人の継投に苦しんだことがあるんですよ。
3人の投手が明青打線の打者一回りで交代。タイプも左投手、右の下手投げ、速球派と全く異なる3投手。
でも明青もエース上杉が踏ん張って8回まで0対0の粘り合い。
明青の9回表は1番打者から。
ここで相手は先発投手が二度目のマウンドへ。
すると明青の1番打者はこう言いました。
「おや?またお会いしましたね」
■またお会いしたんです
2019.6.5(水)
西武1-9広島 西武ドーム
前半は大瀬良と十亀の投手戦。粘り合い。
6回裏を終わって1対1の同点。
7回表。カープは先頭・鈴木誠也がイラつき気味に強烈ヒット。無死1塁。
「ここは龍馬に送りバントさせるやろなあ。それやったらコースケにも代打を出せっつーの」
西川龍馬やっぱりバント。キレイに決まって1死2塁。
「よっし龍馬、チームのためによくやった。あと2打席は回してやるからな」
松山四球、會澤死球で1死満塁。
8番田中、9番安部のところで、西武のピッチャー交代。
左の小川龍也投手。背番号44番。
「またお会いしましたね」
前日に続く2連投。
前日、田中広輔と小川龍也は対戦していませんけど見てるんですよね。ベンチから。
草野球の世界ではこれはとてつもなく大きいことなんです。
初見の投手と昨日見た投手は全然違いますよ。打者から見た安心感とタイミングが。
んでコースケ、ライト前。2対1。勝ち越し。
■西武のルーキー森脇君
パリーグのチームって代打が少なくてすむためブルペンが8人か9人いるんですね。
んで1イニングに2人使うこともよくある。
カープは9番安部に代えて代打磯村。
西武も右の森脇にスイッチ。前日の延長11回と同じパターン。前日は會澤・田中・小窪を抑えています。
この子のフォークが非常におもしろい。ふわっとチェンジアップのように落ちます。
代打の磯村はそのフォークを痛打! レフト線ツーベース。4対1。
「だって昨日見てるもん!」
いいボールですが、もっとストレートを使いなさい。森脇。
■んであとは個人記録へ
8回表。西川龍馬レフトフライ。4打席無安打。
龍馬の連続ヒットは26試合で途切れるのか?
いやそうじゃない。
「もう1打席回すぞ!龍馬に!!」
コレ、私だけじゃありません。
たぶん西武ドームのファンが全員感じてたはず。
だって自分の記録を犠牲にして、7回に送りバントを決めた西川龍馬。
それが十亀を降板させ、中継ぎ勝負に持ち込めた要因。
「よっしゃ龍馬、この試合はオマエにくれてやる。もう一回ヒット打ってこい!」
みんな思ったんじゃないですかね。ベンチや選手はもちろんです。
8回表の龍馬がアウトになった時点で、9回表に龍馬に回すぞって意気込んでおりますから。笑
■キクと誠也はやっぱ凄いって話ですよ
で広輔が満塁ホームラン打ったりして繋ぎに繋ぐカープ打線。点差は広がり9対1。
でも9回表も2アウト。バッター誠也。
1球目しょぼいスライダーを見逃し。
2球目も真ん中ストレート見逃し。
「なんでや、なんで打たへんのや、誠也?」
3球目のボール球を見逃した後、4球目の高めストレートもカット気味にファール。
「そうか、誠也は四球狙いか。カットならいつでもできるってことか」
その後も2、3球カットして楽々フォアボール。役者が違う。
さあ回ってきた2死1塁で5番の西川龍馬。
「誠也・・・牽制で死ぬなよ」
龍馬は初球をフルスイング!
ボッテボテのセカンドゴロ。笑
しかし龍馬の足が速い!
二塁手の送球が大きくそれた!
記録は・・・ヒット!
内野安打で山崎隆造を超える27試合連続ヒット!!
良かったね、龍馬。
8回の4打席目の後、チーム全員がもう1回龍馬に回すぞって結束しましたよね。
新井貴浩の2000本安打の時を思い出しまたよね。
実は龍馬の内野安打の時、同じような打球を捌いた菊池涼介のことを思い出しました。
7回裏の源田のセカンドゴロ。ボッテボテ。
「これは無理やろ、ヒットやろ」と思ったんですが、菊池は猛ダッシュからバティスタへショートバウンド送球。
ショートバウンドって一塁手が一番体を大きく伸ばせる場所なんですね。
それを瞬時にランニングスローで投げられるキクってやっぱ凄いなあと思いました。
慶彦を 超えていいんだ 三十四